2018/07/24 (火) 09:00
みなさん、こんにちは!グラビア車券師・桜井奈津です。
私は車券師(のつもり)ですから、予想をお仕事にする以上は、なるべく的中させなければならないと思っています。日々あれこれ試しながら修行を積んでいる訳ですけれど、なかなか難しいのが正直なところ。実際のレースは何が起こるか分からないし、波や流れもあるので、運の要素も強くなってきます。
ただ、そこに至るまでの『根拠のある妄想ストーリー』を語り合うことが、やはり競輪の醍醐味だと、噛み締めながら車券と向き合っているのです。
レースが始まるまではどれも正解ではないし、間違いでもない。競輪ファンというのは、大抵それぞれの『競輪観』を持っています。競輪歴が長ければ長いほど、すごく説得力もあると同時に、癖が強く凝り固まっていることも多いような気もします。未熟な私の予想は何かと否定されることも多いのですが(苦笑)、そこも含めて色んな考えがあって面白いなぁと、思っています。さらにお互いにその理論を否定せずに認め合って聞くことができたら、新たな視野も開けるのかも知れませんね。
各自の『競輪観』の下に成り立つ、こうなって欲しいなぁ、という妄想はもちろん、車券を当てたい気持ちがほとんどです。ですが、「このレースはこの選手に勝って欲しい」だとか「どうにか勝ち上がって欲しい」だとか、そんな想いを込めて買う車券もあります。それは例え当たらなかったとしても、愛おしく、レースを心から楽しめるはずです。
最近では人工知能(AI)による予想が話題になっています。例えば、競馬ファンも競輪をある意味で競馬的にデータ分析による予想ができることで、気軽に車券を買うキッカケになっていくので素敵なことに思えます。人間にはできないところまで細かく、素早く、的確に分析できる。これからもっと発展していくに違いありません。ただ、そうなってきた時、私たちの車券予想というのはどのように位置付けられていくのか?少し不安になったりもします。
人工知能にはなくて、私たちにあるもの。それは唯一、各自の『競輪観』に基づいた『浪漫』ではないでしょうか。
人間の感性をほとんど再現するロボットも既に現れたりしているので、何年、何十年先には私たちの語る『浪漫』なんて、ある種ちっぽけなものかも知れません。それでも、この『浪漫』というものをズーッと、失わないでいたいと願うのです。
そんな私たちの『浪漫』を乗せて走る自転車、その魅力に取り憑かれてまだ2年程度。毎日のように車券を買っていますが、レースを観ていると、凄く心が痛むシーンがあります。それはアクシデント=つまり、落車です。
このところの開催で落車が続いた日もありました。車券に絡めていても、いなくても、なるべくなら観たくない。選手のみなさんには、まずは怪我なくゴールして欲しいのが一番の想いなのです。
命を懸けた熱い想いだからこそ危険なまでにぶつかり合ってしまうこともあるし、本当にただただ不運なアクシデントであることも。そこで一貫して言えることは、落車があって車券が獲れるのも的中は的中。でも、素直に喜べない。お金は増えたとしても、そんなのは心から喜ばないでいたい。少なくとも落車を予想なんかしていない訳ですから。
レースでは選手の1人、1人が絶対に誰かの妄想ストーリーの一部となっています。選手のみなさんは、自分が誰かの妄想ストーリーの主人公かも知れないことをどうか忘れないでいただき、自分らしいレースで、怪我なく、走り切って欲しいものであります。
そして、私たちは今日も自分たちなりの妄想ストーリー(浪漫)を語り合いながら、この先も金網越しにずっと見守り続けていたいと思うのです。
桜井奈津(さくらい・なつ)
1988年9月5日生
愛知県出身
青山学院大学経済学部中退
ミス東スポ2016グランプリ
KEIRIN GP 2018 静岡アンバサダー
旅打ちが好き
全場制覇の旅は現在43場のうち25場(2018年2月5日現在)
帰りの交通費がなくなるとsuicaをみどりの窓口で返却
デポジット500円を手に入れるという特技をよく使っている
桜井奈津
1988年9月5日生 愛知県出身 青山学院大学経済学部中退 ミス東スポ2016グランプリ KEIRINグランプリ2018 静岡アンバサダー 旅打ちが好き 2019年12月14日に全43場制覇 帰りの交通費がなくなるとsuicaをみどりの窓口で返却 デポジット500円を手に入れるという特技をよく使っている