2023/01/10(火) 12:00 0 11
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。2023年一発目は7日に行われた「鳳凰賞典レース(GIII)」の決勝で生まれた好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
立川競輪の開設71周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」が7日に最終日を行った。決勝では新田祐大(36歳・福島=90期)が今年にかける思いをあふれさせた。南関5車結束に対し、北日本は2車。単騎が2人という構成だ。
どう攻める、の中でまず赤板でハイスピードで抑えに来た松井宏佑(30歳・神奈川=113期)に合わせて踏み込む。ダッシュよく飛び付いたのは番手の郡司浩平(30歳・神奈川=99期)のところ。
「ここだ!」。攻める意志を爆発させるように、シンプルに攻めた。
昨年末の平塚「KEIRINグランプリ2022」では北日本4車結束しながら結果を残せなかった。結果につなげるための走りを、抜群の集中力で見せつけた。
まず、飛び付いた番手を奪い取った走りが好プレー。脚のある郡司を内からさばききった脚力と冷静さは光っていた。そして、あの流れになると北津留翼(37歳・福岡=90期)が飛んでくる。しかし、合わせて出ていく。
松井のかかりがよかったこともあるだろう。上がりタイムは11秒5で北津留の追い上げを許さないスピードで駆け抜けた。★は4つの好プレー。
加えて新田の後ろ、郡司の後ろ、だった佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)と和田健太郎(41歳・千葉=87期)も壮絶に競っていた。お互いの位置を確保する狙いもあるが、この2人の頭の中には、前が下がってきた時に迎え入れる準備、まで図っている。
落車禍の後、状態そのものを上げられていないシンタロウだったが、和田を競り飛ばして“なお”の走りだった。最後は車体故障もあってだったが、新田と2人、「2023年にかける思い」を披露してくれたレースだった。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)