2024/01/03(水) 10:02
長野県滝沢牧場で開催されたスーパークロス野辺山の2日目は、前日の吹雪が嘘のような晴天に恵まれた。
※開催初日のレポートはこちら
前日午後には吹雪となり、その後も強風が吹き止まなかったため、レースのために整備されていた会場は大きく荒れ、開催が危ぶまれる状態になったという。スタッフが夜明け前から総出で尽力し、開催可能な状態まで復元、見事全レースを予定通り開催することができたそうだ。
前夜の悪天候で大きく荒れた会場を運営スタッフが驚異の努力で復旧作業を行い、予定通りのレース開催を叶えた
前日朝より確実に雪化粧が進んだ八ヶ岳連峰が見守る会場で2日目が幕を開けた
レースはキッズカテゴリーからスタート
路面に残る雪に苦戦するキッズライダー
この日は、小学生のキッズカテゴリーからスタート。午前中には男女の15歳以下、17歳以下と成人、マスターズ、ジュニアのカテゴリーが開催され、午後は、大会名物の「キンダーガーデン(未就学児)」からスタートした。
性別、年齢、スキル別にカテゴリー分けされたレースが展開していく。前日より重さを増した泥に苦戦
担ぎで泥区間をクリア
未就学児の「キンダーガーデン」がスタート。幼児向けのシケインを越える
「 弱虫ペダル」作者の渡辺航先生から、チョコの完走メダルをかけられる
参加賞の大きな白菜を抱えて、ハイチーズ!
続いて開催されたのは女子の最上位カテゴリーであるWE1(女子エリート1)。
この日の男女のE1カテゴリーはUCI(世界自転車競技連合)の認定レースとして開催される。
滝沢牧場に設営されたコース
悪天候だった前日が嘘のように気温も上がり、暖かさを感じるほどの天気となった。その分、泥の路面はねっとりと重みを増し、女子には厳しいコンディションであっただろう。
いっせいにスタートするWE1(女子エリート1)
スタートの号砲とともに、キレのあるスタートで飛び出した小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先頭を走り、ファーストコーナーを回る。
渡部春雅(明治大学)が力の差を見せつけ、開始早々トップに躍り出た
だが、前日も独走でレースを制した渡部春雅(明治大学)がトップに躍り出て、この日も絶好調を全身で示すかのような走りを見せた。差は見る間に開き、2位以下に大きな差を付ける。
石田唯が渡部を追う
石田唯、小林あかり、大蔵こころ(早稲田大学)が渡部を追うが、差を詰めることができない。
先頭を追う小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)
雪や霜がすべて溶け、バイクにねっとりとまとわりつくヘビーな泥区間が、女子選手たちを苦しめる。渡部はバイクから降り、ランで着実にクリア。後続との差は狭まるどころか、終盤になり、再び開き始めた。
両手を上げたガッツポーズでフィニッシュする渡部。前日に続く勝利となった
渡部は独走を続け、満面の笑みでフィニッシュ。前日に続く勝利をあげたのだった。
2位には小林、3位に石田が入り、昨日と同じ顔ぶれ、同じ順位での表彰台となった。
前日と同じ渡部、小林、石田の表彰台。2日目はブーケとしてカリフラワーが贈られた
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【結果】
弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023 day2 WE1(UCI)
1位/渡部春雅(明治大学)48分31秒
2位/小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)+18秒
3位/石田唯 +1分26秒
4位/大蔵こころ(早稲田大学)+2分48秒
5位/日吉愛華(Teamまるいち)+3分54秒
続いて、男子の最高位カテゴリーME1(男子エリート1)がスタートを迎えた。この日も、国内の主要選手がスタートラインに並ぶ。晴天の下、大声援を受けながらレースが始まった。
ME1(男子エリート1)のスタート
真っ先に飛び出したのは、今季存在感を増している柚木伸元(日本大学)。先頭を切って、ファーストコーナーを回る。
1周目に、前日もこのレースを制した現全日本チャンピオン 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や、沢田時(宇都宮ブリッツェン)、副島達海(大阪産業大学)、柚木ら6名の先頭集団が形成された。
早々に先頭集団が形成された
ここから沢田がリードし、追随して抜け出した4名が、やや先行する形で2周目に入った。
今季好調を見せるトップ選手4名の先頭パックが出来上がる
織田がアタックし、柚木と2名で先行する形となった。
軽やかにキャンバーを跳び越える織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
織田は好ペースを刻み、耐えきれなくなった柚木が遅れ、この日も先頭の独走を始める。リカバリーした沢田が柚木を捕らえ、2名の集団に。織田はさらにリードを広げ、先頭をひた走る。
織田に食らいついた柚木伸元(日本大学)
メカトラの対応で遅れたが、じりじりと前へ上がる沢田時(宇都宮ブリッツェン)
転倒などのトラブルもあったものの、織田は先頭を守り抜き、自身のチャンピオンジャージに記された「弱虫ペダル」のロゴを指差しながら、誇らしげにフィニッシュ。前日に続き、UCIレースとなったこの日のレースも優勝し、「弱虫ペダル」が単独の冠を引き受けたレースで、連勝を飾る最高の結果となった。
笑顔でフィニッシュした織田。今季負けなしの快進撃が続く
2位争いは、MTBに加え、ロードへのトップレースへの参戦で鍛え、多様なレースで活躍する沢田が、最終周回で馬力を見せ、柚木を振り切ってフィニッシュ。柚木は3位でレースを終えた。
織田、沢田、柚木の表彰台。男子も前日と同じ顔ぶれ、同じ順位での表彰となった
2日間にわたって開催された、スーパークロス野辺山。吹雪にまでなった悪天候の1日目、汗ばむほどの晴天となった2日目と、ドラマチックな大会となった。
今年はこれまでのメインスポンサーだったサイクルアパレルブランドである「rapha」が降りたため、弱虫ペダル単独の冠となって開催された。現時点では、来年以降の開催は確約できない形だという。大会を愛してきた多くのファンたちが会場を訪れ、特に好天に恵まれた2日目は華やかな開催となった。
全国から、参加者、観客が訪れる人気の大会であり、日本のシクロクロスブームの火付け役ともなったスーパークロス野辺山。来年以降の開催を続ける道が開けることを切に願いたい。
画像:弱虫ペダル スーパークロス野辺山(Kei TSUJI)
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【結果】
弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023 day2 ME1(UCI)
1位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)1時間3分19秒
2位/沢田時(宇都宮ブリッツェン)+19秒
3位/柚木伸元(日本大学)+22秒
4位/竹之内悠(slash Cinelli - Vision)+47秒
5位/副島達海(大阪産業大学)+1分14秒
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【JCXシリーズ2023-2024・レポート】
第4戦・スーパー野辺山クロスday1
第3戦・幕張クロス
第2戦・わたりラウンド(P-Navi編集部)