在所成績は23人中2位で卒業記念レース優勝と同期の中でも実力はトップ。養成所では、ナショナルチームの指導が受けられるHPD教場メンバーに選抜されるなど素質を高く評価されてきた。

　養成所卒業後は、恵まれた環境で実力を磨いてきた。岸和田競輪場をホームバンクとし、S級S班で今年GIを制した古性優作選手と練習を一緒にする機会も。

「古性さんなど男子選手のグループを後方から追いかけ、400〜600mをもがく練習をやってきました。養成所卒業後は全然ついて行けなかったんですが、最近はついていけることも増えてきたので、古性さんから『デビュー戦は自信を持って走ったら良い。競輪場に入ったら練習をやってきた自分を信じる。もしダメでも岸和田に帰ってきて頑張れば良いから』と、ここに来る前に声をかけてもらいました」

　松井が競輪選手を目指したきっかけは、高校時代からの友人で同じ学年の山口伊吹(23歳・長崎=116期)の存在が大きいという。

「私が大学時代(同志社大)に、伊吹が岸和田の開催終わりに私の家に泊まりにきてくれたことがありました。一緒に買い物に出掛けたんですが、好きな物をためらうことなく買っていた伊吹の姿を見て、心の底から羨ましいと思いました」と思い出を振り返る。

　注目の初戦は「前々で走るのが理想ですが、後方になっても高速捲りで勝利を狙いたい」と、必勝シナリオを描いている。宇都宮入りする直前には山口から「頑張れ」とLINEを受け取った。尊敬する先輩や友人などさまざまな人のエールを力にデビューシリーズVを目指す。