2023/05/18(木) 14:00 0 6
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは16日に行われた「五稜郭杯争奪戦(GIII)」の最終日で衝撃の勝ちっぷりで全国を轟かせた嘉永泰斗の好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
函館競輪場の「開設73周年記念 五稜郭杯争奪戦(GIII)」の最終日(16日)の決勝は、嘉永泰斗(25歳・熊本=113期)が新しい時代を作る男だと証明するレースとなった。
形上は嵯峨昇喜郎(24歳・青森=113期)と犬伏湧也(27歳・徳島=119期)がやり合ったところをまくったもの。しかし、ただまくっただけではない。車番の状況から「後ろ攻め」を想定し「犬伏さんを抑えて引かせる」。この狙いは、犬伏が下げてカマせば、新田祐大(37歳・福島=90期)を背負う嵯峨とやり合うという狙いがある。
マッチアップをプロモートする“ドン・カナガ”の姿があった。脚力だけでなく頭脳、発想力、そして胆力が備わっている好プレーだった。しかもそのインパクト、余韻はレースだけにとどまらなかった。
衝撃の勝ちっぷりは全国を轟かせ、「嘉永はやる」を知らしめた。
また数字にも表れた。
1995年に神山雄一郎(55歳・栃木=61期)が樹立したバンクレコード10秒8を更新する、上がりタイム10秒7のまくり。犬伏のカマシをまくったのだから、これだけのタイムが必要だった。それを平然とやってのけた。
またこの優勝は昨年大会の瓜生崇智(28歳・熊本=109期)に続く熊本勢連覇でもあり「自分が自転車を始めるきっかけになった先輩」に続けた喜びもあったという。
一つのレース、走りの中に多くのものが詰め込まれ、それを噴火させた★5つの好プレー。当方としても大いに期待している選手なので、ここは★4つとしてGIで…と書くパターンも思いついたが、これは★5つ。
もう、GIで活躍することがもはや普通。
その時は驚かず、冷静に少なめの★で評価するか…、★以外のものをあげないといけないな…。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)