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競輪初心者でもわかりやすい9車立ての3つ予想のポイント

2023/03/01(水) 12:00 0 10

ケイリン女子部・部長の二宮歩美が全3回に渡って、競輪の魅力やコツをお届け。最終回は「ラインによる初心者予想ー後編」について紹介します。

 第1回、2回では基本的な知識をお伝えしてきましたが、今回は実践的な「ラインによる初心者予想」を前編と後編に分けて紹介していきます。

 「初心者でも予想がしやすい」と言われているミッドナイト競輪を今回は例にしてお話します。まず、ミッドナイト競輪は1番車から順に競争得点が高い選手が入っていく7車立てということは、前回説明しましたが、これをしっかり頭に入れておいてください!

■2月12日 静岡競輪 12R S級 決勝

2月2日 前橋競輪 6R A級 特一般の出走表

(並び:⑧①⑦⑥ ⑨② ④⑤③)

 GIII以上になると一気に2車増えて9車立てになるので、予想展開のレベルが格段にあがりますが、予想の仕方がわかるようになると逆に深みがあって楽しくなってきます。なんといっても当たると7車立てやミッドナイトより、良い配当が期待できるのも賭け甲斐がありますよね。

1、ラインを確認し、データをチェック

 まずはラインの確認していきましょう。

渡邉雄太選手は南関東4車で⑨清水裕友選手は中国2車、④吉田拓矢選手は北日本2人がつく3車で3分戦になりました。

 続いてラインの先頭選手の比較や脚質、タイプの確認ですが⑧渡邉選手と④吉田選手はBK回数もほぼ変わらず逃も捲も決まり手があります。⑨は捲のみの数字になっています。

2、ここから展開を読み解く

イメージ(撮影:島尻譲)

 展開をシンプルに読み解くと⑧より④の方が競走得点が高いので最終的に先行しているのは④で⑨が少しだけ競走得点が高いので、捲り切れるかが焦点になりそうで、それぞれの番手の選手の方が得点が高いのでゴール前に差す可能性も視野に入れて。

 ④が先行して、その番手の⑤が牽制して捲り切らせなければ、そのままラインで決まる⑤-④=③や捲り切れないけれど絡んでくる⑤-⑨=②なんかもイメージできそうですよね。

 ですが、ここでちょっと待ったー!!
競輪は単純にデータだけではなくて、人間が走るスポーツであり、そこに気持ちや感情、人間関係も大きな予想の要素になりえるのも、また1つの醍醐味であり、面白さなんです。

3、「地元3割増し」に注意

深谷知広(撮影:島尻譲)

 先ほど⑧はラインの先頭選手の比較の地点で競走得点が1番低いので最初に切ってしまいましたが、今回は静岡記念競輪(たちあおい賞争奪戦)ということで静岡の地元の選手。

 競輪の格言に『地元3割増し』という言葉があり、自分が普段、お世話になっている地元の競輪場では、いつも以上に頑張って開催を盛り上げる流れや風潮があるんです。

 しかも、自分だけではなく番手には同じく、地元かつ自分より得点も高く、なおかつBK回数も逃も捲も決まり手も多く持っている①深谷知広選手がいます。さらに言うと3番手には今回の9人の中で1番得点を持っているSS級の⑦郡司浩平選手まで続いて4車とラインが1番長くなったからには、いつも以上の力を出さざる負えない要素がてんこ盛りです。

■普段以上のパワーを発揮する要素
・ラインがどこよりも長い
・地元である
・後ろには自分より強い地元の先輩
・3番手にはSS級のトップ選手
・後ろ3人とも本来、ラインの先頭でレースを作っていくこともできる自力選手が並ぶ(BK回数や逃、捲の決まり手がある)

 この要素が増えれば増えるほど、基本は自分に力があるか、残れるかは別として、まずはチームとしての仕事として何がなんでも後ろのためにも先行して風を切ろう!って気持ちになるのが人であり、漢気というものにも繋がってくる部分でもあります。

 まず先行とは誰よりも長い距離、先頭で風を切るので苦しくて仕方ないのですが、やり続けることによって持久力がつき、メンタルの強化にも繋がります。さらに自分たちのチームが1番先頭にいるので他のラインからブロックされることもなく、安心安全にレースを運ぶことができます。なおかつ、後ろについている選手を無風でゴールまで近づけることができ、チームから信頼され、評価もあがる、1番素晴らしい戦法なんです。

 なので、私としては、ここは何がなんでも⑧が先行して、別線の捲りは全て後ろの①⑦⑥の選手がブロックや牽制をして止めてくれるとみて、このラインから勝負!!

 最後は⑧もいつも以上の力を出し切ると思うので、さすがに残るのはきついとみているので優勝は番手の地元①深谷選手をメインに、それでも力のあるSS級の⑦との折り返しから3着は広げて①=⑦-⑤③②⑨辺りから。

4、まとめると…

■予想展開の仕方
1、まず並びを確認する。
2、ラインの先頭の選手の比較、脚質やタイプ、競走得点を確認。
3、実際にデータを参考に誰が先行しそうで誰が捲りそうか、展開を考えてみる。
4、番手の選手が差せそうか、どうかも考え、予想を導き出す。
その他:先行はラインでノーリスク。捲りは牽制やブロックがつきものなのでリスクが高い。地元は3割増し。後ろに強い選手がついていると、とにかく前の選手は頑張って先行する可能性…などなど。

 いきなり、全ての要素を加味して予想展開をしようと思うと頭が爆発しちゃうと思いますので、まずは競走得点が強い選手を基準にラインで購入するところから始めて、慣れてきたら、1つずつ、要素を加えていき、レース展開まで予想できるようになった頃には必ず今以上に競輪が大好きになって魅力にハマっていくはず!

 レース展開までバッチリ当たった時にはただなんとなく予想して当たった時と違うなんとも言えないプライスレスな喜びが自分の中に生まれるはずなので、ぜひその体験をしたら私までご一報ください。

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