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「私の願いは稲川翔」数々のドラマが生まれた高松宮記念杯競輪〜 “コンドルの提言”第9弾〜

アプリ限定 2022/06/13(月) 17:00 0 5

九州の競輪専門紙「コンドル」の名物社長・武田一康氏。その競輪愛たっぷりの社長の提言をお届けします。“コンドルの提言”テーマは「高松宮記念杯競輪」です。どうぞご覧ください。

“雨の宮杯”としてファンから親しまれた高松宮記念杯競輪 今年はどんなドラマが生まれるだろうか(撮影:島尻譲)

“臨界のハイセイコー”岩崎誠一の頃から数々のドラマが

 高松宮記念杯競輪(GI)は大津びわこの500バンクで産声を挙げ、長い間“雨の宮杯”としてファンから親しまれ、東日本・西日本のNo.1を競い、その代表者9名が決勝戦で激突する他の特別競輪に無い大会だった事で数多くのドラマが繰り広げられました。

 私は輪界のハイセイコーと呼ばれた岩崎誠一氏(31期青森)が初めて特別に挑み、古参達に完膚無き迄にやられた大会を現地で目の当たりにしてから欠かさず観戦。熊本競輪場で場外発売がスタートしてからはIDカードを取得して密着取材し続けた想い入れが深い特別競輪です。以前は6日制だったので存分に取材がやれたのが懐かしい大会でもあります。

(撮影:島尻譲)

時代とともに変わりゆく東西対抗の歴史

 普段は連係する事もあるのに、東日本・西日本のNo.1を競う主旨もあり、勝ち上がりは決勝迄、東西の選手が相見える事はなく、圧倒的に層が厚かった東日本は勝ち上がるためには激しい競り合いが繰り広げられ、遺恨を残した例は数知れず、これこそ競輪の本質と思い知らされた事も。

 5日目に東西の決勝(王座戦)があり、その中から9名が決勝に乗るシステムだったのが、4日制に移行してシステムは変わり、勝ち上がりの準決迄は東西で競う事に。現在は東日本より西日本の台頭が著しく、決勝迄の道程はそれなりに厳しく成ってますが、昔と違うのは選手気質で、レースが終われば皆友達で和気あいあいなので、いがみ合いもなく平和なのが一番変わった事なのかも。

 東西に分かれても新型コロナ感染予防のため普段のFIは7車立で斡旋は東地区・西地区で闘うのが主流に成ってる関係でスムーズに3分戦・4分戦に成る何時もの闘い。新鮮味には欠けても予想し易いのは事実。それに東西一次予選の1着を2日目の準決へフリーパスの東西王座戦に行ける様にしたのは大ヒット。

(撮影:島尻譲)

激闘を楽しみにしているファンに十分な番組か

 デメリットは特筆してありません。何故なら東西対抗を打ち出して4日制であれば後は番組マンが如何にしてマンネリを防ぐかしか、勝ち上がりでは無理なので東西混合戦と成る負け戦が腕の見せ処かと。唯一直して欲しいのは3日目の特選3個レースで何と1〜7着迄は横滑りして最終日の特選に行けるなら、選手心理は危険を冒して迄、3着内に入る必要は無いと言う事で、ファンの期待を裏切る内容がこゝ3年の傾向。これは是非修正して欲しい。激闘を楽しみにされてるファンの願いでもあると思います。

(撮影:島尻譲)

私の願いは稲川翔 そして東日本地区で推奨したいのは

 今年の大会で期待したいのは地元の超イケメン稲川翔(90期)。こゝ数年は落車と事故点に泣かされ、コロナ禍に巻き込まれ体調崩し一ヶ月以上休んだ影響は4月武雄記念の準決勝で完全に払拭。決勝は村上義弘を連れて鐘前から逃げ、カマシの櫻井正孝に行かせず、吉田拓矢の捲りを封じたのは本人もビックリ。今回は相性抜群の脇本雄太は不参加でも、練習仲間で全日本選抜競輪(取手)を獲り、平塚GPを決めてる古性優作の存在もですが、それ以上は優秀な番組マンが地元と言う事で恵まれた組み合わせにしてくれる事。ならば決勝迄はトントン拍子で、そこに古性が居れば宇都宮高松宮記念杯以来2度目のGI・Vで平塚GPでは脇本-古性の3番手から賞金王を狙う事に。

稲川翔(撮影:島尻譲)

 東日本で推奨したいのは地元平ダービーは仕上げてたのに前検日の指定練習で不運にも落車した新田祐大(90期)。肩鎖骨折はすぐに手術して、3度目の宮記念杯Vを獲るための準備は万端と考えて良さそう。何故なら東京五輪迄鎬を削ったライバル脇本が先にGPを決めた事もあり、獲りたい気持ちは誰よりも強い筈。岸和田バンクは得意にしてるのも追い風。豊富な駒をバックに東王座を制せば、それこそ独壇場に成るのでは。それだけの選手である事は周知の事実。逃げるより構えて捲る姿勢は崩さない。

新田祐大(撮影:島尻譲)

 3番目は大津びわこの宮記念杯を2度優勝してる輪界の顔、平原康多(87期)。努力する姿は選手の鑑。幾多の試練を乗り越えた真のスターは性格抜群で、是非獲って欲しいもの。ファンを代表する私の願いでもあります。

▶コンドル武田一康の予想を見る

平原康多(撮影:島尻譲)

 武田一康

コンドル出版社代表取締役社長。昭和23年4月24日生まれ。小学生の頃から競輪場へ出入りし、予想台に立つ父の英才教育のもと感性を磨き、19歳から予想業に携わる。新聞業務は実弟の圭二氏(コンドル社・専務)、そして幸三氏との巧みな連係プレーで毎日円滑に製作されている。競輪歴60数年のキャリアに裏打ちされた莫大なデータと情報と経験値を基に、歯に衣を着せぬコメントで競輪界の矛盾や問題点を様々なかたちで提起している業界のご意見番的存在。

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