2025/06/21(土) 20:04
岸和田競輪「第76回高松宮記念杯競輪(GI)」が22日に最終日を迎える。12R決勝を走る古性優作が、胸に秘めた特別な思いを語った。
「個人的に優勝しないといけない理由があります」
古性は汗を拭うと、声を震わせた。開催中に闘病していた恩師・郡山久二さんの訃報を受けた。
「自分に師匠はいませんが郡山さんは師匠のようで、家族みたいに接してくれて…。お父さんみたいな存在です。自分が弱いときからバイク誘導で練習をつけてくれて。グランプリで初優勝(21年静岡)した時も、現地に駆けつけて泣いて喜んでくれました」
「郡山さんは現役時代にグランプリ出場が決まっていたのに(89年の選手会ストライキにより)走れなかったんです。自分ができなかった思いを僕らに託してくれたと思うし、何としてでも郡山さんをグランプリに連れて行きたいと思った。21年にそれが叶った。親孝行じゃないけど、そういうのができたのかな」と、こらえていた涙があふれた。
現在の活躍の背景には、郡山さんの叱咤激励があったはず。それはきっと、この先も続くだろう。誰よりも古性優作を応援しているに違いない。郡山さんの指導を受け、汗を流したバンクで最高の報告を届けたい。(アオケイ・八角記者)