2022/11/20(日) 12:01
【ガールズグランプリ2022トライアル/特集】
鈴木美教選手インタビュー
11月22日から6日間の日程で開催されるG1レース「第64回朝日新聞社杯競輪祭」(小倉競輪場)。前半の3日間では年末のガールズグランプリ進出をかけた激戦が繰り広げられる「ガールズグランプリ2022トライアル」が同時開催されます。今回はチャリレンジャーから鈴木美教選手(L1・静岡112期)に直前インタビュー。現在、賞金ランキング10位につけ、逆転でのガールズグランプリ出場を目指す大一番への意気込みをお聞きしました。
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数多くの支えで、落車を乗り越えて__。
編集部「まず今年ここまでの走りは、どのように自己評価していますか?」
鈴木「昨年11月の競輪祭で落車して、ケガをしてしまったので、復帰した今年の初めの方は、自分の思っていたように体が動きませんでした。納得のいくような成績が残せないまま、前半戦は、ごまかしながら走ってきた感じでしたが、夏ごろから徐々に良くなってきて、優勝もできるようになって、ようやく戻ってきた感じはします」
編集部「昨年の落車は鎖骨の粉砕骨折の大ケガでしたよね……」
鈴木「あの時は正直、メンタルに来ていました。こんなに痛い思いをするくらいだったら、もう走りたくない。そう思うくらいに、精神的には落ちていました。でも、周囲の支えがあり、太田美穂をはじめ、同期の選手から連絡をたくさんもらって、何とか復帰することができたという感じでした。あっせんも1月の中旬から1本目が入ったので、そこから走ろうという目標にして、しっかりとリハビリをしていきました」
編集部「太田選手も大ケガを克服して今の活躍がありますし、同期の支えがあったのですね」
鈴木「あの時、もし支えが無かったら、たぶん壁を越えられなかったと思います。あとは、復帰する前までに、トレーナーにもリハビリの仕方をたくさん教えてもらいました。そのリハビリがあったからこそ、早く復帰できましたし、今、結果を残せるようになってきた要因かなと思います」
編集部「競走スタイルも、積極策が増えていましたよね」
鈴木「そうですね。積極的に動くようにしていました。見ている方や、選手もそうだと思いますが、復帰戦からどういう走りをするのかは、すごく見られるところなので、最初の走りから大事にしていました。復帰戦は先行して2着で、車券を買っているお客さんからすれば、1着に来ないといけない立場でしたけど、今後を見据えた走りをする上でも、長い距離を踏んでいましたね。そうやってきたことが、今に繋がっています」
編集部「近況は、だいぶ手応えも掴めてきたということでしょうか?」
鈴木「手応えは、ありますね。今は練習の感じもすごく良いです。あと最近、S級S班の守澤太志選手とCSC(サイクルスポーツセンター)で練習する機会がありまして。周回練習から一緒にやらせてもらったのですが、初めて後ろにも付かせてもらい、とても緊張感のある練習ができました」
ガールズGPトライアルへの思いは誰よりも強く
編集部「さきほどは守澤選手との練習のお話はありましたが、前走(静岡11日~13日)からの過ごし方は?」
鈴木「あまり変わらずに、自宅やバンクに入って練習しています。普段は伊東温泉がホームバンクなので、地元の先輩とモガいたり、CSCまで行ってバイクで引いてもらったり、あとは自宅でパワーマックス。バイク練習は伊東競輪の訓練日しか今までやっていなかったのですが、今年6月からは多目にやっています」
編集部「ガールズグランプリトライアルには毎年参戦していますが、今年もすごいメンバーがそろいましたね」
鈴木「そうですね。ガールズグランプリの出場権がかかっているので、緊張感があります。でも、こういう舞台で戦えることは良いことですし、たくさんの同期もいるので、毎回すごく刺激をもらっていますね」
編集部「トライアルはAとBに分かれて、鈴木選手はB。メンバーを見た印象は?」
鈴木「Bチームは、Aチームに比べると、たくさんバック本数を持っている選手が多いイメージですね。今年のトライアルで良い結果を残せるように、ここまで走ってきたので、ここに向けての思いは、誰よりも強いという自信があります。しっかり結果を残したいですね」
編集部「よくご自身でも、ハートの強さは持ち味にあげていますよね」
鈴木「そこだけというか……(苦笑)。落車も経験して、さらにメンタルは強くなりました。昔はずっとバスケットボールをやっていたのですが、特に高校時代に、根性が鍛えらたんだと思います(笑)」
編集部「現在は賞金ランキングで第10位。大一番のトライアルに向けて、今の心境は?」
鈴木「いつもの開催とは違いますが、今はワクワク感の方が大きいです。自転車も今はMBKに乗っているのですが、後輪がスポークになった(※)ので、初めて自分が『これだ!』という自転車で、大舞台を走れます。そこも楽しみですね」
編集部「10月からの変更も、追い風になりそうですね!」
鈴木「はい。それに、やっと昨年のリベンジができる舞台が来たという感じです。今まで支えてもらってきた、たくさんの方々に、もちろんチャリロトさんにも恩返しをするつもりで、一生懸命がんばりたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」
※編集部注
今年の9月30日を節の初日とする開催から、競走時に使用する車輪は前後とも「スポークホイール(スポーク車輪)」となった。
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(鈴木美教プロフィール)
1994年9月17日生まれ(28歳)。静岡112期、ホームバンクは伊東。
2017年7月18日千葉競輪場でデビュー。同開催で、初優勝を3連勝で達成。2022年11月18日現在、426走して1着253回、2着71回、3着38回、通算53回の優勝。昨年10月には前橋競輪で通算200勝達成。2018年(静岡)と2020年(平塚)にガールズグランプリ出場を果たしている。
※文中の敬称略
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※競輪祭に出場する郡司浩平選手の直前インタビューはこちらからご覧ください。(P-Navi編集部)