JCL第5戦・オートポリスロードレース

2022/08/20(土) 17:11

JCL第5戦・オートポリスロードレース

8月6日、大分県日田市のオートポリスインターナショナルレーシングコースを舞台に、プロサイクルロードレースリーグであるジャパンサイクルリーグ(以下JCL)の第5戦「コーユーレンティア オートポリスロードレース」が開催された。

オートポリスロードレース
オートポリスインターナショナルで開催された「コーユーレンティア オートポリスロードレース」

このコースは普段はモータースポーツの舞台として名を馳せているが、サイクルロードレースの会場としても多く用いられ、過去に全日本選手権など主要レースも開催されてきた。
標高が800mと高く、天候が変わりやすく、濃霧なども発生しやすい。悪天候時は特に、激しいサバイバルレースになることで知られている。気象条件や路面コンディションなどを計算しながら、各チームがそれぞれの戦略を立てて臨むことになる。

この日のレースは1周4.674kmのコースを26周回する121.5kmに設定された。前戦の広島クリテリウムから1カ月。個人総合首位の証であるイエロージャージは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が、スプリント賞首位のブルージャージは同チームの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が保持している。後半戦に入り、宇都宮ブリッツェンのベテラン勢がめきめきと強さを発揮してきている。
新人賞のホワイトジャージを着る 渡邊諒馬 (VC福岡)は地元に近い九州での開催とあって、気合が入ることだろう。山岳賞のレッドジャージを保有する山本元喜は欠場となった。最前列にはホストチームになるスパークルおおいたレーシングチームのメンバーが盛大な拍手で迎え入れられ、スタートセレモニーが進行していった。

オートポリスロードレースのスタート
各賞のリーダージャージと、ホストチームであるスパークルおおいたレーシングチームを先頭にスタート

号砲を受け、選手がスタート。難しい展開になることを避けたのか、スタート直後からまとまって選手が飛び出していった。ここには多くの実力選手が含まれており、各チームの警戒を破るキレと勢いがあった。この抜け出しは成功し、10名あまりの集団が形
成されることになった。


序盤から選手が飛び出し、メイン集団は先行する選手を追い続ける展開に

後続を振り放すと同時に、メンバーを絞り込むべく、この集団はハイペースを刻んだ。堪えきれなくなったメンバーがこぼれ落ちて行く。

オートポリスロードレース
サーキットを走る選手

10周回目には、この先頭集団のメンバーが定まった。昨年のリーグの個人総合優勝者である山本大喜 (KINAN Racing Team)、イエロージャージの増田成幸、毎回のように展開に乗ってくる阿部嵩之、 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)、ジロ・デ・イタリアへの出場経験を持つ石橋学と、吉岡直哉(Team UKYO SAGAMIHARA)、西尾憲人(那須ブラーゼン)、エンクタイヴァン ボローエルデン(レバンテフジ静岡)と、まさに精鋭ぞろい。 逃げ切りの可能性も高いだろう。

タイム差は集団から約1分半。スプリント勝負に持ち込みたいホストチームのおおいたを中心に、先頭に誰も乗せていないチームは、決死の覚悟で追い上げを図ってくることだろう。先頭8名はペースを保ち、緊張感を持って、次の展開に備えているようだった。
ここからメイン集団の追走が本格化した。だが、足並みは揃わず、このペースアップで、集団がバラバラになってしまう。ラスト4周、ブルージャージの小野寺、阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)、谷順成(那須ブラーゼン)の3名が先頭に追いついた。これで宇都宮ブリッツェンは、先頭に有力メンバー4名を走らせる絶好の展開となる。

ラスト3周。増田、西尾が、飛び出し、するすると加速、集団から抜け出した。同じ栃木勢の2名は協調しながら、タイムギャップをじわじわと広げて行く。


先頭から増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、西尾憲人(那須ブラーゼン)が飛び出し、一気にペースアップ

ラスト2周に入ると、増田から西尾が遅れ始めてしまう。増田はそのまま独走態勢へ入る。
追走集団からは山本、阿曽、吉岡らが追走を試みたが、元タイムトライアル全日本チャンピオンである増田とのタイム差がなかなか縮まらない。増田は最終周回に入っても、落ち着いた様子でペースを守り、独走のままフィニッシュ地点に現れた。笑顔で両手を上げ、リーダージャージでの優勝を決めたのだった。

優勝した増田成幸
悠々と単独でフィニッシュした増田。イエローのリーダージャージを着ての優勝は格別だ

ブルージャージの小野寺玲
2着に入ったブルージャージの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

続く2位争いのスプリントは小野寺、阿曽の順に通過。 宇都宮ブリッツェンが1-2フィニッシュを飾ることになった。

オートポリスロードレースの表彰式
3名の表彰台。うまくいかないレースが続いた後の快勝に増田の表情は明るかった

増田はインタビューで「先行集団にチームから3人入ったことが、今回の勝利と周回賞の獲得につながった」と語った。西尾選手と抜け出した場面では「本当は最後まで2人でいきたかった」という。終盤、小野寺選手が追いつき、集団に控えてくれていたので、チームとしては万全の態勢だったと、ほぼ完璧な形で進行したこのレースを満足げな笑顔で振り返った。

増田は自らの勝利でポイントを積み増し、いっそうリーダーの座を確固なものとした。小野寺も2着に入り、ブルージャージをキープ。山岳賞、新人賞ジャージも変動なく、山本、渡邊が守ることになった。
次は同会場ではあるが、ショートコースを用いてのレースとなる。上り区間が省かれるため、展開も変わってくることだろう。この日、出番のなかったスプリンターたちがどのような作戦に出てくるか、また注目が集まった__。

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(今年のJCLプロロードレースツアー)
JCL開幕戦!カンセキ真岡芳賀ロードレース
JCL第2戦・カンセキ宇都宮清原クリテリウム
JCL第3戦・広島トヨタ広島ロードレース
JCL第4戦・広島トヨタ広島クリテリウム

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【結果】コーユーレンティア オートポリスロードレース(平均速度41.29km/h)
1位/増田成幸(宇都宮ブリッツェン)2:56'32"
2位/小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)+0'40"
3位/阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)+0'40"
4位/吉岡直哉(Team UKYO SAGAMIHARA)+0'40"
5位/山本大喜 (KINAN Racing Team)+0'42"

【各賞リーダージャージ表彰】
イエロージャージ(個人ランキングトップ)
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

ブルージャージ(スプリント賞))
小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

レッドジャージ(山岳賞)
山本元喜(キナンレーシングチーム)

ホワイトジャージ(新人賞)
渡邊諒馬(VC福岡)

画像提供: ジャパンサイクルリーグ(JCL)(P-Navi編集部)

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