関西シクロクロス 琵琶湖グランプリ

2024/01/15(月) 09:19

関西シクロクロス 琵琶湖グランプリ

滋賀県草津市の烏丸半島で「関西シクロクロス 琵琶湖グランプリ」が11月26日(日)、開催された。UCI(世界自転車競技連合)公認レースとしての開催で、国内シクロクロスリーグのJCXシリーズおよびJCF(日本自転車競技連盟)のシクロクロスシリーズとしても位置付けられている。
今年は4年ぶりにオランダとオーストラリアから海外選手も来日して参戦した。今季、国内でUCIレースは2戦しか開催されないこともあり、国内各地からレーサーたちが参戦した。

琵琶湖畔のコースは、湖畔の地形を生かしたキャンバー(斜面)が名物。折り返しや登り返し、芝、泥、シケイン(障害物)が盛り込まれ、コントロール力が求められるテクニカルなコーナーも多い。アップダウンも含まれ、テクニックだけでなく、パワーも求められる難しいコースと言えよう。


地形を生かし設計されたコース

この日は暖かく、穏やかな天気となり、多くの観客が観戦に訪れた。
先に開催されたのは、女子エリート。今季好調の渡部春雅(明治大学)や小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)ら国内のトップ選手とともに、タリア・シンプソンとアランナ・ファンデホーフ、ルカ・タートン、ソフィー・サットン(すべてAustralian Development Team)4名の選手がオーストラリアから来日、参戦しスタートラインについた。


石田唯を先頭にスタートした女子エリート

号砲と共に18名がスタート。好スタートを切った石田唯が先頭でファーストコーナを回り、コースへと飛び出していく。だが、この後、ほどなく渡部が石田らをかわし、先頭に立った。石田、大蔵こころ(早稲田大学)、小林が追走に入る。


好調の渡部春雅(明治大学)が、石田をかわし先頭に立つ

地元の大会でなんとしても勝ちたい石田が集団を抜け出し、渡部に迫る。渡部と石田の先頭争いが繰り広げられた。


石田が渡部に迫り、2人のパックが形成された

渡部のバイクにメカトラが発生し、渡部はピットに入り、バイク交換を迫られた。この間に石田は先頭をひた走り、小林は2位のポジションへと位置を上げた。


落ち着いて走り、順位を上げる小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)


遅れを挽回できず、焦りを見せる小林


キャンバーをバランスを取りながらクリアする石田

先頭を独走する石田は、誰よりも入念に試走したという下準備を生かし、難セクションも卒なくこなし、安定した走りを見せた。石田は最終周回まで独走を続け、そのままホームストレートに姿を現し、拍手を受けながら片手を高く突き上げ、笑顔でフィニッシュ。UCIレースでの優勝と同時に、JCXシリーズとしても、初戦に続き、2勝目をあげた。


笑顔でフィニッシュ。見事に地元で勝利をあげた石田


表彰台に上がった石田、小林、渡部

小林が2位、追い上げられなかった渡部は3位となった。

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【結果】
女子エリート(WE)

1位/石田唯 44:04.1
2位/小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)+0:27
3位/渡部春雅(明治大学)+2:03
4位/大蔵こころ(早稲田大学)+2:13
5位/日吉愛華(Teamまるいち)+3:34

続いて開催された、男子エリート。全日本チャンピオンジャージを着た織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や、沢田時(宇都宮ブリッツェン)らが最前列に並ぶ。


スタートに並ぶ男子エリートの選手

海外からは、ゴセ・ファンデルメール(Bombtrack Bicycles p/b Hunt Wheels)がオランダから、マックス・ホブソンとマーカス・チャンドラー(ともにAustralian Development Team)がオーストラリアから参戦。
号砲が鳴ると、最初に飛び出したのは、圧倒的優勝候補の織田だった。すぐに柚木伸元(日本大学)と中島渉(MiNERVA-asahi)が織田を追うが、難セクションでもスピードが落ちない織田は、力みのない走りで飛ぶように駆けていく。


好スタートを切り、そのまま先頭を走る織田聖

このまま織田は他の選手らを振り切り、独走態勢に入った。後続まではすぐに20秒近い差が開く。ファンデルメールが、柚木ととともに織田を追った。


差を広げる織田


副島達海(大阪産業大学)、柚木伸元(日本大学)らが先行する織田を追う


巧みにキャンバー区間を走るゴセ・ファンデルメール(Bombtrack Bicycles p/b Hunt Wheels)

ファンデルメールは単独2位の位置へと上がったが、先頭で快走を続ける織田には届かない。柚木、副島達海(大阪産業大学)らがこの後ろを走る。


快走を続ける織田


横山航太(シマノレーシング)と競り合う柚木。表彰台争いは順位を入れ替えながら展開された

後続のパックでは、表彰台争いが展開され、選手たちが順位を入れ替えながら推移するが、先頭を行く織田はむしろ差を開き、格の違う走りで、遥か前方を淡々と独走していく。
織田はこのまま、観客らとハイタッチしながら悠々とフィニッシュ。2位以下に、1分以上の差をつけての優勝で、連勝を続けるJCX戦の勝利も積み増した。


終始独走で後続に1分の差を開き優勝した織田。まさに王者の走りだった

2位にはファンデルメールが入った。柚木が競り合った副島から少し先行して3位争いを制し、UCIレースの表彰台を確保した。


表彰台の織田、ファンデルメール、柚木

織田はオランダへと渡り、年末年始にワールドカップを含む欧州でのレースを転戦するという。またひとまわり成長した織田の走りが期待された。

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【結果】
男子エリート(ME)

1位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)59:56.3
2位/ゴセ・ファンデルメール(Bombtrack Bicycles p/b Hunt Wheels)+1:01
3位/柚木伸元(日本大学)+1:22
4位/副島達海(大阪産業大学)+1:24
5位/横山航太(シマノレーシング)+2:00

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【JCXシリーズ2023-2024・レポート】
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