2024/05/05(日) 19:15
令和6年能登半島地震復興支援競輪
大阪・関西万博協賛
第78回日本選手権競輪G1(最終日)
4月30日から6日間の日程で競輪界最高峰の戦いが争われた、第78回日本選手権競輪G1が最終日を迎えた。
選ばれし強豪同士の激突は、いわき平バンク特有の風とも対峙した容赦ない戦いとなり、4日目二次予選でS級S班の佐藤慎太郎や今年の全日本選抜競輪覇者の郡司浩平らが勝ち上がりを逃し、さらに5日目準決勝では、S班・眞杉匠や深谷知広、新山響平、松浦悠士が敗退するなど激戦を極めた。
その中、S班の古性優作は、1着こそないものの力と技で躍動。清水裕友も持ち味のアグレッシブな走りで混戦を潜り抜けた。また、直前の西武園記念でも活躍した関東勢がここでも層の厚さを見せ、平原康多や吉田拓矢、武藤龍生。さらに最高の仕上がりと話す小林泰正や諸橋愛の5名が決勝進出した。そして、これまでのうっ憤を晴らすかのように、シリーズ唯一3連勝で岩本俊介がG1で初めてファイナリストに名を連ねた。
関東が別線で単騎が4名の細切れ戦となった決勝は、最終HSでカマした吉田の番手から、平原がゴール前で抜け出して1着でゴール。通算9回目のG1を制覇すると同時に、悲願の日本選手権競輪のタイトルを手にし、大観衆の声援を一身に受けた。
【今開催の現地レポート】
初日 2日目 3日目 4日目 5日目
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【日本選手権競輪G1(最終日)11R=S級決勝】
1/古性優作(SS・大阪100期)
2/平原康多(S1・埼玉87期)
3/清水裕友(SS・山口105期)
4/吉田拓矢(S1・茨城107期)
5/山口拳矢(SS・岐阜117期)
6/諸橋愛(S1・新潟79期)
7/武藤龍生(S1・埼玉98期)
8/小林泰正(S1・群馬113期)
9/岩本俊介(S1・千葉94期)
【レース展開】
誘導以下、4吉田-2平原-7武藤、1古性、3清水、5山口、8小林-6諸橋、9岩本で周回。まず小林が上昇を始めると、古性も合わせて上がる。赤板で古性が吉田をかわすと、小林が叩いて先頭に立つ。小林が先行態勢に入り、打鐘後は古性は3番手、清水が4番手、山口が5番手、吉田は引いて6番手に。小林がペースを上げる中、最終HSから吉田がカマシを仕掛けると、最終2コーナーで小林をとらえて先頭奪取。吉田には平原、武藤が続いて、ラインが出切る。最後の直線では吉田マークの平原が差し脚を伸ばして優勝のゴール。吉田ラインを追った岩本が外伸びて2着。混戦を縫って追い込んできた古性が3着に入線した。
【日本選手権競輪G1(最終日)11R=S級決勝・結果】
2車単2-9 10,730円(40番人気)
3連単2-9-1 53,440円(171番人気)
決まり手:差し-差し
優勝/平原康多(S1・埼玉87期)
今回成績/特1・G4・準2・決1
次走出場予定/小田原F1(5月18日~20日)
20年以上やってきて、どんなに絶好調でも勝つことができなかった大会でした。大ケガからの復調途上で優勝できたのは、家族やファン、練習仲間、決勝で戦った仲間の支えに尽きます。ゴール後、信じられない気持ちでしばらくいて、(武藤)龍生が声をかけてくれて現実に戻った感じでした。
レースでは、(吉田)拓矢が一番強いと信じていたので、どんな状況でも力でねじ伏せてくれると思っていました。赤板から打鐘あたりの単騎勢の動きを拓矢がどうするか、どこで引くのかを見ていたのですが、踏める態勢になったら、どこからでも行ってしまうと思っていました。(吉田を)捲ってくる人はいないだろうと思うようなスピードだったので、あとはゴール前勝負。拓矢の垂れ具合や伸び具合を判断しながら踏んだ感じです。(最終HSは)あの位置だと拓矢が押し切れる距離だと思ったので、龍生と3人のゴール前勝負だなと感じていました。
脇本(雄太)が出てきてスピード競輪になって、それを何年も追いかけてきました。それで体を壊した部分もあるし、落車で壊したところもあります。昨年は、そういうことを含め、自分を取り戻せた1年だったのかなと感じています。日本選手権競輪を獲ることが一番の夢だったので、噛みしめています。昨年、左足が股関節から壊れてしまったので、そこの部分で脚力が戻ってくれば、もう少し戦えるのではないかと思います。
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【平原康多の過去G1優勝開催・レポート】
2021年10月寛仁親王牌G1(弥彦)
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【2024年のG1レース・プレイバック】
24年2月全日本選抜競輪G1(岐阜)
優勝:郡司浩平
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【賞金高順ベスト30】
1位 平原康多 109,585,000円※
2位 古性優作 76,616,548円
3位 清水裕友 67,903,548円
4位 岩本俊介 61,348,274円
5位 郡司浩平 59,982,174円※
6位 脇本雄太 36,846,400円
7位 吉田拓矢 34,815,000円
8位 北井佑季 33,706,000円
9位 武藤龍生 33,062,600円
10位 坂井 洋 27,898,000円
11位 深谷知広 27,385,000円
12位 浅井康太 26,309,674円
13位 小林泰正 23,251,000円
14位 新山響平 22,257,000円
15位 松浦悠士 22,216,774円
16位 佐藤慎太郎 21,223,000円
17位 諸橋 愛 20,947,000円
18位 南 修二 20,670,000円
19位 東口善朋 20,515,000円
20位 嘉永泰斗 20,015,274円
21位 山口拳矢 19,829,000円
22位 松谷秀幸 19,445,000円
23位 町田太我 18,905,000円
24位 山田久徳 18,353,000円
25位 井上昌己 18,350,600円
26位 眞杉 匠 18,349,674円
27位 和田 圭 18,085,000円
28位 島川将貴 17,839,000円
29位 阿部将大 17,657,274円
30位 小倉竜二 17,287,000円
2024年5月5日
※は今年のG1優勝者
太字は日本選手権の決勝進出者
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\日本選手権競輪(最終日)ピックアップ/
【最終日1R=S級選抜】
「脚に余裕はあるのですが」
2着/島川将貴(S1・徳島109期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
(打鐘で一番後ろになり)ちょっとヤバいなと思っていました。脚に余裕はあるのですが、もう一段スピードが上がらない。もう少し進んでくれと思いながら踏んでいました。4日間とも、そんな感じでした。全てが足りていないので、次、頑張ります。
【最終日7R=S級特選一】
「悔しさの残る開催」
1着/北井佑季(S1・神奈川119期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
今日は、もう少しラインで決められるペースや踏み出しが必要だったのかなと思います。(今開催は)自分の力を出し切った積極的な走りが今日の走りしかなかったので、力を持てあました悔しさと勝ち上がれなかった悔しさのあるシリーズでした。今後は、脚力を付けることはもちろん、自分の脚力に合った力の出し方や警戒されやすい戦いの中で、力を出し切る走りを課題にしていかないといけない。考え過ぎず、脚をつけて思い切ったレースができたらと思います。
【最終日8R=S級優秀】
「優勝争いをする仕上がりではなかった」
1着/深谷知広(SS・静岡96期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
かなりハイピッチだったのでキツかったですね。ずっと松井(宏佑)が外で頑張ってくれて、先頭に出てからもピッチを緩めずに行ってくれたので、何とか1着を取りたいと思っていました。(今開催は)今ひとつG1の優勝争いをする仕上がりに持ってこられなかった印象があります。プランを組み直して、次また頑張りたいと思います。
【最終日8R=S級優秀】
「悔しさをバネに頑張る」
2着/森田優弥(S2・埼玉113期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
車番が悪かったので、出たとこ勝負でした。赤板で突っ張ろうと思ったのですが、(嘉永泰斗が)勢いよく来たので。気持ちの弱い部分が出てしまいました。今シリーズは、力不足が出て、(レースの)判断も良くなかったです。まだまだやることがたくさんあるなと感じます。一緒に練習している同期(小林泰正)が決勝に進んで、嬉しさもありますが、悔しいので、頑張らないといけないと思います。
【最終日9R=S級優秀】
「気を引き締めていく」
2着/佐藤慎太郎(SS・福島78期)
1着で締めたかったのですが、郡司(浩平)が強かったし、自転車の出も良くなかったですね。(シリーズを振り返ると)今日の2着は成績を残したとは言えない。もう一度やり直す必要がありますね。1戦1戦というよりは、1日1日をしっかりやっていく方がいいと思います。気を引き締めてやっていこうと思います。(P-Navi編集部)