飯塚オートG1(準決勝戦)レポート

2023/08/28(月) 23:57

飯塚オートG1(準決勝戦)レポート

2023年8月28日 飯塚オート

フタバ設計杯G1第66回ダイヤモンドレース(4日目)

【9R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
飯塚オートG1第66回ダイヤモンドレース4日目準決勝戦9レース
レース展開
10mハンデ最内の稲川聖也がスタートを決めて、0mハンデの藤川幸宏を2周回目にかわして先手を奪うも、3番手に付けていた長田稚也が、稲川、藤川のインに飛び込んで一気に先頭へ。抜け出した長田はリードを広げて1着ゴール。早川清太郎も周回ごとにポジションを上げると、4周回で藤川を、さらに最終周回2コーナーで稲川を捕える。最終3コーナーで稲川が逆転を狙うも、早川が譲らずに2着入線。

長田稚也
1着/長田稚也(飯塚34期)
競走タイム3.415
競走車名:ロシナンテ
ランク:A2
今節の成績:5着・2着・5着・1着
G1優勝回数:0回
※G1初優出

「地元G1で優出できて、嬉しいです」。準決勝戦はスタートから3番手の好位置に付けると、「落ち着いて、レースが見えてました」と振り返るように、2周回3コーナーで2車抜きを決めて、優出一番乗りを決めた。7月の飯塚G2オーバルチャンピオンカップでグレードレース初優出(5着)。そして今回は、G1準決勝戦の壁も突破した。エンジンも「試走から感触が良かった」と手応えがあり、優勝戦に向けて「ちょこちょこやってみます」。地元のホープが、一気の戴冠へ__。地元G1で記念初優勝に挑む。

早川清太郎
2着/早川清太郎(伊勢崎29期)
競走タイム3.421
競走車名:シナモン
ランク:S11
今節の成績:4着・1着・3着・2着
G1優勝回数:10回(22年川口:キューポラ杯)

試走タイムはメンバー中で一番時計の3.31。長田が序盤でレースを作る中、着実に追い上げて、最終周回で優出圏内に届いた。「厳しいレースでした」。ヘッド調整と電気、キャブを扱っていったが、「直線で、かいていってくれない」ために再調整をほどこす。近況はグレードレースで準決勝戦敗退も続いていたため、G1優出は2月の川口以来、約半年ぶり。G1は過去10回の優勝実績があるが、飯塚のG1奪取は未到達。マシンを仕上げて、6枠から強烈な追い脚を披露するか。

9Rレース結果

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【10R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
飯塚オートG1第66回ダイヤモンドレース4日目準決勝戦10レース
スタートで大外から有吉辰也が好ダッシュを決めて、序盤で2番手に付ける。0mハンデの占部健太が逃げるも、2周回3コーナーで有吉が先頭に躍り出る。加賀谷建明も好位に付けると、3周回目に占部をかわし、先頭の有吉を追う。差を詰めた加賀谷だったが、有吉が振り切って1着。2着に加賀谷。5周回目に占部をとらえた滝下隼平が3着。

有吉辰也
1着/有吉辰也(飯塚25期)
競走タイム3.421
競走車名:キックアス
ランク:S16
今節の成績:7着・1着・1着・1着
G1優勝回数:14回(21年川口:開設記念グランプリレース)

7人並びの10線大外から鮮烈なスタートを切って、一気に好展開に持ち込んだ。「スタート、切れましたね」と納得の切れ味で、2日目から3連勝。エンジン自体は「何もしていなかった」が、換えたタイヤは「かいていく感じがしなかった」と首をかしげる。同じ番号のタイヤも試して、優勝戦までに万全の態勢を整えていく。準決勝戦の1着で、通算900勝にリーチ。5枠から先制して、地元G1優勝をメモリアルVで飾るか。

加賀谷建明
2着/加賀谷建明(川口27期)
競走タイム3.428
競走車名:プログレス
ランク:S3
今節の成績:6着・4着・2着・2着
G1優勝回数:1回(22年飯塚:開設記念レース)

「取り返したね!」と祝福に訪れた仲間に笑顔で応える。近況はドドドもあり、「あまり調子が良くなかった」だけに、今年2月の川口以来となるG1ファイナル進出は、価値ある優出となった。得意のスタートが切れていないので、「まずは練習から集中」。さらにタイヤも交換して、良いものを探していく。飯塚では昨年11月の開設記念で涙のG1初制覇を達成。スタートを研ぎ澄ませて、その時と同じ青の勝負服(4枠)から2回目のG1制覇を目指す。

10Rレース結果

※G1優勝回数の( )は直近のG1優勝開催

【11R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
飯塚オートG1第66回ダイヤモンドレース4日目準決勝戦11レース
鐘ヶ江将平がフライング。2本目のスタートは10mハンデ最内の高林亮が決めて、0mハンデの関口隆広を飲み込んでいく。2番手に岩田裕臣、3番手に中尾貴志が続き、荒尾聡は8番手からの追い上げとなる。高林の逃げで、岩田も何度か仕掛けを試みるが、かわせずに周回を重ねる。荒尾は周回ごとに捌いていくと、3周回目に3番手、さらに5周回2コーナーで岩田を、3コーナーで高林を抜き去り、ついに先頭へ。荒尾が1着でゴール、2着は高林が逃げ粘り、同期ワンツー。3着は岩田が入った。

荒尾聡
1着/荒尾聡(飯塚27期)
チャリレンジャー(スポンサード選手)
競走タイム3.434
競走車名:デフジャムKN
ランク:S5
今節の成績:2着・1着・1着・1着
G1優勝回数:12回(23年山陽:プレミアムカップ)

「終わったと思った……」。ロッカーに引き上げてくると、開口一番、仲間にそう告げるほど、厳しい展開だった。スタートはフライングがあり2回目となったが、「1回目も自分が早いと思って、2回目は躊躇(ちゅうちょ)してしまった」と、まさかの8番手から。それでも試走3.31のメンバー中、抜けた一番時計をマークする機力で、鋭く捌いて5周回目には先頭を奪取した。「リングを換えて、メリハリが出てきました。あの展開で1着にきているのだから、仕上がっています」と好感触をキープ。直前のコラムでも「特別な思い入れがあるレース」と記していたダイヤモンドレースは、2020年、2021年の連覇も含め、過去3回優勝の実績もある。G2オーバルチャンピオンカップに続き、地元グレードレース連続優勝なるか。

高林亮
2着/高林亮(飯塚27期)
競走タイム3.447
競走車名:バートン
ランク:A106
今節の成績:1着・2着・4着・2着
G1優勝回数:0回

「ビックリしました」と、驚きの表情でレースを振り返る。スタートは遅れてしまったが、フライングがあったため、仕切り直し。そして、2回目のチャンスをものにして、速攻からG1優出まで辿り着いた。G1優出は2013年3月浜松のスピード王決定戦以来、実に約10年ぶり。「まぐれです」と謙虚なコメントが続くが、優勝戦も10mハンデの最内から、準決勝戦のような抜け出しを狙って、まずは「良いスタートを切りたいですね」。

11Rレース結果

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【12R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(良走路)
飯塚オートG1第66回ダイヤモンドレース4日目準決勝戦12レース
大木光がフライング。2回目のスタートは越智尚寿が0mハンデの田島敏徳を叩いて先手も、外枠から岩見貴史、青山周平がスタートを決めて一気に攻め上がると、岩見は内から、青山は外から、越智をかわしていく。青山はさらに2周回1コーナーで岩見を捲り切り、序盤からレースを支配する。岩見も離されまいと食らいつくが、青山がリードを保ったまま1着ゴール。2着に岩見。2周回3コーナーで越智をかわした東小野正道が離れた3番手を追走も、最終周回で大木がインからとらえて3着入線。

青山周平
1着/青山周平(伊勢崎31期)
競走タイム3.412
競走車名:ハルク・73
ランク:S1
今節の成績:1着・1着・1着・1着
G1優勝回数:21回(23年伊勢崎:シルクカップ)

今節は斑→良→湿→良と、日替わりの走路コンディションの中、唯一、4連勝で優勝戦に駒を進めてきた(※前節からは6連勝中)。もちろん「エンジンは安定している」との評価だが、まだまだセッティングを見直して、優勝戦までに、さらなる仕上げを目指していく。ダイヤモンドレースは前回覇者で、連覇がかかるシリーズ。さらに、SGオートレースグランプリからのグレードレース連続優勝、そして完全優勝に王手と、ナンバーワンへの期待は高まるばかり。10mオープンの大外8枠から、今開催5回目の盤石のレース運びで、通算22回目のG1優勝を手にするか。

岩見貴史
2着/岩見貴史(飯塚29期)
競走タイム3.421
競走車名:ザンス
ランク:S21
今節の成績:中止・3着・5着・2着
G1優勝回数:2回(21年飯塚:開設記念レース)

出場予定だった初日のオープニングレースは悪天候のため中止と波乱のスタートになったが、準決勝戦は鋭いスタートから、青山には敗れたものの2着で、最後の優出切符を手に入れた。G1は2021年12月以来、久々のファイナル進出。エンジンは「思ったよりもいいかな」という感触で、タイヤも前回の伊勢崎(準優勝)で使ったもので行ったが「跳ねとあおりがあった」ため、他の候補も考えていく。一昨年には飯塚の開設記念レースで、地元G1初制覇を達成。その時と同じく3枠から、自身3度目のG1優勝をもくろむ。

12Rレース結果

※G1優勝回数の( )は直近のG1優勝開催

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【最終日・12R=優勝戦】
*8周回 4,100m ※10mオープン戦
1/高林亮(飯塚27期)
2/長田稚也(飯塚34期)
3/岩見貴史(飯塚29期)
4/加賀谷建明(川口27期)
5/有吉辰也(飯塚25期)
6/早川清太郎(伊勢崎29期)
7/荒尾聡(飯塚27期)
8/青山周平(伊勢崎31期)

優勝戦は、地元飯塚勢から5名、伊勢崎勢が2名、そして川口勢が1名の構成で、高林亮が最内、青山周平が大外の10mオープン戦となった。
やはり中心は青山周平で、前節のSG優勝に続いて、今節も抜群の動きを披露。土つかずのまま勝ち上がって、完全優勝に王手をかけた。飯塚勢は、当タイトル2年ぶりの奪還がかかる荒尾や、通算900勝も期待される有吉、G1初優出&初優勝を目指す長田稚也らが、何としても地元タイトルを守りたいところ。
最終日の天気予報は晴れ。日替わりでコンディションが変化した今シリーズだが、最終日は良走路で迎えられる公算が高い。ここまで盤石の青山が完全優勝を飾るのか、または連勝を止める選手があらわれるのか。8周回の高速決戦が期待される優勝戦は、20時40分発走予定です。

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【G1ダイヤモンドレース・プレイバック】
22年8月=優勝:青山周平
21年6月=優勝:荒尾聡
20年7月=優勝:荒尾聡
17年7月=優勝:青山周平(P-Navi編集部)

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