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ルーキーたちを苦しめた葛藤「自力か47点か」21歳山本さくらが苦悩の2022年を振り返る

2022/12/31(土) 15:00 0 6

立川競輪場で28日から行われていた「スポーツニッポン杯(FII)」が30日、最終日を迎えた。9レースのガールズ決勝で4着に入った山本さくら(21歳・愛知=120期)に話を聞いた。

山本さくら

 ルーキーイヤーの2021年は49走して1着7回(勝率14.3%)だったが、22年は86走して1着5回(勝率5.8%)と成績を落とした山本。

 成績が落ちた理由については、「トップ選手たちのレベルがどんどん上がっていって、タイムがどんどん上がっていきましたが、一方で、自分の自力のタイムが全然上がってこなくて。去年よりも遅くなって、“なんでだろう”って」

 それでも山本は自力にこだわった。

「一見、無謀と思えるかもしれないガッツのある逃げですけど、トップの選手は兼ね備えているものだと思っています。去年の自分は怖い物知らずな自力を出せていたので、結果は出てましたが、今年は迷いが出て自力の回数が減ってしまいました」

 自力を出すことと競走得点47点(代謝目安とされる)との狭間で葛藤していると、山本は言う。

「ルーキーイヤーと違って今年は点数をすごく意識するようになっていました。自力を出さないといけないと思ってる反面、点数を取らないと47点を切ってしまう。そこで葛藤し、中途半端な先行になっていたと思います。でも来年からは自分らしい自力を出していきたいと思います」

 苦悩している山本だが、決して後ろ向きではない。

「競輪は難しいですけど、難しいのが楽しいんです。前やっていたテコンドーは1対1なので、対戦相手の気持ちが読みやすいですが、ガールズケイリンは対6人との対戦なので展開の難しさがあるのが楽しくて、面白くて、大好きです。将来的には名前が一文字違いの山原さくらさんみたいになりたいです。“さくらといえばどっち?”って競い合えるくらいに。そのためには早く自分が強くならなきゃいけないんですけど(笑)。まずは自力を出して競走得点50点を狙います」

 競走得点と自身の目指すとスタイルに葛藤しながらも「競輪は楽しい」と笑う山本さくらは、2023年を、そしてその先の未来を見据えていた。

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