関東1人の吉松賢二と南関1人だった井手尚治は、それぞれ戦前に「単騎」のコメントを出していた。実際、初手の位置もバラバラだったが、打鍾前で井手が吉松後位にスイッチ。鐘4角で吉松が内から抜けて先頭に立つと、井手もこれを追走。そして腹をくくって駆けた吉松を番手でサポートしつつ、最後は前に踏んで井手は優出に成功した。

　単騎で先行勝負をした吉松は「本当は番手狙いだったんですよ」とインを突いた意図を明かした。

「ただ降りてこなくて前に出ちゃったし、井手さんも付いてきてくれたのが見えたので、バックを踏むくらいならって(駆けた)。さすがにあれじゃ持たないですよね」と苦笑いでレースを振り返る。

　井手は「あの展開は想定外。もちろん作戦なんか組んでいませんよ(笑)。(初手で追走していた北の後ろから)切り替えるか迷ったんだけど(金澤竜二が)構えそうだったので7着を取らないように(切り替えた)。吉松君が強くて恵まれた。ただただラッキーでした。(決勝進出は)去年2月の広島以来だから1年ぶりです」と久々の優出を喜んだ。(netkeirin特派員)