長らく特別戦線のレギュラーを務め、争覇クラスに名を連ねていた大実力者だ。だが、近年は度重なる落車と怪我に泣かされ常に満身創痍と言った状況で、点数の乱高下が激しくなかなか成績が安定しなかった。困難を耐え凌ぎ今回は2020年11月の競輪祭以来となる久々のGI復帰となった。

「去年の夏場あたりからGIに戻ることを目標にやっていたけど、今回出られるとは思わなかった。久しぶりのGIへ備えて、かなり追い込んで準備していました」

　5Rは伊藤颯馬-坂本健太郎の3番手回り。

「颯馬は一番若いし先頭なのは当然として、健太郎は九州の自力型として頑張ってきたから」と坂本の実績を認めて折り合うと、自身は巧みなコース取りで3着をキープした。レース後には「GIの空気、うまいっす」とニヤリと笑った。

　酸いも甘いも嚙み分けたベテランだけに、流れを手繰り寄せさえすればあとはお手の物。2日目以降もひょいひょいと上昇気流に乗っていく。(netkeirin特派員)