2022/10/04(火) 19:00 0 11
10/20〜23に今年5つ目のGIレース「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(正式表記は寬仁親王牌)」が開催される。その舞台となるのが、前橋競輪場だ。当地にルーツを持つ寛仁親王牌は、前橋での開催は2年ぶりとなる。今回は実際に本場開催中に足を運び、前橋競輪の楽しみ方を徹底リサーチしてきた。(取材・構成=netkeirin編集部)
前橋駅南口を出て左手のバス停から無料バスに乗り約10分、前橋公園のすぐ隣に前橋競輪場(日本トーターグリーンドーム前橋)がある。周囲は自然豊かで、そばを利根川が流れ、上毛三山の赤城山と榛名山を臨める。
正面入口からドームに入ると、ガールズケイリンの本多優選手と河内桜雪選手のほぼ等身大(!?)パネルがお出迎え。直筆のサインと座右の銘が入っていて、ぜひ一緒に記念撮影したいところだ。
もともと屋外バンクだった前橋競輪だが、1990年にグリーンドーム前橋が建設され日本初の全天候型屋内バンクとなった。雨も風も受けない環境は選手だけでなく観戦するファンにとっても嬉しいところ。周長335m(内圏線が333m)は国内唯一で、カントは36°と急角度。「反り立つ崖のよう」「超高速バンク」といわれる所以だ。
入場料は無料。多くの競輪場が屋内に特別観覧席(有料席)を設けていることを考えると、この時点でお得感がある。しかもバンクに最も近い席が無料なので、レースを間近で味わいたい方にはもってこい。後方にはテーブル付きの席もあり、GIでは争奪戦になりそうだ。
広報の方に前橋競輪の“穴場”を聞いてみると「バック側」と即答! 編集部も実際にバック側からレースを観戦してみると… なるほど、納得!
敢闘門がバック側にあるので、レースに向かう選手を送り出し、レース後の選手を迎えることができる。健闘を称えあう姿から絆を感じることもでき、ここでしか見られないシーンを目撃できるかもしれない。(営利目的以外の撮影は自由、他の利用者の顔が映らないよう注意)
また座席の下が検車場なので、レース前には気合いの入った選手の叫び声(!?)が聞こえることも! レース前後の選手の雰囲気はまったく異なるので、勝負師としての選手たちの姿にはやはりグッとくる。
ちなみに、前検日と場外発売が重なると指定練習が見られる。ガールズケイリンの前検日はファンが訪れているそうだ。場内では選手の管理番号が配布されるので、推し選手も見つけやすいはず!
特別観覧席「ドームラウンジ」は6階にあり、バンク全体を見わたせる。大型モニターも数台配置され、ゆったり座れる椅子で競輪を堪能できる。シングルシートは1席2,000円(本場開催時/場外は1,000円)、さらにワンランク上のグランシートは1席3,000円(本場開催時/場外2,000円)だ。
木目調でシックな装いのドームラウンジは昨年6月にリニューアルされたばかり。キレイなのはもちろん、静かに競輪を楽しんでいる利用者が多いので、初めての人にも安心だ。
友人や家族と楽しむなら4名まで入れるグループシート(本場6,000円/場外3,000円)、10名まで入れる貸切のグランルーム(1室15,000円/本場・場外共通)がおすすめ!
入口のある2階はオールドファンが楽しめるフロア。左に進むと「KEIRIN PLAZA」があり、全国の競輪場マスコットや寛仁親王牌レプリカなどが展示され、群馬支部所属選手の紹介がデジタルサイネージで表示されている。
一角には2000年に高松宮記念杯競輪を優勝した地元のタイトルホルダー・金子真也選手の特別展示コーナーがあり、寄贈された自転車やウェアが展示されている。長期欠場から復帰したばかりの金子選手、これからも活躍に注目したい。
3階の「ドームステーション」は競輪場には珍しい、アミューズメント施設のようなエリア。
人気マスコット「まえばしめぐみちゃん」のぬいぐるみが取れるクレーンゲーム(難易度低め!?)などがあり、運がよければ選手の直筆サインやチェキをゲットできる。
さらに最新のVRアトラクションが無料で楽しめるとあり、編集部も初めてVRを体験してみた。ヘッドギアをつけると超未来的な街並みが広がり、トラップを避けながらバイクで爆走! トラップにぶつかるとバイクごと大きく揺れて、思わず絶叫… つい競輪場にいることを忘れてエキサイトしてしまった。
VRアトラクションは多くのイベントが開催される寛仁親王牌期間中も体験可能なので、ぜひお試しを!
場内を歩いていると、首からカードを下げて歩いている人をよく見かけた。これは一体…? と思っていると、キャッシュレスの投票所を発見。
前橋競輪場には一般的な現金専用の投票所のほか、キャッシュレスICカード「maeca」専用の投票所がある。maecaはお金をチャージして使えるため、口座登録など煩雑な手続きなしですぐ発行できる。
小銭いらずで投票できる便利さ、ポイントを貯めて景品や電子マネーに交換できるお得さから、頻繁に競輪場に足を運ぶシニア層にも人気があるのだそうだ。
見どころが多い前橋競輪場。外周をぐるりと歩いていると、各フロアにあるグルメスポットからいい匂いが漂ってくる。
競輪場グルメの定番・もつ煮は2階の「ジパング」と「タバタ」で味わえる。
今回は「ジパング」で注文。まろやかでコクあるみそ味のもつ煮はつゆだくだ。こんにゃくと大根がゴロゴロ入っているので食べ応えもばっちり。単品400円、ごはんにもつ煮をかけた「もつ煮ライス」は550円でいただける。
「タバタ」でスタッフの方に人気メニューを聞くと「ラーメンは何でも出るよ!」とのことで、編集部はスタミナラーメン(530円)を注文。
厚いチャーシュー3枚に生ニンニクのパンチが効いたしょう油ラーメンで、その名の通りスタミナがつきそう。生卵をまぜるとマイルドになり、ついついスープまで飲み干してしまいそうに! 大満足の一品だった。
今回は残念ながら休業中だったが、寛仁親王牌開催時にはヒレカツカレーが人気の「スワン」が営業する予定。また22〜23日はグルメフェスが開かれ、鳥めしで有名な「登利平」やフルーツ大福が大人気の「果実堂」が出店予定なのだとか! お腹も心も満たされること間違いなしだ。
さて「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は前橋競輪で2年ぶりの開催となる。
脇本雄太選手が優勝した2020年大会は有観客開催ではあったものの、コロナ禍で催し物ができなかった。今年は当時のぶんまで気合いを入れてイベントを企画しているそうだ。
先述のグルメフェスのほか、中野浩一さんをはじめとしたレジェンドや地元・河内桜雪選手と高木真備さんのトークショーなど、競輪ファンにはたまらないイベントが目白押し! 来場者プレゼントや抽選会もあり、筋金入りの競輪ファンだけでなく競輪ビギナーの方や家族連れにも楽しめること間違いなしだ。
また周囲には群馬県庁の展望台や伊香保温泉など、ドライブがてら楽しめるスポットもある。前橋競輪公式サイトには「パパサンドの店 Hatopo(サンドイッチ)」や「島田屋(カレーうどん)」など、選手OBが営むお店の紹介もあり、“旅打ち”を満喫できる情報が満載だ。
遠方の方もGI開催を機に、前橋競輪と群馬の旅を楽しんでみてはいかがだろうか? ただし近隣にATMが少ないため、現地観戦の際は所持金にお気を付けて!
※イベント予定は変更となる可能性があります。
感染症拡大防止のため、場内のルールに従ってください。