2022/03/22(火) 20:00 0 1
“必殺仕事人”が久々の美酒に酔った。藤田真の名前は声に出すと「ふじたまこと」。俳優の故藤田まことさんが必殺仕事人の主役を演じていた影響で、年上の選手からよく「仕事人」と呼ばれていることが多い(個人的には、はぐれ刑事純情派の方がイメージが強い)。
その藤田が、前節の松山で大暴れ。初日に、昨年9月19日の武雄以来の逃げ切りを決めると、準決勝も積極策から2着に粘り込んで優出。決勝は吉堂将規の番手から抜け出してV。2010年11月の高松以来、実に11年4カ月ぶりの優勝だった。
「初日に久々の逃げ切りを決められたし、動きは良かった。決勝は後輩のおかげ。もう優勝は出来ないと思っていたのでうれしい。良かった。ホンマに何も変えていないですけどね。今年に入ってちょこちょこといい成績を残せるようになっていた。集中して練習するようになったのが良かったかな。子どもにも(優勝を)見せることが出来て良かった」。
実は、誰よりも喜んでいるのは8歳の娘さんかもしれない。驚きのエピソードがある。
「松山を走る前に、8歳の娘からキックボードをねだられたんです。学校で流行っているらしくて。それで『優勝したらこうたるわ!』って言って出てきたんですよ。そうしたらホンマにしてもうた。びっくりですね。奇跡の優勝ですよ。家で、娘がはしゃいでいたみたい。帰ってから買ってあげましたよ」。
10年以上も優勝から遠ざかっていた選手のやり取りとは思えないような話だが、娘さんにとってヒーローになれたのは間違いない。
『このままS級復帰を目指します?』の問いには「それはまだまだ。これからは相手に警戒されてしまうしね。でも、またもう1回、優勝したいね。頑張りますよ」と笑った。
仕事人が今節も静かに任務を遂行する。(netkeirin特派員)