2023/05/13(土) 10:00 0 15
函館競輪場で13日に初日を迎えた「五稜郭杯争奪戦(GIII)」。競輪歴約30年の夕刊フジ記者・秋田麻子がレースの展望と注目選手を紹介します。ぜひ車券に絡めてみては?
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「日本選手権競輪(GI)」が終了した。激戦に次ぐ激戦で衝撃のラスト。地元の主役・郡司浩平(神奈川)は準決勝で落車し、右肩甲骨を骨折した。同じく守澤太志(秋田)も落車、第7頸椎骨折でともに全治40日間の診断で今シリーズの欠場を余儀なくされた。
その日本選手権で存在感を大きくアピールしたのが犬伏湧也(徳島)。
二次予選では打鐘から仕掛けると番手の柏野智則(岡山)があっさり離れ、単騎での先行になってしまったが、番手にハマった長島大介(栃木)にまったく差し込まれることなく、またSS新田祐大(福島)にも巻き返す隙を与えずに堂々と押し切った。
3月大垣記念で優勝した時に見せた単騎カマシ以上の強さだった。ダッシュ力には定評があり、犬伏が本気で踏み込んだら追走できるのはS級上位でもわずかと囁かれている。番手の選手の状況を考えて離れないように、10割ではない力で気を使って踏んでいると見る向きすらある。日本選手権決勝は番手の清水裕友(山口)にすべてを託し、脇本雄太(福井)を不発にするべくかっ飛んでいったが、勝負に徹すればすぐにでもGIII2回目の優勝が見えてきそうだ。
新田は守澤、郡司の欠場でSS1人になってしまった。責任重大ととらえるか、ライバルが減ってチャンスと考えるかは本人次第だ。日本選手権二次予選で犬伏にはしてやられている。犬伏相手に同じ失敗はできない。初日特選から新田が犬伏にどう対抗するかが興味深い。
嘉永泰斗(熊本)は今年さらなる飛躍が期待される若手。日本選手権は二次予選で深谷知広(静岡)の先行に屈したが、最終日は得意のまくりで新田に先着。一次予選では先行で長い距離を踏んで2着に粘るなど戦法に幅ができたのも好材料だ。
吉田有希(茨城)はやや低調も、日本選手権は4走すべてで最終BSを取る激走でらしさをアピールした。ここでも積極的な走りで同期犬伏の一人舞台にはさせない。