2022/03/20(日) 12:00 0 0
逃げの決まり手に特化した荻原寿嗣が堂々の逃げ切り。赤板で強引に押さえて先行し、裸逃げになる不利も関係なく押し切ったのだが反省はあったようだ。
「ラインで決められなかったのが…。中途半端でした」。
中途半端とは押さえたところにあったようだ。以前にも武藤貴志との対戦があり、その時の先輩のアドバイスからも突っ張って飛び付くのはわかっていた。
番手の相良勝美には「『突っ張ってきたら下げるかも知れません』と言ってありました。そのせいで相良さんが(下げるタイミングを図って)口を空けてしまった。自分が『どんなに突っ張ってきても叩き切ります』と言っておけばこんな事にはならなかった。武藤さんが思い切り突っ張る感じじゃなかったので(叩くか下げるかの)加減が…」。
こちらには快心の逃げ切りに見えたのだが競輪は難しい。
そんな荻原は一度就職してから選手になった。
「強豪ではないですが大学まで野球をやっていて、それから普通の企業に就職し2年間は趣味でサイクリングをする程度で何もしていませんでした。それから消防士になろうとしたが試験に落ちて、YouTubeで世界選手権の1kmタイムトライアルを見たのがきっかけで選手を目指そうと思ったんです。自分で調べて電話して『経験ないけどなれますか?』と聞いたらダメだろうって言われましたが、一回行ってみることに。初めて計った5月のタイムは全然出なかったですね。やっぱりダメだろうと言われたのですが、諦めずにやって10月の試験で奇跡的に合格できました。ハロンは11秒2〜3が出ていたので、それで受かったのかもしれませんね」。(アオケイ・市川記者)