2022/09/27(火) 13:30 0 1
堀は今節が本デビューから6戦目。
前検日には「3場所前の平の決勝は勝ちを意識しすぎてしまった。(同期の比佐宝太に突っ張られ、下げて5番手から捲り上げるも届かず5着)でも、その次の弥彦は前を取り、しっかりと突っ張って思い描いたレースができました」と反省を繋げて掴んだ初優勝を振り返った。
特昇については「もちろんできることに越したことはないけど、失敗しながらでも今は組み立ての幅を広げていきたいと思っている。やっぱり記念クラスのレースを見ていても、スピードだけで通じるほど上のクラスはそう甘くはないですよね」と話す堀の凜とした表情や言葉には芯の強さを感じる。
初日予選は前受けから千原を突っ張り切れず、ホームでカマして1着。
レース後に笑顔はなく「突っ張れなかったし、その後も番手に入ってから迷ってしまい(下げる)判断が遅くなってしまった」と反省。連係した塚本諭にアドバイスをもらう場面も。
「準決勝も塚本さんが付いてくださるので、同じ展開になったときに今日の失敗を生かす事ができるかどうかが大事」と表情を引き締めた。
堀の言葉に、同じ北日本を代表するトップレーサー・守澤太志が心に刻んでいるという『1回目の失敗は経験不足だから仕方ない。同じ失敗を2回するようなヤツは超一流にはなれない』という有坂直樹(引退)の言葉を思い出す。
準決勝は伊藤温希との新人対決。堀が前受けから伊藤を出させずに逃げ切って連勝。
「初日の伊藤君は捲り。今日も捲ってくるときに、初日の僕だったら、そのまま内外線間をずっと走っていったはず。でも、落ち着いてイエローラインを使えるところは上手くしっかりと使いながら走れたのはよかった」。
そんな堀の冷静なレース運びに感心していると、鹿屋体育大の3学年後輩にあたる岸田剛が拍手をして登場。
堀は大学卒業後、プロチーム『シエルブルー鹿屋』に2年間所属して競技を続行。競技歴は約10年に及び、種目は1kmタイムトライアルやチームスプリントで活躍した実績を持つ。過去にはナショナルチームに選出され、オリンピックを目指していた。
「ずっとカーボンフレームに乗っていたので、養成所に入って競輪用の鉄フレームに乗るようになってから今までのペダリングのままだと、すぐに脚にきてしまって…。少しずつこっち(鉄フレーム)に合うペダリングが上手くできれば、もっと楽に走れると思います」と改善点は明確だ。
養成所では先行回数「22」と抜群の数字を誇り、その積極性と粘り強さはデビュー後の競走でも光っている。北日本の若手選手としても堀にかかる期待は大きいが、失敗を恐れず力をつけて一歩一歩、トップ選手への階段を駆け上がっていってほしい。(アオケイ・八角記者)