山陽オートG1(準決勝戦)レポート

2023/12/19(火) 23:55

山陽オートG1(準決勝戦)レポート

2023年12月19日 山陽オート

九州スポーツ杯
G1第58回スピード王決定戦(4日目)

【9R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(湿走路)
山陽オートG1スピード王決定戦の準決勝戦9レース

10mオープン戦。スタートは2・山浦博幸が先制して、3・緒方浩一が2番手、4・浜野淳が3番手に付け、7・高橋貢は最後方からレースを進める。逃げる山浦に対して、緒方が徐々に差を詰め、後方からは高橋が周回ごとにポジションを上げてくる。5周回目に高橋は浜野を捲り3番手まで上がり、緒方は5周回3コーナーで山浦を捲り先頭に立つ。これを巧追した高橋は、最終1コーナーで緒方をインからかわして決着。高橋が1着、2着に緒方。3着には浜野が入線した。

高橋貢と緒方浩一
ビリオンレーサー賞

高橋貢
1着/高橋貢(伊勢崎22期)
競走タイム:3.704
競走車名:Sウルフ
ランク:S7
今節の成績:1着・1着・5着・1着
G1優勝:28回(21年飯塚:開設記念レース)

スタートこそ後手を踏んだが、内外自在の攻めで巧腕を発揮。「ペースが上がらないレースで、落ち着いて乗れました」と着実に捌いて優出一番乗りを決めた。新走路も「気持ちよく乗れている」と、これでシリーズ3勝目。ここまで積み重ねた通算G1優勝数は28回。優勝戦は8枠になったが、単独トップの新記録更新に今回も期待だ。

緒方浩一
2着/緒方浩一(山陽30期)
競走タイム:3.704
競走車名:グレート・ムタ
ランク:A72
今節の成績:3着・1着・1着・2着
G1優勝:1回(13年山陽:スピード王決定戦)

レース後は、「まさか!」を連発。新走路の雨に自信が持てず、試走も手ごたえ無し。その劣勢を吹き飛ばす好走で2着に入り、地元G1の優出を決めた。劣勢に感じたからこそ、「冷静に走れた」ことも好展開を生んだ。勝ち進んでみれば、ここまでオール掲示板入りで、昨年の当大会以来となるG1優出。優勝戦は4枠から速攻を決めて抜け出せば、10年ぶり2回目のスピード王制覇のチャンスも。

※9レース結果

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【10R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(湿走路)
山陽オートG1スピード王決定戦の準決勝戦10レース
10mオープン戦。スタートから2・竹谷隆、4・佐藤励が好ダッシュで飛び出し、大外からは8・金子大輔が3番手まで上がってくる。竹谷が巧みに逃げ展開に持ち込む中、佐藤もぴたりと後ろにつけて、両者のマッチレースが続いていく。4番手からは松尾啓史も上がって、金子との3番手争いを展開。逃げる竹谷に対して、佐藤は外から機を狙っていく。そして、最終周回4コーナーで佐藤は竹谷をついに捲りでとらえて1着。2着に竹谷。3着には金子が入った。

佐藤励と竹谷隆
ビリオンレーサー賞

佐藤励
1着/佐藤励(川口35期)
競走タイム:3.691
競走車名:シロウWV
ランク:A100
今節の成績:6着・1着・2着・1着
G1優勝:0回
※G1初優出

最終周回で屈指の雨巧者・竹谷を外からとらえて殊勲の1勝。「捲りを狙っていました。すごく嬉しいです」と笑顔で会心のレースを振り返る。湿走路も、スタートも練習を積み重ねてきたことで「自信がついてきています」とキッパリ。マシンの仕上がりも良いが「何もしないことは無い」とさらなる上積みを目指す。昨年10月にデビュー最速でのグレードレース制覇を果たしたのも、当地のG2若獅子杯。相性の良い山陽で、今度はG1初優出を決めた。報道陣のガッツポーズのリクエストにも「それは明日にとっておきます」。一気にG1初制覇達成の可能性も十分だろう。

竹谷隆
2着/竹谷隆(飯塚23期)
競走タイム:3.698
競走車名:ゼロワン
ランク:A57
今節の成績:1着・4着・1着・2着
G1優勝:3回(11年飯塚:開設記念レース)

得意の湿走路で、好スタートを切り、序盤からレースを作った。最終周回で佐藤励の捲りに屈したところは「雨だったので、悔しい」と語るが、19年6月の飯塚ダイヤモンドレース以来となるG1優出を2着で決めた。優勝戦は7人並びの10mハンデの最内。相性がいいという新走路で、12年ぶりのG1優勝を目指す。

※10レース結果

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【11R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(湿走路)
山陽オートG1スピード王決定戦の準決勝戦11レース
ここも10mオープン戦。スタートは3・岩科鮮太が飛び出し、2番手は7・篠原睦、3番手は5・吉原恭佑で序盤の隊列が形成される。1周回で中団に付けた6・丹村飛竜は、2周回目に吉原、篠原を捲り切ると、3周回2コーナーで岩科も捲り切り先頭に躍り出る。丹村に続く形で、2・西村龍太郎も前団を捲り切り、3周回で2番手まで浮上する。4周回で落車のアクシデントもある中、抜け出した丹村が押し切り1着。2着西村で地元勢のワンツー決着。3着は岩科が入線した。

山陽オートG1スピード王決定戦の準決勝戦11レース
ビリオンレーサー賞

丹村飛竜
1着/丹村飛竜(山陽29期)
競走タイム:3.730
競走車名:ヒシャカク
ランク:S25
今節の成績:1着・1着・1着・1着
G1優勝:2回(22年浜松:スピード王決定戦)

準決勝戦は再試走になるも、不安を一掃して、今節ただひとり初日から4連勝で優勝戦に勝ち進んだ。序盤からペースが上がらないと見るや、コースを「外に行ったら、うまくいきました」と切り替え、一気に抜け出しに成功した。新走路の地元戦は、これで14戦連続の掲示板入り&前節からは5連勝をマーク。マシンは「タイヤの確認と点検程度」の仕上がり。昨年は浜松でG1スピード王を優勝、今度は地元のG1スピード王の初制覇を完全優勝で決められるか。新走路でのG1で、地元の意地を見せたい。

西村龍太郎
2着/西村龍太郎(山陽25期)
競走タイム:3.736
競走車名:ドラゴンタロウ
ランク:A33
今節の成績:2着・1着・3着・2着
G1優勝:3回(04年山陽:平成チャンピオンカップ)

スタートは「皆に行かれてしまった」と後方に置かれてしまったが、「飛竜がいい道を見つけてくれたので、それに乗りました」と、丹村の外攻めに続く形で上位進出を果たした。前節までのイズミヤから、今節はドラゴンタロウに乗り戻ったことも、功を奏して好感触。G1優出は2015年12月山陽のスピード王以来、実に8年ぶり。ベストを尽くして、今度は19年ぶりのG1制覇を3枠から狙っていく。

※11レース結果

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【12R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(湿走路)
山陽オートG1スピード王決定戦の準決勝戦12レース

鈴木圭一郎が欠車。単独0mハンデの1・君和田裕二がスタートを残すと、そこから大逃げの展開に持ち込む。2番手は10線から3・山本将之が付けて、4・岡部聡、7・若井友和、6・田村治郎が続いていく。君和田がリードを広げる中、2番手争いは4車で激化。山本将之が後続を抑え込むが、最終周回1コーナーで田村、さらに岡部が捲り切る。さらにリードを広げた君和田が悠々と1着。最終周回で2番手に上がった田村だったが、最終3コーナーで滑り、外に大きく膨れたところを、岡部が突いて2着。3着には山本が入線した。

君和田裕二
ビリオンレーサー賞

君和田裕二
1着/君和田裕二(川口30期)
競走タイム:3.713
競走車名:ジーニー
ランク:A115
今節の成績:5着・1着・2着・1着
G1優勝:0回

単独の0mハンデから、6周回を逃げ切り。雨巧者ぶりを発揮して、後続を大きく千切った。今年3月に優勝した川口以来、約9か月ぶりの優出を果たした。G1に限れば、G1初優出だった昨年7月川口のキューポラ杯以来、2回目の優出となった。マシン調整は「朝練習に乗ってみてから」。優勝戦も単独で0mハンデの構成となっただけに、準決勝戦の再現の期待も。

岡部聡
2着/岡部聡(山陽19期)
競走タイム:3.740
競走車名:フラッグシップ
ランク:S37
今節の成績:2着・2着・3着・2着
G1優勝:13回(10年山陽:スピード王決定戦)

地元のベテランも新走路の湿走路には「難しかった」と振り返るが、最終周回では3番手も、前を行く田村治郎が大きく流れたチャンスを逃さず2着に入り、最後の優出切符を手にした。今節ここまで1着こそないが、オール掲示板入りの安定感が光る。G1優出は2019年飯塚のダイヤモンドレース以来、約4年ぶり。スピード王は過去8度の優勝歴がある実績抜群のシリーズで、優勝戦も6枠からチャンスをうかがう。

※12レース結果

今回の準決勝戦は冠協賛レースとして、1着選手には、オートレースを題材にした漫画「ビリオンレーサー」第4巻の発売を記念した「ビリオンレーサー賞」が贈られた。

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【最終日・12R=優勝戦】
*8周回4,100m 
1/君和田裕二(川口30期)0m
2/竹谷隆(飯塚23期)10m
3/西村龍太郎(山陽25期)10m
4/緒方浩一(山陽30期)10m
5/佐藤励(川口35期)10m
6/岡部聡(山陽19期)10m
7/丹村飛竜(山陽29期)10m
8/高橋貢(伊勢崎22期)10m

優勝戦は1・君和田が0mハンデで、2・竹谷から8・高橋貢の7名が10mに並ぶ、0-10のハンデ戦となった。
新走路でのG1開催で、活躍期待されるのが地元勢で、中でも6・丹村飛竜は初日から無傷の連勝で勝ち上がっており、完全優勝に王手をかけている。だが、勢い一番は5・佐藤励か。準決勝戦も勝負強く1着で勝ち上がっており、充実一途。晴雨ともに自信を深めており、G1初優出・初優勝があっても不思議ではない。
また、大外枠になったが、今シリーズ3勝を挙げている高橋貢は、優出メンバーで唯一、次戦がスーパースター王座決定戦トライアル戦。優勝戦も巧みなレース運びで、年末の大一番に繋がる走りを見せてくるか。

最終日の天気は曇り予報。かなり冷え込む予報で、21日は雪マークも出ているだけに、走路コンディションは要注意。冷えた走路での高速レースにもなりそうで、まさに開催タイトルにふさわしいスピード戦が展開されそうだ。
果たして、新走路のG1戦を制するのは……!?

新走路の山陽オートレース

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【過去の山陽オートG1・プレイバック】
23年4月令和グランドチャンピオンカップ
優勝:中村杏亮
23年3月プレミアムカップ
優勝:荒尾聡
22年12月スピード王決定戦
優勝:松尾啓史
22年4月令和グランドチャンピオンカップ
優勝:平田雅崇
21年12月スピード王決定戦
優勝:青山周平
21年4月令和グランドチャンピオンカップ
優勝:丸山智史
20年12月スピード王決定戦
優勝:木村武之
20年9月プレミアムカップ
優勝:早川清太郎
20年4月令和グランドチャンピオンカップ
優勝:長田恭徳
19年9月プレミアムカップ
優勝:鈴木圭一郎(P-Navi編集部)

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