那須高原ロングライド2024(前編)

2024/09/04(水) 18:00

那須ロングライド

栃木県の那須高原を中心としたエリアを走る人気イベント「那須高原ロングライ ド2024」が7月7日、開催された。近年は9月の開催が続いていたが、12回目を迎える今年は、元々の開催日であった緑の美しい7月上旬に久しぶりに日付を戻し、1500名あまりの参加者がロングライドを楽しんだ。

緑の美しい夏の那須エリアで「那須高原ロングライド2024」が開催された

高原という言葉が語るように、アップダウンの多い土地であり、コースは走りごたえがあるが、どこに行っても美しい緑が広がっており、人気の観光地らしく、しゃれた施設も多いため、どっぷりと、ここで過ごす時間を満喫することができる。

美しい景観の中を縫って走る

大会の一番のウリは「豪華すぎるエイドステーション」。フード、ドリンクを提供する17ものエイドステーションが設定されている。このエイドの数は、おそらく日本最多だろう。

冷やしおでん
きゅうりといなり寿司

これまで、大会を象徴する「那須高原ヒルクライムコース」などの峠に近い位置のエイドでのみ、うなぎのおにぎり「うなぎり」が提供されていたが、今大会からは、全ての参加者が食べられるよう、各コースのエイドで提供されることになった。もともと予算度外視のごほうび的なフードであったため、少々驚いたが、参加者にとっては、間違いなく朗報である。 コースは那須町、那須塩原市だけでなく、福島の白河市や西郷村にまたがる形で8つのコースが設定された。「白河甲子高原ヒルクライム100」や、グルメをテーマにした「白河ラーメン」や「那須ミルクロード」、「那須どうぶつ王国BBQ」などライドだけでなくBBQも楽しむコースなど、選択肢は多様だ。最短は、お子さんの参加者も多い「ファミリー40キロコース」で、最難関は100km走り、1941mの獲得標高を上る「白河甲子高原ヒルクライム100」だ。

那須町、那須塩原市、白河市、西郷村を駆け抜けるように設定された多様なコー ス

大会前日、都内は気温37度という酷暑であったが、那須到着時の気温は27度と爽快で、夜は肌寒く感じるほど。避暑地である「高原」のポテンシャルを知った。快適なライドが楽しめそうだ!

当日の朝がやってきた。7時半からコース別に随時スタートしていくのだが、6時ごろにはすでに多くの参加者がスタート地点に集まってきていた。スタート会場では、ソーセージのふるまいがあるなど、参加者たちのボルテージは上がっていく。気温は27度だが、陽射しが強く、体感気温はもう少し高い。日中は、前日よりも気温が上がる予報になっており、水分補給などの熱中症対策が繰り返しアナウンスされていた。

開会式前に会場に集まった参加者、ゲストの記念撮影

今回のコースでは100km級のコースで6ヶ所、70kmで5ヶ所、60km台で4ヶ所、それ以下では3ヶ所のエイドが設定されている。しかもエイドのクオリティーは極めて高い。15km程度で1回飲食できる計算になり、非常に手厚い設定だ。登坂が厳しいコースでも、待ち受けるエイドと、美しい景観が気分を盛り上げてくれて、完走できてしまう大会だ。

この大会のコースのほとんどが、参加者に元気のある前半に登坂を終え、後半は降り基調で帰ってくるという形で設定されているため、走りやすい。ショートカットポイントが設定されており、疲れてしまった場合には、距離を縮めて帰ることができるのも心強い。 今年は、ゲストライダーとして、地元の宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンゆかりのメンバーが多く集結した。まずはゲストライダーを先頭にライドが始まった。

宇都宮ブリッツェンや、過去に所属したメンバー、ブラーゼンサイクリ ング倶楽部のメンバーらが参加者と共に走った

集まった参加者は、仲間同士お揃いのジャージを着たグループや、ファミリーが多く、和気あいあいと笑顔でコースに繰り出して行った。 筆者も多くの参加者を見送った後で、短いコースに参加した。スタート地点となる余笹川ふれあい公園を出て、北に向けて走る。コースは車通りの少ない道を縫うように設定されており、ビギナーでも安心して走ることができる。 稲が青々と伸びつつある水田の脇を抜け、鳥のさえずりを聴きながら、里山を走って行く。7月の緑は勢いがあり、鮮やかで眺めているだけで気持ちが明るくなった。少々の登坂はあるけれど、落ち着いて走ればこなせるレベルのものであり、小学校低学年程度のこどもたちも、勇ましくクリアしていた。 今年は、タンデムやハンドサイクルの方々も参加しており、より参加者も多様化した模様。上りが少しキツいところでは、お互いに声を掛け合って、上る。

ほどなく第1エイドに到着。なんとここに「うなぎり」が鎮座していた。これが「うなぎり」か!これまで、ヒルクライムコースのごほうびだったため、短いコースの参加者にとっては初の対面となる。想像していたより大きくて、サイズにまず驚く。上に小さくカットされたうなぎの蒲焼が乗っている!

ついに出合った「うなぎり」。想像していたより大きなうなぎが乗っている !

うやうやしくいただいて、一口ぱくり。うまい!タレが絡められた米粒は、ふっくらしており、まさに「ごちそう」の感覚だ。身を感じられる厚みとサイズのうなぎが鎮座しており、どうやってこれを予算内で全員に提供したのだろうかと、運営側の努力に頭が下がる思いだった。

那須土産の定番「御用邸の月」。中にはカスタードクリームが詰まっている

エイドはこれで終わらない。那須の代表的な土産である「御用邸の月」と「トラピストガレット」、バナナが並んでいた。こちらも、そこそこのお値段で販売されている人気のスイーツである。「御用邸の月」は、カスタードクリームを包んだ国内の「月」シリーズの中でも、たまご量が多く、カスタードのしっかりした味が楽しめる。「トラピストガレット」は分厚いガレットの食感が秀逸で、甘すぎないため、何個でも食べたくなってしまう逸品。こんな人気スイーツがエイドでふるまわれるなんて! 最初のエイドから満たされたー!もうすでに食事をしたくらいの満足度なのだが、気を抜かず、先に進もう。

ここからは涼やかな木々のトンネルの間を抜けていく。陽射しが遮られるだけで、こんなに涼しいんだな。走り出すと、涼しい風が吹いてきて、とても気持ちよかった。1ヶ所キツめの上りがあり、多くの参加者が上り終わりのところで自転車を停めドリンク休憩をしていた。ここをクリアすれば次のエイドに到着だ!

◆後編はこちら

画像:那須高原ロングライド実行委員会事務局、M-WAVE、編集部

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