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【今週の競輪好プレー】越後の苦労人・牧田悠生“4年分のまくり” /福井FII・2日目12R男子予選2

2023/06/05(月) 13:00 0 3

東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは4度の不合格にくじけなかった牧田悠生の好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。

6月2日「競輪ルーキーシリーズ2023(FII)」2日目A級 男子新人戦予選2ーー

牧田悠生の瞳は輝いていた

 福井競輪場で「競輪ルーキーシリーズ2023」の第4戦が6月1〜3日に渡って開催された。2日の男子予選2で牧田悠生(23歳・新潟=123期)が涙を禁じ得ない、思いの丈をあふれさせる渾身のまくりを決めた。

 4度の受験失敗を経て、5度目の挑戦でようやく競輪選手養成所に合格した。
「大学にも行かず、4年も浪人して、両親に迷惑をかけて」。嗚咽は止まらず「この強いメンバーの中で勝てるなんて」と、涙があふれた。

 在所成績は40位で、前評判も高くはない。しかし、まがいなき好プレー。
 丸林駿太(21歳・福岡=123期)が突き放して1人で逃げている。地元の竹澤雅也(22歳・福井=123期)が車間を大きく確保して追っていく。竹澤を当てにして、追いかけてもらって、でもいい。だが、4年間の苦しさが、確かな実力に変わっていた。

 佐藤壮志(19歳・熊本=123期)が真後ろから踏んできた瞬間、最終バックから自ら踏み上げた。勇気と決断、そして上がりタイムも11秒3と優秀なもの。4度の不合格にくじけなかった男が、たくましい勝利に輝いた。

「泣いているとカッコ悪いんで」

 照れながら笑顔でカメラの前に立っていたのは、一人前の競輪選手。何としてもたどり着きたかった戦いの場に立った、戦士の姿があった。★は4年分とこれからに期待して満点の5つ。苦しんだ時間を力に変えたまくり。その美しい走りは、めったに見られるものではなかった。そしてとにかく、これからの活躍を応援したい。

すごいで賞=★★★★★(星5つ)

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