2021/04/19(月) 12:00 1 3
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GⅠ・GⅡ・GⅢ・FⅠ・FⅡのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!
今回は4月10日に生まれた好プレーを紹介! 前田睦生記者の直筆解説と一緒にご覧ください。
古性優作(30歳・大阪=100期)が神業を披露した。最終バックで立ちバック。一瞬の出来事だったが、何事もなかったかのようにやってのけた。
懸命に逃げる大石剣士(25歳・静岡=109期)を叩きに行った新山響平(27歳・青森=107期)だが、合わされて出切れない。2角過ぎに仕掛けた古性の目の前には浮いた新山が…。
「危ない!追突する!」。
新山がへばりついて我慢するのか、外に大きく退避するのか…。
新山をブロックした松谷秀幸(38歳・神奈川=96期)と新山のわずかな隙間に入り込むかと思われた瞬間、新山の後輪後端に差し込んだ前輪を古性は、立ちこぎしてバックを踏んで引っこ抜いた。
すぐに外に軌道を取り直し、まくり切って1着。南修二(39歳・大阪=88期)と大阪ワンツーを決めた。古性は「転んだと思った」そうだが、BMXで鍛えた瞬発力で危機回避。「立ちバックしました」と笑っていた。こんな曲芸は小倉竜二(44歳・徳島=77期)くらいしかできないと思っていたが…ここにもいた。
そして、真後ろにいた南。「わからんかったです。無心でついていっただけでした」。
古性がどんな動きをしようと、ただ後ろを守るだけ。極論すれば、古性が落車してしまったら、自分も転ぶだけ、なのだ。肝の座り方は、これはまた仏のレベル…。
このレースは3角の記者席から2角方面を見る形で観戦した。密集地帯に突撃するコンバットが大爆発を起こす、と見えた瞬間、古性は外にワープした。戦慄の走る戦いぶりに★5つ。
すごいで賞=星★★★★★