前受けから突っ張った宮下一歩が、徐々にペースを上げて一本棒の逃げを打つ。中田健太は番手絶好の展開をモノにして白星スタートを切った。もちろん宮下の頑張りが大きいが、7番車ながらS取りを成功させ、なおかつ宮下を2着に残した中田の動きも評価できる。

「オギさん(荻原尚人)が前になると何をしてくるかわからないし、前が取れたのは良かった。佐藤(亙)さんには一番いやなタイミングで来られてしまったけどワンツーが決まったので、各々最高の仕事ができたのかなって思います」。

　近況は優出が遠ざかっているが、「自転車を替えていたんですけど、その影響なのかペースが上がった時に全然ダメで…。今回から元に戻したら一気に良くなりました。やっぱり(今の自転車)これが一番ですね」と原因は明確。不安を払しょくできたことで表情も一気に明るくなった。

　早くから追い込みに転身した中田も今は立派な中堅マーカー。意外にもまだS級優勝がなく「チャンスが来たときに獲れるように」と初Vの機を逃さないようコツコツと努力を続けている。

「(武藤)龍生は本当にすごい」と尊敬する同県同学年の活躍にも刺激を受けており、まずは26日の準決もクリアして、初Vへの挑戦権をつかみたいところだ。(netkeirin特派員)