2021/04/27(火) 19:00 0 4
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GI・GII・GIII・FI・FIIのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!
今回もあの選手がやってくれました‼︎ 前田睦生記者の直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
またしても古性優作(30歳・大阪=100期)がスゴ技を披露した。前回の“立ちバック”は使える選手はごく少数だが、今回の“青春の門”はやろうと思えば、基本的に誰でもできる技である。
だが、失敗すれば立ち直れないほどのダメージを受ける。特に精神的に…。
若気の至りで突撃したはいいが、大撃沈…。
人生の厳しさを知り、怯えた生き方が体に染みついてしまうことがある。「もう危ないコースなんて行かない」。勝負所で体がひるんでしまう、そんな体質になってしまう危険性を持つ。
行くか戻るか、“青春の門”。
最終BS、熊本3車のラインが逃げる。2角から、まくりにいった島川将貴(26歳・徳島=109期)は3番手の中本匠栄(34歳・熊本=97期)のブロックで失速するも、へばりつく!
番手の瓜生崇智(26歳・熊本=109期)の外まで進出し耐える島川…。瓜生と島川のしのぎあいかと思いきや、絶賛戦闘中の2人の間を古性が躊躇なき前輪挿入からの突き抜けで、突破する。
「危ないくらいが、ちょうどいい」
ハードボイルド小説の主人公なら、こう言うだろう。比類なき自転車操縦術と、「私、弾丸(タマ)、当たらないので」と言い切れるほどの冒険者だけが、この門をくぐり抜けることができる。運もともなうプレーなので、★は4つと満点はつけられないが、限りなく満点に近い驚愕プレーだ。
ちなみにこのプレーの原型は中割り。直線部分で追い込み選手が狭いコースを突き抜ける時に使うもので、得意とするのは合志正臣(43歳・熊本=81期)や諸橋愛(43歳・新潟=79期)といった狼たち。
彼らの決め台詞は「もう危ないコースなんて行かないなんて、言わないよ絶対」だ。極限の集中力を必要とする秘技、それを最終BSで使い、そのまま踏み抜き優勝を手にした古性のすごさがあった。
すごいで賞=星★★★★☆