2021/11/24(水) 11:00 0 6
後ろに佐藤慎太郎と山崎芳仁を連れた新田祐大が、ライン4車の佐々木悠葵を突っ張り、その後、仕掛けた取鳥雄吾の3番手に入って豪快に捲った。
まずは佐々木を突っ張ったシーンから。
「3分戦だったので、あぁいう手段も(作戦の)一つとして考えていた。取鳥君が仕掛けてきたのは佐々木君が重なっていて気づかなくて、見えたときにはかなりスピードが上がっていましたね。離されてしまうと思って、思い切り踏んだ」。
絶好の3番手を確保したのは最終ホーム手前。あとはどこから捲るのか、という流れだった。ここからはマークした佐藤慎太郎の言葉で振り返る。
「新田も、もうひと息置きたいところだっただろうけど。行ってくれましたね。自分がしてたイメージよりも早かった。後ろに俺とヤマザキ(山崎芳仁)がいたから、その辺も考えてくれたんでしょうね」。
1年延期された東京五輪に出場し、競輪復帰は地元で開催されたオールスターから。随所で強さを発揮したが、 寛仁親王牌決勝の失格など思うように賞金を積み上げられず、競輪祭が7年連続のグランプリ出場へのラストチャンスだった。
一次予選2走を連勝で滑り出したが、単騎戦だったダイヤモンドレースは8着。そして準決勝4着でS級S班からの陥落が決まってしまった。
「グランプリ出場を逃してしまったのは残念。今節はダイヤモンドレースだけは中途半端になってしまったけど、あとは仕掛けるべきところで仕掛けられた。来年はS1として上を目指す立場。挑む立場になった自分としては、非常にいいGIの締めくくりになったと思う」。
さらに思いは止まらない。
「五輪から復帰して、これまで以上にファンの方々から期待されているのを実感した。それはパンツの色が変わっても(SSからS1になっても)変わらないと思っている。その期待になるべく早い段階で応えられるようにしたい。そして、北日本が強いというのを見せつけたい」。
S級S班維持が決まった佐藤慎太郎と守澤太志に、競輪祭で奮闘した新山響平。そして新田が年始から戦力に加わる北日本勢が、21年終盤に隆盛を極めた関東に立ちはだかるだろう。来年だけではない。
「来月の松山記念、伊東記念でしっかりと結果を残したい」。
視線は早くも来月、そして来年に向かっている。(netkeirin特派員)