
ワッキーの、ワッキーによる、ワッキーのための福井記念、としか言いようがない
脇本雄太は64、65、67、68、70周年と5回の優勝を誇る。昨年の欠場の影響で今年は出場できるビッグレースに限りがある中、5月に「日本選手権競輪(GI)」を制し、早々にKEIRINグランプリへの出場を決めた。
ウィナーズカップで悔しさを滲ませた脇本雄太(撮影:島尻譲)
2月奈良記念(春日賞争覇戦)、3月宇都宮ウィナーズカップ決勝では相手のロケット作戦に屈し「わかっているのに…」と唇を噛んだが、日本選手権決勝で先行する眞杉匠、平原康多の関東作戦を力でねじ伏せ、悪いイメージも払しょくした。
「高松宮記念杯競輪(GI)」は出走本数が足りずに出場できなかったため、裏開催である松戸GIII(燦燦ムーンナイトカップ)に参戦。期待通りの完全優勝で松戸バンクを大いに盛り上げた。復帰当初は体調に不安がないわけではないことを吐露していた脇本だが、強さに変わりはなかった。
高松宮記念杯競輪で優勝を手にした古性優作(撮影:島尻譲) 今回の福井記念(不死鳥杯)はSS、GI級の選手が参戦するが、それにしたって脇本の独壇場としか考えられない。そして脇本の援軍も古性優作、南修二らと強力だ。東京五輪参戦のため、昨年大会は脇本は出場していない。そこで優勝したのは盟友・古性。「脇本さんがいなくても勝てるというところを見せたい」と挑んだ今年の地元岸和田の高松宮記念杯競輪でも古性は優勝。今年のGIは古性→脇本→古性の優勝で近畿が独占している。脇本がビッグ戦線に復帰なら近畿勢の勢いは止められない。古性は脇本から離れない、かつ差すことのできる数少ない選手だがそれは脇本もわかっているから地元記念は勝つことを第一に考えて差されないように走ればいいだけのことだ。
強烈なブロックの南修二も参戦(撮影:島尻譲) 初日特選は脇本、古性、南の3人で連携できそうな構成。勝ち上がりでは番組が脇本に近畿の若手先行選手をつけたりはしないことを願って(しないと思うけど)4日間、自力で強いワッキーの姿を堪能したい。