2025/09/08(月) 17:00
9月12日から福井競輪場で開催される「第41回共同通信社杯競輪(G2)」。オール一次予選、自動番組編成など特色あるシリーズは、KEIRINグランプリ2025の出場を見据える上でも、目が離せません。過去の優勝者、開催データから見える共同通信社杯競輪の傾向と特徴は……!?
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【共同通信社杯競輪・優勝者データ】
昨年は宇都宮で開催され、眞杉匠が地元ビッグレース制覇を達成した。
◆最年少優勝:25歳
神山雄一郎、高木隆弘、後閑信一、佐藤友和、永井清史、山口拳矢の6名が25歳で優勝。なお、2021年の山口拳矢はデビュー最速のG2優勝だった(デビュー初日を含まず479日)。
今回25歳以下の出場選手は纐纈洸翔(23歳)、渡邉雅也(24歳)、後藤大輝(24歳)、伊藤旭(25歳)、松本秀之介(25歳)の5名。
◆最年長優勝:47歳
2015年防府:神山雄一郎
今回の最年長出場は54歳の内藤宣彦で、50代はほかに志智俊夫(53歳)が参戦。なお47歳以上は50代の2名を含めて9名がエントリー。
◆最多優勝:6回
神山雄一郎(1993年広島、1997年花月園、1998年久留米、2001年取手、2002年宇都宮、2015年防府)
※優勝回数2位は2回優勝で、後閑信一、内林久徳、郡司浩平の3名。
◆大会連覇:2名
神山雄一郎(1997年〜1998年)、内林久徳(1999年〜2000年)
※なお昨年優勝の眞杉匠はあっせんしない処置で出場できないため、今年の連覇達成は無し。
◆完全優勝:3名
山崎芳仁(2009年取手)、村上義弘(2010年小松島)、郡司浩平(2022年名古屋)
◆優勝者の年齢分布
20代:20回
30代:18回
40代:2回
昨年は20代の眞杉匠が優勝。20代の優勝は山口拳矢(当時25歳)以来3年ぶりだった。40代の優勝は最年長優勝である2015年防府の神山雄一郎と、2017年武雄の諸橋愛(当時40歳)。
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【共同通信社杯競輪・地区別優勝数】
北日本 7回
関東 14回
南関東 6回
中部 3回
近畿 5回
中国 0回
四国 1回
九州 4回
過去40開催で最も優勝回数が多いのは関東。神山雄一郎が6回優勝しており、さらに昨年も眞杉匠が制している。優勝数では東高西低の傾向になっており、東地区が30回優勝に対して、西地区は10回の優勝にとどまっている。四国地区は当時一発勝負のレースだった1988年の伊藤豊明(愛媛)の1回のみ。中国地区からは優勝者が出ておらず、S班の清水裕友らはこのデータを打ち破れるか注目だ。
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【共同通信社杯競輪・決勝の傾向】
◆決勝の平均払戻金
2車単 4,704円
3連単 31,076円
3連単万車券決着 14回/26回
※2002年から2024年までを集計
決勝の3連単の最高配当は19万6,380円(2020年伊東温泉の中本匠栄)、最低配当は1,010円(2009年取手の山崎芳仁)。前月のオールスター決勝は3連単平均が2万円台だったので、共同通信社杯の決勝は1万円近く平均が高い。最高配当の2020年伊東温泉以外にも、2016年富山(竹内雄作)、2022年名古屋(郡司浩平)でも3連単10万円オーバーの高配当が飛び出しており、平均値を上昇させている。
◆決勝の決まり手
1着 逃げ3回 捲り6回 差し10回 マーク1回
2着 逃げ1回 捲り4回 差し6回 マーク9回
※直近20開催を集計
昨年は直線抜け出した古性優作を眞杉匠がゴール前でとらえて、差し→差しの決まり手だった。直近20開催では22年名古屋の郡司浩平、16年富山の竹内雄作、10年小松島の村上義弘の3名が逃げ切りで優勝を果たしている。逃げの2着は、2023年青森の新山響平。1着マークは2020年伊東温泉で中本匠栄が繰り上がり優勝したときのもの。
◆決勝のライン決着率
ライン決着:10回
別線決着:10回
※直近の20開催でライン形成選手のワンツー
昨年は眞杉匠→古性優作の別線決着。2022年名古屋の決勝はライン形成選手のワンツーだったが、郡司浩平→内藤秀久でライン先頭と3番手による決着だった。直近の開催で自力選手と番手選手のワンツーが決まったのは、2017年武雄の諸橋愛→平原康多。
◆優勝者の位置取り
ライン先頭:7回
ライン番手:8回
ライン3番手:3回
単騎:2回
※直近20開催のみ集計
昨年はライン先頭の眞杉匠が優勝。単騎の優勝2回は、2019年松阪の郡司浩平、2021年岐阜の山口拳矢。繰り上がり優勝ではあったが2020年伊東温泉の中本匠栄(山崎賢人-山田英明-中本-園田匠)、2015年の神山雄一郎(山田久徳ー稲垣裕之ー神山)、2010年奈良の伏見俊昭(新田祐大-山崎芳仁-伏見-斉藤正剛)など3番手回りから優勝に届くケースも。
◆級班別の優勝数
SS:9回
S1:6回
S2:1回
※勝ち上がりがオール一次予選になった2009年以降の集計(09~11年は春一番のみ集計)。
昨年はSSの眞杉匠が優勝だったが、オール予選・自動番組の影響なのか、SS以外の健闘も光っている。2019年から21年は郡司浩平、中本匠栄、山口拳矢と3年連続でSS以外(当時)が優勝。山口はS2での優勝だった。直近では23年にS1だった深谷知広が優勝を飾っている。
直近開催がS班の優出数も少なく、2024年宇都宮は古性優作、眞杉匠、深谷知広の3名、2023年青森は新山響平のみだった。
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【共同通信社杯競輪・勝ち上がりの傾向】
◆優勝者の勝ち上がり
※勝ち上がりがオール一次予選になった2009年以降の16開催を集計(09~11年は春一番のみ集計)。
一次予選の着順
1着:4回
2着:7回
3着:2回
4着:3回
優勝者した選手がどう勝ち上がってきたかを集計。
優勝者のうち一次予選の着順は2着スタートが最も多く、意外にも1着スタートは4例のみ。直近では22年名古屋の郡司浩平が初日1着から完全優勝を決めている。なお、直近10開催に絞ると、初日1着で優勝したのは、この開催の郡司のみとなる。また、一次予選は6着の上位3名までが二次予選ABに勝ち上がるが、初日5着・6着スタートで優勝した例はゼロ。4着から優勝までたどり着いたのは、2018年高知の平原康多、2020年伊東温泉の中本匠栄、2021年岐阜の山口拳矢の3回。
二次予選の経由番組
二次予選A経由:12回
二次予選B経由:4回
二次予選Aは5着まで、二次予選Bは3着まで準決勝に勝ち上がれる。2018年の平原康多から2021年の山口拳矢まで4開催連続で二次予選B経由の選手が優勝していたが、直近は3開催連続で二次予選Aを経由した選手が優勝している。
準決勝の着順
1着:10回
2着:4回
3着:2回
優勝者の準決勝の着順を集計したもの。1着突破した選手が10開催で優勝しており最多。この勝ち上がりになってからは、準決勝3着から優勝したのは2017年武雄の諸橋愛、2019年松阪の郡司浩平の2名。
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【共同通信社杯競輪・決勝の出目】
1番車(4 1 2 13)
2番車(3 5 2 10)
3番車(3 3 3 11)
4番車(2 2 1 15)
5番車(2 1 2 15)
6番車(1 1 2 16)
7番車(2 5 3 10)
8番車(1 1 3 15)
9番車(2 1 2 15)
※直近20開催のみ集計
※( )内は左から1着数、2着数、3着数、着外
直近20開催で最も優勝数が多いのは僅差で1番車。昨年の眞杉も1番車で優勝を果たしている。昨年は1番車→2番車、一昨年は2番車→1番車、ともに内枠同士で決着した。3連対率は2番車と7番車がトップ。6番車は2020年伊東温泉で中本匠栄が優勝、8番車は2009年佐世保で永井清史が優勝しているが、それ以降は出現していない。
※あくまで出目のデータです。
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【賞金争いの行方】
直近の共同通信社杯20開催(08年から24年)の優勝者のうち、その年にグランプリ出場を叶えたかどうかを集計。
グランプリに賞金で出場:13回
G1タイトルで出場:1回
グランプリ届かず:6回
直近20開催のうち、13開催の優勝者が賞金でグランプリ出場を決めている。やはりここでの上積みは大きいと言えよう。なお、2009年の山崎芳仁は、共同通信社杯の前にG1を2回制しており、すでに出場権を獲得していた。逆に言うと、共同通信社杯優勝+同年にG1優勝というパターンは、直近20開催でこの1回しかないということになる。また、賞金上積みが大きいとされる共同通信社杯だが、それでも惜しくもグランプリ出場に届かなかったパターンは直近20開催で6回あり、最近では2021年の山口拳矢がグランプリは次点(補欠)で、その年末はヤンググランプリに出場している。
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【過去の決勝レポートと勝ち上がり】
共同通信社杯競輪G2特集ページよりご覧ください。
※掲載写真は過去の共同通信社杯競輪からのイメージです。
(P-Navi編集部)