2022/11/19(土) 23:15 0 2
初日は赤板から押さえて先行した楠野史尭の番手から抜け出し、地元で白星スタート。
「楠野君をどうにか残せないかと思ったけど、踏んだ距離が長かった。後ろ(3番手)の樋口(瑛土)君もいつ踏もうかウズウズしていたからね…」。
「ワンツースリーは決められなかったけど、地元での1着は嬉しい」とレース後にはホッとした様な表情を浮かべていた。
「レースでは余裕もあり、引き続きいい感じをキープ出来ている」という齋藤に、調子をキープし続けられる秘訣を聞いてみた。
すると、今まで取ったことのない弟子を取ったとのこと。弟子との練習を始めてから自信の調子も上がっていった。弟子は元々柔道をやっていたそうで、自転車競技の経験はない。今年の試験は惜しくも落ちてしまったそうだが、それにも理由があった。
「3月に弟子を取るという流れになり、今年の4月に師弟関係を結んだ。実は彼は大学を卒業して、内定が決まっていた。『内定取り消します』と言った。ただ、卒業する大学にも悪いし、とりあえず1年間は働きなさいと…。それで試験を受けてから自分で決めて欲しいと思って」。
「働きながらなので週2回、自分の競走と被らない時に練習。競技経験は無かったけど、柔道をやっていた事もあり体力はある。すぐに自分について行けるくらいになった」。
今年の試験には惜しくも合格とはならなかったが、ここからが再スタート。本人が競輪選手になりたいという気持ちが強く、今後は会社を辞めて来年の試験に向けて本格的な練習が始まるそうだ。
「柔道をやっていたから腕の力がある。走り込んで行くなかで力の抜き方とかを身につけて貰えたらいいかな。埼玉の選手が走る街道練習で500キロをみっちり走り込みますよ」。
前期は競輪人生初のチャレンジまで落ちてしまった(斉藤がデビューした91期はチャレンジがなかったため)が、今期はA級に復帰。師匠の飯田威文が初めて弟子を取った時にS級に戻った事を思い出し、自分ももう一度S級に返り咲きたいと言う気持ちが高まったという。
「今まで弟子は取った事がなかったけど、自分に発破をかける意味でも取ることを決めた。まずはしっかり点数を上げていきたい。そして弟子と一緒に頑張ることで自分自身も成長できたらいいかな」と最後は照れ笑いを浮かべた。
弟子との練習で自分の調子も維持している齋藤。準決勝は特選組の後藤悠に齋藤和伸-樋口瑛土-本田拓也の関東3人が続いて4車。別戦は鮫島康治-吉川悟の大阪コンビに大沼孝行が単騎を選択し、4対2対1で地元番組と言ってもいい。
好目標を得た地元の齋藤が優出を決められるか、準決勝にも注目したい。(アオケイ・宮本記者)