2024/01/02(火) 09:30
長野県の八ヶ岳連峰を望む野辺山高原の滝沢牧場で、「スーパークロス野辺山」が11月18日、開催された。今年で13回目の開催となる。会場が洗練された雰囲気で演出され、レースだけでなく観戦も楽しめることから、毎年、多くの観客が足を運ぶ人気の大会だ。
ビギナーやキッズからトップレーサーまで、多様なカテゴリーのレースが2日間にわたって開催され、トップカテゴリーである男女の「エリート1(E1)」は、1日目は国内リーグのJCXシリーズの1戦として、2日目はUCI(世界自転車競技連合)認定のレースとして設定されている。
八ヶ岳連峰をバックに走る
今年もオリジナルグッズは大人気
家族とともに来場、参戦する参加者も多い。応援を楽しむ家族
コースは、フライオーバーと呼ばれる立体交差あり、シケイン(障害物)、泥、キャニオン(溝)、タイトなコーナーなど、たくさんの要素が詰められている。牧場の環境を生かし、馬の近くを走ったり、観客が飲食を楽しむエリアの脇を抜けたりと、観戦を楽しませる遊び心も盛り込まれた、走って、観て、楽しいコースである。
楽しめる仕掛けが随所にちりばめられた特設コース
男女の15歳以下、17歳以下、ジュニア、そしてマスターズと、幅広い層のレースが展開され、多くの来訪者で会場はにぎわいを見せた。
レース後の洗車を行う参加者たち
泥だらけとなったバイクと格闘
午後からは、男女の「E1」が開催され、参戦していた参加者たちは、観戦モードに切り替わり、声援を送る。
まずは女子のWE1 。並んだレーサーたちの中で好スタートを切ったのは、大蔵こころ(早稲田大学)。先頭で最初のコーナーを回り、コースに飛び出した。
だが、1周目を終える頃には、今季絶好調の渡部春雅(明治大学)が先頭に立っていた。この時点で後続には20秒の差を付けており、独走態勢に入る。
スタートを待つWE1の選手
大蔵こころ(早稲田大学)を先頭にコースに飛び出していく
2周目に入ると、石田唯が2番手に上がり、一人で淡々と渡部を追い始めた。ロードやMTBでもタイトルを保有し、マルチに活躍する小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が着実に走り、ラスト2周でついに石田に追いつき、2名のパックを作る。2人は協調して先頭を追い、走り始めた。
重い泥のセクションを抜ける小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)
先行し、落ち着いてキャンバーを跳ぶ渡部春雅(明治大学)
渡部を追う石田唯と小林
渡部は、落ち着いて先行を続け、ミスなく各セクションをこなし、確実な差を築いていた。
だが、先行する渡部は、ミスなく周回を重ね、安定した走りで独走を続ける。そのままホームストレートに現れ、トップでフィニッシュ。
2位に小林、3位に石田が入り、表彰台を確定させた。
笑顔のガッツポーズでフィニッシュ。独走で勝利した渡部
ブーケの代わりのブロッコリーを掲げフォトセッションに臨む渡部、小林、石田
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【結果】
JCX第4戦
弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023 day1 WE1
1位/渡部春雅(明治大学) 47分45秒
2位/小林あか里 (弱虫ペダルサイクリングチーム)+23秒
3位/石田唯 +35秒
4位/大蔵こころ(早稲田大学)+1分59秒
5位/西原夕華(北桑田高校)+2分45秒
男子最上位カテゴリーのME1には、93名が参戦。大集団でのスタートとなった。
スタートラインにつく
小坂光(宇都宮ブリッツェン)を先頭に走る
スタートの号砲とともに、選手たちが全力でコースへと飛び出していく。選手たちのモチベーションの高さを示すように、序盤はハイペースの展開となった。
シケイン(障害物)をバニーホップで跳んでクリアする上位勢
今季敵なしの連勝を続ける織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と、MTBでもタイトルを保有し、トップーレーサーとして走る沢田時(宇都宮ブリッツェン)の実力者2名が飛び出した。
先頭を行く織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と沢田時(宇都宮ブリッツェン)
お互いマークし合う優勝候補2人は協調して走り、ハイスピードをキープ。後続の選手を寄せ付けない次元の違う走りを見せた。
キャンバーを越える柚木伸元(日本大学)
ところが、別の「敵」が選手たちを襲い始める。60分という短いレースながら、天候が荒れ始め、なんと強風に乗り、雪が吹き付ける過酷な状態に。この中で沢田が転倒、体を強く路面に打ち付けてしまう。バイクの状態を立て直し、復帰するが、ペースが上がらず、織田との差はじわじわと開いていった。
後ろから追い上げた今季急成長を見せる若手柚木伸元(日本大学)と、副島達海(大阪産業大学)が沢田に合流、さらにベテラン竹之内悠(slash Cinelli - Vision)もここに加わり、4名のグループとなって、先行する織田への追撃が始まった。
勢いを増す雪の中を走る沢田と柚木
雪が積もりスリッピーな立体交差をも力強く登る織田
悪天候の中のハイペースな展開に、100名近かった選手たちは次々と遅れ、レースを降ろされていき、ラスト2周の段階では30名ほどに絞り込まれていた。風はますます強まり、吹雪の様相に。
独走を続けシケインを越える織田
だが、織田は、激しく吹き付ける雪にも屈せず、安定したペースで先頭を独走。追撃する集団からは、沢田は好ペースを維持したが、じりじりと遅れ始め、沢田が単独で2位を行き、柚木が食らいつくものの、2名は遅れてしまう。
織田はペースを落とすことなく、圧倒的な差を付けて、このレースでも優勝を決めた。
両手を高く挙げ、優勝を決めた織田。弱虫ペダルのロゴ入りのチャンピオンジャージで同じスポンサーの冠レースを制する最高の展開に!
沢田は2位を守り抜き、柚木が3位でフィニッシュした。
織田、沢田、柚木が表彰台に立った
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【結果】
JCX第4戦
弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023 day1 ME1
1位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)1時間4分36秒
2位/沢田時(宇都宮ブリッツェン)+39秒
3位/柚木伸元(日本大学)+59秒
4位/竹之内悠(slash Cinelli - Vision)+1分41秒
5位/小坂光(宇都宮ブリッツェン)+1分51秒
画像:弱虫ペダル スーパークロス野辺山(Kei TSUJI)
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【JCXシリーズ・レポート】
第3戦・幕張クロス
第2戦・わたりラウンド(P-Navi編集部)