2月20日から川崎競輪場で行われる「全日本選抜競輪」。各都道府県で好成績を残して選抜された108名の選手が出走します。今回netkeiba.comとnetkeirinのコラボ企画としてJRA騎手&調教師が大展望!競馬界で活躍する勝負師たちが競輪の大レースを占います。
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◎候補を直撃取材!
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- 勝浦正樹騎手
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競輪は1レースの出走選手が最大9人と競馬の出走頭数と比べると少ないですが、配当も良いし、少額から楽しめるギャンブルです。直近の調子や実績、レースの動きから1着を決めて、3連単で2着、3着を手広く流すのが僕の車券スタイル。よく競輪はラインが難しいって言われますが最初から覚えようとすると大変です。まずは気になるレースを見たり、予想することで覚えられると思います。
全日本選抜競輪は松浦悠士選手です。今回出走する選手の中で1番強い。清水裕友選手が前で松浦選手が後ろで走れば鉄板じゃないですか!? 清水選手との連携は無くても、車券には絡むと思います。平原康多選手は連携した時より、単騎の時が狙い目。頭はないけど2、3着なら。他は深谷知広選手が郡司浩平選手と連携するような事が起これば面白いですね。
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- 津村明秀騎手
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競輪を初めて生で観たのは20代前半、滞在先の函館で先輩達と行った時でした。最初は列になって走っていて、訳もわかりませんでした。けれど何度も観ているうちに、ラインの絆や師弟関係の物語など、知れば知るほど奥深いことがわかりました。同じギャンブルの世界の選手として、学ぶこともいっぱいあって本当に楽しいです。
全日本選抜競輪は松浦悠士選手。松浦選手の魅力は、どんな展開になったとしても、それに対応できる判断力と脚力が抜群なところです。いちファンとして観ている僕も、本当にすごいなーと毎回感心してしまいます。今年はすでに記念を二度制覇していて状態も良さそうです。今回も安定感のあるレース運びと気迫で、最高のレースを見せてくれるはずです!
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- 吉田豊騎手
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父親が競輪好きでその影響で競輪を見始めました。競輪歴は20年ぐらいかな。F1以上のレースは見たり、車券を購入したりしています。気になる選手の結果は車券を購入しなくてもチェックしますね。競輪は同じレースに出走している仲間のために走りますが、その絆が気持ち良い。予想の際に、前回はあの選手のために走ったらから今回は…とか、この選手の後ろで走るからチャンスがありそうなどと考えるのが楽しいし、それが的中すると最高ですね。
全日本選抜競輪は松浦悠士選手と清水裕友選手の2人に期待しています。昔の平原康多選手と武田豊樹選手のコンビみたいにこれからもGIを獲りそうですよね。他には、平原選手の前に活きの良い若手が走ることになれば、平原選手にもチャンスはあると思います。
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- 荻野琢真騎手
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競輪に興味を持ったきっかけですが、JRAの馬主をされている元競輪選手の山田裕仁さんの馬に良く乗せて頂いていたので、一緒に競輪を見に行ったり、選手の方々と食事したりして、興味を持ったのがきっかけです。魅力は、やはり「ライン」ですね。競馬には、他の騎手の為に駆けると言うのはありません。信頼関係や友情等の人間味や奥深さがそこにはあると思います。
全日本選抜競輪は平原康多選手です。昨年のKEIRINグランプリで、勝ちを目指す事が出来たかも知れない状況でもラインを組んだ脇本雄太選手を守ったのを見て、グランプリでそれを出来る漢気と人としての凄さを感じました。周りの選手からの信頼も今まで以上に厚くなったでしょうし、今年既にGIIIを連勝されているので、大いに期待しています。
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- 高田潤騎手
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実は競輪は全くの初心者です…一度もやったことはありません…しかし、競輪は競馬と同じく公営ギャンブルです。競輪選手も僕たちジョッキーと同様にお客様の大切なお金を賭ける対象となります。ですので、レース心理的には僕たちと少し近い部分があるのかな? と思います。そういう意味でも非常に興味があります。初心者ながらも、選手のかけ引きなどに注目して観てみたいと思います‼
優勝選手の予想ということですが、予想というより、僕が注目しているのは佐藤慎太郎選手です‼ 自分より歳上ですが、一線級で戦い結果を残し続ける姿は本当にカッコいいと思いますし、僕を含め同世代の方々に勇気や希望を大いに与えてくれていると思います‼ 応援の意味も込めて、ぜひ優勝を手にして欲しいと思っています‼
全日本選抜競輪の優勝選手予想に参加いただき、見事的中された方に抽選で20名様にAmazonギフト券5000円分をプレゼント。競輪界のトップ選手が揃う「全日本選抜競輪選手予想キャンペーン」にぜひご参加ください。
キャンペーンに参加する-
平原康多選手
- 松浦悠士と同様にどんなレースでも出来てしまう究極の自在型選手。スピードで圧倒するかと思えば、捌きも上手で恵まれた体格を活かして馬群を蹴散らし中を割って来る。性格も素晴らしくファンの多い選手、キングカメハメハのイメージがある。
- 現在のS級S班で最長身となる185センチ。恵まれた体格で競輪初心者にも「強そう」という印象を与えるところから、大型馬のシンボリクリスエスに例えてみたい。レース内容に安定感があって本命党に頼られることはもちろん、逆らいたいと考える穴党にも一目置かれる実績と能力の持ち主、という点も重なる。
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和田健太郎選手
- かなり以前から南関東の主力選手として活躍していたが、グランプリを勝つ選手になるとはとても想像出来なかった。長い時間をかけてコツコツと力をつけて来た努力の男。成績の割に地味なそのキャラクターはメイショウサムソンに共通する。
- イメージしたのは「遅咲きながら実力を蓄えてきた」という点。GI初優出が35歳、記念初優勝が36歳。しかし全盛期はさらにその先にあった。40歳を目前にGI決勝の常連となり、ついにはグランプリ制覇。8歳にしてGI初優勝からGI連勝を決めてみせたカンパニーとは、その差し脚の確かさも重なる。
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松浦悠士選手
- 逃げも出来れば捲り、追い込みもある。しかも勝率、連対率が圧倒的に高くてファンの信頼度が抜群の選手である。普段はスイーツ男子で甘いマスクだが、レースに行くと物凄い闘争心を見せる。普段は猫のようにおとなしく、競馬では激しい闘志がある我が管理馬コントレイルのような選手。
- S級S班の中でも特に引き出しの多いオールラウンダーという印象。自力を打ってよし番手に構えてよし、タテもヨコも一流の水準にあって車券を買った人が納得できるレースを演出してくれる。好位に構える競馬も直線一気もできて、豊富なライバルと名勝負を展開したスペシャルウィークにあてはめてみたい。
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佐藤慎太郎選手
- 抜群に明るく面白い性格で競輪界を盛り上げてくれるお祭り男。鍛え上げた身体は44歳の今でも全く衰えを知らない。そのテクニックと差し脚は追い込み選手の鑑と言えるだろう。トウショウボーイ一色のダービーで彼を差し切ったいぶし銀クライムカイザーが目に浮かぶ。
- GI初優勝の全日本選抜から日本中を驚かせたグランプリ制覇まで16年という活躍期間の長さ、キャラクターが立っていてファンの人気が高いという点からゴールドシップに例えてみる。レースによっては全くの不発ということもあるが、自分の適性が生きるときにはそのチャンスを絶対逃さないという勝負強さも共通している。
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郡司浩平選手
- 父盛夫さんもS級選手だった競輪界のサラブレッド。人格面でも優れていて周囲の信頼もとても厚い。捲りのスピードが素晴らしく、アッという間に前団を呑み込んでしまう。小さな身体で俊敏な動き、馬に例えるならディープインパクトとは言い過ぎか。
- 郡司選手のイメージは、捲りの鮮やかさ。中団を取り切って流れも向いたときの捲りはどんな一流先行選手をも粉砕する破壊力を持っている。競輪の捲りを競馬に例えるのは難しいが、早めに進出して4コーナーで勝負を決めるということから、オールカマーや日経賞を勝ったときのマツリダゴッホをイメージした。
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清水裕友選手
- 背は低いが厚みのある身体。恵まれた素質を生かして着実に上昇して来た105期生で、松浦とはライバルであり盟友という良好な関係を築いている。調子に波があって安定感には欠けるが、ハマった時の破壊力は皐月賞、ダービー時のドゥラメンテ並に飛び抜けている。
- デビューから4年強で記念初優勝とGI初優出、その翌年にはグランプリ初出場、その2か月後にはGI初優勝と、出世の速さは2歳GI馬に例えたいところ。サートゥルナーリアも考えたが同馬は古馬GIを勝てなかったので、今後の活躍、特に「グランプリ優勝」を期待ということでドリームジャーニーとする。
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守澤太志選手
- 秋田という土地柄ラインに恵まれない中、和田健太郎の様に地道に力をつけて来た選手で安定感も増して来た。お洒落でハンサムだし、礼儀正しく誰からも愛される男である。位置が悪いところからでも強襲する重厚な差し脚はキズナに共通する。
- 現在のS級S班では唯一ビッグレースの優勝がない。だからといってGIを勝てなかった馬に例えるのは失礼なので、遅咲きのGI馬なのだと思いたい。天皇賞春を勝ったときにファンが「そういえばずっと重賞で堅実な走りしてたな」と振り返ることになった、マイネルキッツのようにいつか大きいところを獲ってほしい。
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- 全日本選抜競輪 徹底解説
- 元選手の経験と取材現場から導き出した直感で車券を購入する吉井秀仁氏がレースを占います。
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「ライン」には同期ライン、師弟ラインなど様々あるが、現在の競輪の基本となっているのは隣県や同地方同士の選手で組む地区ラインである。競輪の世界では大きな単位として「北日本」「関東」「南関東」「中部」「近畿」「中国」「四国」「九州」の8地区に分けられていて、基本的に選手はこの地区ごとにラインを組み、仲間として戦うことが多い。
競輪は「4コーナーまではライン毎のチーム戦で最後の直線は個人戦」と言われることがあるが、このチームを組む基本がその8地区となっている。全日本選抜競輪は各地区の競走得点上位者が優先的に選ばれて出場出来るのが特色のGIレースなのだ。
今年の全日本選抜はなんと言っても脇本、新田のナショナルチーム組2大巨頭がいない事がキーポイントとなる。スピード的に飛び抜けた2人が不在である事実は混戦に拍車をかけ、個の力以上にラインとしての強さが問われるだろう。
有利と見られるのはSS班各2人を擁する「北日本」「南関東」「中国」の3地区となるが、やはり注目は開催場川崎が地元となる南関東地区である。郡司、和田健のSS班はもちろん、強靭な先行力を持つ松井宏佑や好調の実力者鈴木裕、松谷秀幸、和田真久留、岩本俊介、内藤秀久というラインはバランスも良く、超強力だ。地元地区の優位さも活かしてシリーズをリードしていく事だろう。
対するは当然トップクラスの2人、松浦と清水がいる中国地区となる。2人の後ろを固める柏野や桑原といういぶし銀の選手がいるし、活きの良い自力型を数多く有する近隣の四国地区との連携も望める。間違いなく複数の選手が上位に進出してくる事だろう。地区同士の意地の激突に大注目の4日間である。