【特集】全プロ記念競輪を楽しもう!【S班8名参戦】

2024/05/22(水) 10:20

【特集】全プロ記念競輪を楽しもう!【S班8名参戦】

5月25日(土)・26日(日)の2日間、高知競輪場において「2024年度全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」(=全プロ記念競輪)が開催されます。
25字の長い開催名ですが、これをスラスラ言えるようになったら、ヘビーな競輪ファンの仲間入りとの噂も(?)。
そんな全プロ記念競輪は、2日間だけの「短期決戦」で争われる注目のシリーズ。開催は「F2」格付けで、グレードレースではないですが、S級S班8名を中心に、G1開催と同レベルのトップレーサーが全国から集結します。

今回は開催が直前に迫った、この全プロ記念競輪をより一層楽しむために、深堀していきます!

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◆どんな開催なの??
全プロ記念競輪

競輪選手が出場する、プロ選手による国内最高峰の自転車競技大会である「全日本プロ選手権自転車競技大会」が毎年1回開催されており、もともとは、その前日に震災の復興支援の名目で、競輪開催として「全プロ記念競輪」が実施されたことから始まります。かつては、国際競輪(今でいう短期登録選手の出場レース)に参加していた外国人選手と日本人選手が争う「ワールドグランプリ」も同時開催されていましたが、2006年からは日本人選手のみの参加に変更され、現在の勝ち上がりシステムでの開催が続いています。
※なお、今年も「選手強化支援競輪」として実施。

今年は5月27日(月)に「第71回全日本プロ選手権自転車競技大会」が高知競輪場で開催。それに合わせる形で、25日、26日の2日間、全プロ記念競輪が行われます。全プロ記念競輪はF2格のため、ビッグレースやグレードレース優勝数にはカウントされず、どこかお祭り的な雰囲気も感じますが、昨年の開催を振り返っても、トップレーサーがバチバチと火花を散らす激戦の連続でした。むしろ、短期決戦、さらに競技大会を控えているからこそ、いつも以上に果敢なタテ勝負のレースが増える傾向にあるとも言えそうです。

また、全プロ記念競輪を走り終えた選手が、検車場内で所狭しと翌日の競技用自転車を整備するのも風物詩となっており、選手こだわりの機材が一堂に会する光景は圧巻。
競技大会では、各種目の上位に入ると、G1寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントの出場権やシードレースの権利を獲得できるため、選手にとっては重要な意味を持つ大会になります。27日にどの自転車競技に出場するのかも、事前にチェックしてみると、また違った面白さがあるかもしれません。(※27日の競技大会は、もちろん車券発売はありません)

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◆短期決戦には2つのトーナメント!
共同会見

まずは、「全プロ記念競輪」から、解説していきます。
2日間の勝ち上がりシステムは、少しだけ特殊です。
通常の開催なら、参加選手全員が同一トーナメントで優勝を目指しますが、全プロ記念競輪は、初日から「優秀競走」、「特選競走・選抜競走」の2つに分類されます。

【優秀競走】
・3個レース=27名がエントリー
・1着から3着までがスーパープロピストレーサー賞に進出
・4着から9着まではワンダーステージ(2個レース)に進出

【特選競走・選抜競走】
・特選は3個レース=27名
・特選の1着から5着がダイナミックステージ(3個レース)に進出
・特選の6着から9着が2日目の特選(3個レース)に進出

・選抜は6個レース=54名
・選抜の1着から2着がダイナミックステージ(3個レース)に進出
・選抜の3着から4着、5着から上位3名が2日目の特選(3個レース)に進出
・選抜の5着の下位3名と6着から9着が2日目の選抜(3個レース)に進出

優秀競走(27名)は2日目のスーパープロピストレーサー賞を目指し、特選競走(27名)・選抜競走(54名)はともに2日目のダイナミックステージを目指すことになります。よって、優秀の選手が、2日目に特選・選抜の選手と同乗することはありません。

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◆誰が出場するの??
全プロ記念競輪出場選手S級S班

第71回全日本プロ選手権自転車競技大会に出場する選手から、S級S班や選考期間の平均競走得点上位者などから選抜されます。

全プロ記念競輪の初日優秀競走には、S級S班から新山響平、佐藤慎太郎、眞杉匠、深谷知広、山口拳矢、脇本雄太、松浦悠士、清水裕友(府県順)の8名をはじめ、全日本選抜覇者・郡司浩平、日本選手権覇者・平原康多と、今年のG1優勝者がそろって参戦します。果敢な走りで大ブレーク中の北井佑季、通算500勝リーチの浅井康太、九州からは嘉永泰斗など、「超」がいくつついても足りないほどの豪華メンバーが参戦予定です。

優秀競走の想定番組は下記の通り。

【5/25 高知競輪F2(初日)10R=S級優秀】
1/深谷知広(SS・静岡96期)
2/新山響平(SS・青森107期)
3/稲川翔(S1・大阪90期)
4/山田庸平(S1・佐賀94期)
5/郡司浩平(S1・神奈川99期)
6/和田健太郎(S1・千葉87期)
7/寺崎浩平(S1・福井117期)
8/嘉永泰斗(S1・熊本113期)
9/守澤太志(S1・秋田96期)

【5/25 高知競輪F2(初日)11R=S級優秀】
1/平原康多(S1・埼玉87期)
2/脇本雄太(SS・福井94期)
3/清水裕友(SS・山口105期)
4/松谷秀幸(S1・神奈川96期)
5/東口善朋(S1・和歌山85期)
6/岩津裕介(S1・岡山87期)
7/眞杉匠(SS・栃木113期)
8/三谷竜生(S1・奈良101期)
9/松井宏佑(S1・神奈川113期)

【5/25 高知競輪F2(初日)12R=S級優秀】
1/松浦悠士(SS・広島98期)
2/山口拳矢(SS・岐阜117期)
3/北井佑季(S1・神奈川119期)
4/渡部幸訓(S1・福島89期)
5/犬伏湧也(S1・徳島119期)
6/荒井崇博(S1・長崎82期)
7/浅井康太(S1・三重90期)
8/村上博幸(S1・京都86期)
9/佐藤慎太郎(SS・福島78期)
5月21日現在の想定番組です。

全プロ記念競輪の出場予定選手はこちら
※PDFが開きます。

【注目選手ピックアップ】

北井佑季(S1・神奈川119期)

初日は優秀競走にエントリー。今年は2月全日本選抜競輪でG1初優出、決勝も3着(優勝は郡司浩平)に入り、初のG1タイトル奪取も現実味を帯びてきた。あらゆる仕掛けに対応するハードトレーニングは、競輪界の話題を集めている。もちろん、他地区からの警戒は強まるばかりだが、力を出し尽くすスタイルは、短期決戦なら、さらに思う存分に発揮されそう。直前は奈良F1を逃げ切り完全優勝しており、今回も初日から全開の走りで魅了するか。

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◆賞金は?
全プロ記念競輪勝者

初日の優秀競走1着は66万5000円。
2日目のスーパープロピストレーサー賞の1着は286万円(本賞金のみ)。
古性優作選手が掲げている表彰ボードにあるように、昨年は副賞込みで385万円!

なお、4日制G2開催の準決勝1着賞金が61万8000円なので、2日間開催としては、かなりのボーナスステージ。
メンバーはG1級で、スーパープロピストレーサー賞を勝ってもグランプリ出場権が獲得できるわけではないですが(S級優勝にはカウント)、後々のグランプリ出場をかけた賞金争いを考えると、誰しもが賞金を少しでも上積みさせておきたいところでしょう。

全プロ記念競輪の賞金詳細はこちら
※PDFが開きます。

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◆今まで誰が勝っているの?
全プロ記念競輪勝者

昨年は富山で開催され、スーパープロピストレーサー賞(SPR賞)は古性優作選手が制しました。
今年は古性選手が不出場ですが、直近の全プロ記念競輪では、松浦悠士選手の好走が目立っています。2020年(豊橋)、2021年(広島)でSPR賞を連覇。2022年(佐世保)は準優勝で、昨年は4着でしたが、4年連続でSPR賞に勝ち上がっています。日本選手権が復帰戦でケガの状態が気になるところですが、好成績を残す開催で復調に期待したいところです。

【過去のスーパープロピストレーサー賞・レポート】
2023年富山:古性優作
2022年佐世保:守澤太志
2021年広島:松浦悠士
2020年豊橋:松浦悠士
2019年松山:太田竜馬
2017年和歌山:古性優作

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◆出場するチャリレンジャーは?
【優秀競走】
松浦悠士(SS・広島98期)
深谷知広(SS・静岡96期)
脇本雄太(SS・福井94期)
郡司浩平(S1・神奈川99期)
北井佑季(S1・神奈川119期)
松井宏佑(S1・神奈川113期)

【特選競走】
佐々木豪(S1・愛媛109期)
島川将貴(S1・徳島109期)

【選抜競走】
小松崎大地(S1・福島99期)

今開催は以上の9選手が出場。今回も応援よろしくお願いします!
※チャリレンジャー(スポンサード選手)

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【第71回全日本プロ選手権自転車競技大会】

5月27日(月)に高知競輪場にて開催されるのが「第71回全日本プロ選手権自転車競技大会」(トラックレース)です。
これは競輪選手が参加するプロ選手による自転車競技大会で、事前に各8ブロックで地区プロ(地区プロ選手権自転車競技大会)が行われ、全7種目への出場者が決まります。
2020年から2022年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から開催が中止されましたが、昨年の富山大会から4年ぶりに再開されました。

実施される自転車競技はこの7種目!
ケイリン
スプリント
1kmタイムトライアル
4km個人パシュート
エリミネーション
チームスプリント
4kmチームパーシュート

全プロ競技大会は個人で、またはチームで勝利はもちろん記録に挑むため、「競輪選手の運動会」と言われることもありますが、もうひとつ重要なのは、各種目で上位着に入ると、今年10月に弥彦競輪場で開催される第33回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)への出場権ならびにシードレースへの出場が決まるところ。

まず、今年の寛仁親王牌の選考基準は以下の通り。
(1)S級S班在籍者
(2)過去3回以上優勝した者(開催時S1)
(3)パリオリンピック自転車競技トラック種目代表選手
(4)選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S1)
(5)世界選トラック競技出場者
(6)世界選に準ずる国際大会トラック競技の1~3位
(7)アジア選ケイリン及びスプリント1位
(8)過去のオリンピック自転車競技トラック種目メダリスト(全プロトラック競技出場かつ開催時S1)
(9)全プロトラック競技出場者で
・ケイリン決勝出場者 ・各競技1~3位

(10)全プロトラック競技出場者で平均競走得点上位者
(11)1~10で108名に達しない場合は地区プロトラック競技出場者から平均競走得点を勘案し推薦

とくに今回の競技大会と直結するのは(9)の項目で、
・ケイリン決勝出場者
・各競技1~3位
に寛仁親王牌の出場権が与えられます。※開催時S級在籍が条件

さらに、競技大会での上位入着選手には、開催を優位に進められる寛仁親王牌のシードレースにも選抜されます。

まず、寛仁親王牌の初日に行われる「日本競輪選手会理事長杯」の選抜基準は下記の通り。
(ア)パリオリンピック自転車競技トラック個人種目メダル獲得者
(イ)世界選ケイリン及びスプリント1位~3位
(ウ)全プロケイリン1位、同スプリント1位、同1kmT.T.1位
(エ)S級S班在籍の全プロ出場者のうち平均競走得点上位者
(オ)S級S班在籍の平均競走得点上位者
(カ)開催時S1在籍の平均競走得点上位者

注目は(ウ)で、ケイリン、スプリント、1Kmタイムトライアルで1位になると、理事長杯スタートが確定します。

また、特選は下記の通り。
(ア)ネーションズカップ、アジア選のケイリン及びスプリント1位
(イ)KEIRINグランプリ2023優勝者(理事長杯に選抜されない場合)
(ウ)1:全プロケイリン決勝競走出場者。ただし理事長杯(ア)1で選抜された者及び決勝競走で失格となった者を除く、2:同スプリント2~3位、3:同1kmT.T.2~3位、4:同チームスプリント1位
(エ)S級S班在籍の全プロ出場者のうち平均競走得点上位者
(オ)S級S班在籍の平均競走得点上位者
(カ)開催時S1在籍の平均競走得点上位者

ケイリン決勝、スプリント・1㎞タイムトライアルで表彰台(1位を除く)、チームスプリントで1位になると、特選スタートに選抜されます。
寛仁親王牌(初日)の日本競輪選手会理事長杯、特選ともに、2日目はローズカップまたは二次予選への勝ち上がりが確定しており、開催を通してのアドバンテージはかなり大きくなります。

この競技大会では、普段の競輪とは異なり、得意な競技種目でG1出場を叶えらえるため、各種目のスペシャリストによる出場権を目指した力走が多く見られます。チーム競技なら「一緒にG1に」「一緒に特選スタートに」といった共通の目標で、団結力を強めます。
個人記録の更新や、競技それぞれの魅力を堪能することはもちろんですが、このG1出場権やシードレース争いにも同時に注目すると、全プロ競技大会をより楽しめます!

今年の各競技種目へのエントリーはこちらをご覧ください。
第71回全日本プロ選手権自転車競技大会出場予定選手一覧
※PDFが開きます。

最後に、昨年の競技大会のリザルトをプレイバック。

ケイリン
漢字の競輪ではなく、競技のケイリン。ラインは組まず、個々の戦いとなる。

1/山口拳矢(中部地区・岐阜)
2/吉田拓矢(関東地区・茨城)
3/南修二(近畿地区・大阪)

スプリント
予選のタイム上位が勝ち上がり、2名による1対1のスピード勝負でゴール先着を競う。駆け引きも魅力。

1/雨谷一樹(関東地区・栃木)
2/河端朋之(中国地区・岡山)
3/渡邉一成(北日本地区・福島)

1kmタイムトライアル
1名ずつ1km(1000m)を走りタイムを競う

1/菊池岳仁(関東地区・長野)=1分03秒137(大会新)
2/新田祐大(北日本地区・福島)=1分03秒420
3/松井宏佑(南関東地区・神奈川)=1分03秒799

4km個人パシュート
ホームとバックから2名がスタートし、追い抜きを目指す。追いつかない時はタイムで決着。

1/近谷涼(中部地区・富山)=4分33秒545
2/新村穣(南関東地区・神奈川)=4分38秒134
3/渡辺正光(北日本地区・福島)=4分40秒294

エリミネーション
最後に通過した1名が規定周回ごとに脱落していくサバイバルレース。残り2人になり、最終周回でゴール先着した選手が勝利。

1/小林泰正(関東地区・群馬)
2/小林潤二(関東地区・群馬)
3/舛井幹雄(中部地区・三重)

チームスプリント
3名で1チームを形成。3人が縦に並びスタートし、1周を終えるごとに先頭が離脱。最後の1人がゴールしたタイムで競う。

1/関東地区=1分02秒014
菊池岳仁(長野)・中島詩音(山梨)・末木浩二(山梨)
2/中部地区=1分02秒314
山口拳矢(岐阜)・志田龍星(岐阜)・森川康輔(岐阜)
3/四国地区=1分02秒814
太田竜馬(徳島)・島川将貴(徳島)・久米康平(徳島)

4kmチームパーシュート
個人追抜と同じく、こちらは4名によるチームを形成。先頭を順に入れ替わりながらレースが進む。

1/南関東地区=4分26秒295
小原太樹・島津拓弥・堀内俊介・佐々木龍(神奈川)
2/九州地区=4分28秒126
安東宏高・阿部将大・小岩大介・一丸尚伍(大分)
3/中部地区=4分28秒194
近谷涼(富山)・重倉高史(富山)・吉川希望(石川)・南儀拓海(富山)

※昨年の大会レポートはこちらからご覧ください。(P-Navi編集部)

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