2022/03/28(月) 13:45 0 1
準決勝の3Rは前受けを選択した田村大。後ろ攻めから上昇した溝口葵を突っ張ると、今度は中団から仕掛けてきた森佑樹までも合わせきって力強く逃げ切った。連勝で決勝進出。昨11月の松山初日に誘導妨害で失格し、今節は3か月のあっせん停止明け2場所目。着実に本来のパフォーマンスを取り戻しつつある。
「前回の別府はレース勘もだし、脚の感じも良くなかった。今回も初日はピリッとしなかったけど、しっかり修正できたと思う。いい感じで踏めた。復帰してから初めて自分らしいレースができたかな。持ち味を出せていいレースができた。良かった」。
父が空手の先生をやっている影響で幼稚園から空手を始めた。
「中学校の時に4部門で全国優勝できた。でも、やらされている感があって、あまり好きじゃなかったです。試合になると気合が入ったけど。空手は高校で辞めました。普通に就職するつもりだったんですけどね。たまたま、競輪選手の兄弟の方が体育教師で来て、競輪の事を知ったんです。それまでは競輪の事を全く知らなかった。スポーツを仕事にしたかったので、そこから目指しましたね」。
昨年7月の高知で本格デビュー。しかし、1走目にいきなり落車した。
「ケガ自体は肋骨骨折だけだったけど、落車直後は意識を失っていたんです。救急車の中で目が覚めた(苦笑)。それにしても去年は波瀾万丈でした。自損事故で車も廃車にしちゃったし、誘導妨害もしたし…。あっせんが止まっている間は、練習ばかりしていました。ほとんど遊んでいない。同期にだいぶ後れを取ってしまったので、早く追いつきたい。頑張りたいです」。
選手が多いとはいえない宮崎に現れた大砲候補。目標を聞いてみると「GIに出たい。S級1班になれば、宮崎代表で全日本選抜に出られる。まずはそこを目指したい」と目を輝かせた。
今回の決勝には九州から5人が勝ち進んだ。同期の北川大成とは別線勝負を選択。
「北川君には、以前の別府で引っ張ってもらったことがある。どこかで恩返ししたいと思ったけど、今回は仕方ないですね。割り切って別々で頑張ります。走るからには優勝したい」。
誘導妨害する直前は2節連続で完全Vを果たしていた。復帰後の初優勝を狙って持ち味を発揮する。(netkeirin特派員)