【開催直前展望】第41回共同通信社杯競輪G2は福井競輪場で12日より開催!【オール予選、自動番組のサバイバルバトル】

2025/09/10(水) 14:00

第41回共同通信社杯競輪G2が、12日より福井競輪場で開幕する。初日からシードレースがなく、S級S班も全員が一次予選スタート。また、一次予選は選考順位、二次予選は着位と選考順位から自動的に番組が編成される。さらに、新鋭レーサーに出場権が多く与えられるため、ほかのビッグレースでは見られないような対戦や連携が実現することが多いことも大きな特色だ。福井での開催は12年ぶり。KEIRINグランプリ出場争いも、ここからいよいよ佳境に入っていく。4日間の大激戦を勝ち抜くのは果たして……!?

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地元地区のビッグレース!近畿勢が席巻するか

脇本雄太、寺崎浩平

共同通信社杯競輪は2日目までが自動番組だったり、オール予選だったり、勝ち上がりに必要な要素は通常のビッグレース以上となる。それでも地元地区のビッグレース開催となる近畿勢が、強力布陣でシリーズの中心を担っていくだろう。
とくに福井の脇本雄太と寺崎浩平にかかる期待は著しく高いだろう。脇本は今年2月の全日本選抜を制して史上初のグランプリスラムを達成、その後も6月の高松宮記念杯を完全優勝で制している。腰の状態とは付き合いながらになるが、それでも圧巻のパフォーマンスを披露している。8月オールスター決勝では近畿ラインの先頭で主導権を握り、番手の寺崎浩平が優勝。今年のビッグレースは日本選手権を制した吉田拓矢以外、すべて近畿勢が制しており、それだけでも結束の強さと充実ぶりがうかがえる。もちろん脇本にとって、福井開催のここは、主役の座を譲れない。地元記念(G3)は昨年7月も優勝しており、通算6回優勝の無双状態。意外にも共同通信社杯の優勝歴はないが、ホームバンクで再び最速を見せつけるか。
オールスターでタイトルホルダーの仲間入りを果たした寺崎浩平。優勝インタビューでも「近畿の先頭でやってきたことがしっかり実を結びました」と振り返っていた。オールスターは脇本の番手でのレースだったが、もちろん次は自力でのタイトル奪取が目標となろう。初のグランプリ出場権も手にした今、後半戦の寺崎の戦い方は、最も注目を集めるところだろう。

もちろん、古性優作も優勝候補だ。サマーナイトでの落車で右肩鎖関節の脱臼など負傷したが、ファン投票1位選出のオールスターに出場。勝ち上がり段階では厳しいレースだったが、準決勝は寺崎の捲り追走で2着、決勝は近畿3番手を固めて準優勝だった。賞金でグランプリ出場は当確圏内にいるが、今年のビッグレースはこれまでG2優勝1回のみというのは、常に上を目指し続ける古性にとって、納得いかないところであろう。まずはサマーナイトでの負傷から、どこまで立て直して来られるか。初日の動向は注視したい。なお、古性も共同通信社杯は優勝歴なく、今年も初制覇に挑む。
近畿勢でもうひとり注目なのは、南修二だ。ヨコのイメージが強かったが、現在はタテ攻撃も強化。オールスター競輪では2月の全日本選抜に続いて、今年2回目のG1ファイナル進出。決勝は近畿4番手から3着に入線した。この賞金上積みは大きく、現在ランキング8位で初のグランプリ出場が見えてきている。近況のビッグレースでは近畿勢が多く優出するケースが多く、結束なのか、別線勝負なのかは流動的ではあるが、どちらにせよ地元ビッグレースで準決勝を何人がクリアしてくるか。

古性優作、南修二

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中四国が勢いを取り戻すか

犬伏湧也、清水裕友、太田海也

松浦悠士の欠場は残念ではあるが、中四国からはSSの清水裕友、犬伏湧也がエントリー。清水と犬伏は直前の岐阜記念の決勝でも連携。犬伏のスパートから清水が差し切りワンツーを決めている。今年2回目のG3優勝の清水は賞金ランキングこそ15位だが、共同通信社杯優勝なら圏内まで上昇可能。岐阜での優勝インタビューでも「この優勝を無駄にしないように」と応えており、一戦一戦を今以上に大事に戦っていく。一方の犬伏は、岐阜で「自分の持ち味を出すことを心がけようと思っていた」と連日の積極的なレース運びで、オール連対の準優勝だった。賞金ランキングは現在14位なので、今後の好走次第では、まだまだ初のグランプリ出場も見えてくる。
中四国勢にとって太田海也の存在は大きい。8月オールスターは準決勝1着で突破、6月高松宮記念杯からビッグレースは3開催連続で優出中。もちろんオールスターは近畿勢の連携の前に不発に終わったが、その悔しさも今回晴らすことができるか。ナショナルチームは10月に世界選手権があるが、その前に国内の競輪で最高の結果を掴みたい。

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南関東勢も好結束を見せる

郡司浩平、岩本俊介、深谷知広

南関東勢は今回もSSの郡司浩平、岩本俊介の両名に、深谷知広らが主力を形成する。
賞金ランキングは郡司が6位で、深谷が7位、岩本が11に付けている。郡司と深谷は約2600万円差があり、深谷にとってはグランプリ出場の安全圏に入るためにも、賞金上積みが求められる。
郡司はオールスターでドリームレース、シャイニングスター賞を深谷との連携で連勝するが、準決勝4着敗退で、さらに最終日は失格。次の松戸記念も準決勝敗退しており、ここはリズムを取り戻したい。共同通信社杯は過去2回優勝している実績ある大会でもある。
深谷と岩本は松戸記念の決勝でも連携。深谷の突っ張り先行から、番手抜け出して岩本が地元G3優勝を飾っている。昨年の共同通信社杯はまさかの初日落車で欠場に終わったが、松戸Vの勢いにも乗って、今回も好連携を連発したい。
南関東勢は他にも賞金ランキング12位に松谷秀幸、13位に松井宏佑もつけており、各選手の動向は必見だ。

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賞金ランク10位の新山響平

新山響平、中野慎詞

S班・新山響平は勝負所だ。後半戦も随所にスピード豊かな自力戦を披露しているが、ビッグレースでは優出なし。賞金ランキングは10位で、今まさにボーダーライン争いというところに付けている。直前の西武園では準決勝後にセッティングがまだ出ていないとのコメントもあったが、状態面も含めて、どこまで態勢を整えてくるか。共同通信社杯は一昨年の青森開催は準優勝だったが、昨年は一次予選で太田海也が先行する中、内に包まれて8番手から巻き返しを狙うも初戦敗退。これがオール予選スタートの恐ろしさでもあろう。現在、賞金ランキング9位の浅井康太とは約100万円差。このあとは青森記念も控えており、ここで再加速と行きたい。 中野慎詞の躍進にも期待。ナショナルチーム勢では太田がビッグレースでも優出を重ねているが、中野は7月サマーナイトG2で準決勝4着、オールスターは準々決勝で敗退している。能力的には申し分ないだけに一気のブレークがあっても不思議ではないが、まずは勝ち上がって、準決勝と壁を突破したい。
佐藤慎太郎、成田和也、近況好調の阿部力也ら北のマーク陣も新山や中野との連携から上位進出を目指す。

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オール予選のサバイバルバトルが開幕!

山口拳矢、浅井康太

関東勢にとって、S班・眞杉匠の不在は戦力的に影響が大きいが、今年のダービー王である吉田拓矢が中心になるか。サマーナイトで準優勝、オールスターは決勝で近畿勢の前に5着に終わったが、今年はビッグレースで5戦中4回決勝進出の安定感(高松宮記念杯のみ準決勝敗退)。直前の西武園記念は準決勝で落車して欠場しており、その点は気がかりではあるが、日本選手権で近畿勢のビッグレース優勝ラッシュを止めた吉田を筆頭に、坂井洋、佐々木悠葵、森田優弥、武藤龍生ら関東勢が健闘を見せよう。オールスターが初のG1参戦だった鈴木玄人は、準決勝まで進出しており、シリーズ4回の確定板入り。2回目のビッグレースとなる今回も楽しなひとりだ。

中部勢は浅井康太と山口拳矢が中心となろう。浅井康太は8月オールスターでオリオン賞2着、シャイニングスター賞は3着。準決勝で勝ち上がりは逸したものの、次の岐阜F1は優勝しており、賞金ランキング9位で迎える今開催も初日から目が離せない。山口拳矢は8月富山記念でバンクレコードを更新する鮮やかなスピードで優勝。オールスターは準決勝敗退だったが、次の西武園記念は初日から3連勝で勝ち上がっており、準決勝後も「力が入りづらかったところも解消された」と好気配のコメント。共同通信社杯は4年前にビッグレース初優勝を果たして、一気にスターダムにのし上がった大会だし、再び鮮烈な走りを見せつけたい。

九州勢からは嘉永泰斗と荒井崇博をピックアップ。嘉永は8月オールスターの二次予選で8番手から一気の仕掛けで北津留翼とワンツー。準々決勝も最終HS前で8番手からパワフルに仕掛けて荒井崇博とワンツーを決めている。その後も川崎F1で完全優勝、岐阜記念も初日から1着1着2着で決勝進出(7着)しており、2年前の共同通信社杯以来のビッグレース優出に期待だ。荒井はオールスターの準決勝4着で優出は逃すも、シリーズ3勝をあげている。昨年の共同通信社杯も決勝まで駒を進めており(決勝7着)、今開催も決め脚を発揮して、シリーズを賑わそう。

嘉永泰斗、荒井崇博

強豪も新鋭もベテランも、自動番組に身をゆだねつつ、それぞれの選択と走りで勝ち上がりを狙っていく。オール予選だけに初日の第1レースから、どのようなドラマが生まれ、シリーズが展開されていくのか。恐竜でも有名な福井で、競輪界のサバイバルバトルが、今始まる。

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加藤慎平さんの開催展望や、福井バンクの特徴、勝ち上がりや開催データは、第41回共同通信社杯競輪G2特集ページにて掲載しておりますので、こちらでご確認ください。
【第41回共同通信社杯競輪G2特集】

(P-Navi編集部)

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