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【今週の競輪好プレー】成清貴之と堀内俊介“思いを伝える走り” /静岡・S級準決9R

2021/03/11(木) 10:00 1 3

東京スポーツの前田睦生記者がGP・GⅠ・GⅡ・GⅢ・FⅠ・FⅡのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。
本来であれば星5つで総合評価をしますが、今回は番外編として記憶に残したい名シーンをお届けします!

3月9日、静岡競輪場で開催されたS級シリーズ、2日目の準決9レース

 多くの方が、涙をこらえることができなかったと思う。赤板で前にいた積極先行・末木浩二(29歳・山梨・=109期)を、堀内俊介(31歳・神奈川=107期)が押さえる。

堀内俊介の思いを感じ取った成清貴之

 自在性を増している堀内、押さえた後、ペースを緩めない。
「そうか…」。マークした成清貴之(47歳・千葉=73期)には何かが分かっただろう。見ているファン、もちろん選手の方々も、背筋に流れるものがあったと思う。愛息・龍之介さんを失ったばかりの成清の前で走る思い…。

 堀内は自分も勝ち上がるために、などと書くことは、今回ばかりはダメだ。成清に決勝に乗ってほしかったと思う。それだけだったと思う。最終BS、成清は真後ろからまくってきた佐藤和也(41歳・青森=95期)をブロック。止まるのか、止まらないのか、いや止める。堀内の走りの意味を、無駄にはできない。

 生粋のマーク屋の体に流れる血は、シリーズ前に「さすがに準備不足です」と話した言葉を、気力で裏返した。

可愛い顔をした堀内俊介(中央)は鬼の形相で逃げたのだろう。取鳥雄 吾(左)、中西大(右)

 成清は2着で決勝進出。堀内は7着。

当コーナーは、好プレーを取り合げ、星★最大5つで評価するシステムだが、今回は星をつけられない。競輪は走りで思いを伝えることができる、その姿を見せてくれたことにただただ敬意を表するものである。


▼静岡競輪9日準決勝の結果はこちら
▼前田節満載のコラム「前田睦生の感情移入」はこちら

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