2025/11/30(日) 18:00 0 14
今年の顔であり、2026年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2025」が30日、平塚競輪で開催される。netkeirinでは9日間にわたり、出場選手たちの特徴やグランプリまでの道のりを日替わりでお届けしていく。今回は24年のグランプリ覇者・古性優作を紹介する。(構成:netkeirin編集部)
BMXで高校3連覇など圧倒的な成績を残してから競輪学校に入学するという異色のルートを歩んでいる古性。
そこで培った経験を活かしながら2度のグランプリ制覇、GI優勝8回など一つずつ取り上げたらキリがないほどの実績を積み上げてきた。
今年も前半戦で「ウィナーズカップ(GII)」優勝、「高松宮記念杯競輪(GI)」準Vの結果を残すなど、例年通り抜群の安定感を発揮していた古性だったが、後半戦はいつもの絶対王者の姿ではなかった。
「サマーナイトフェスティバル(GII)」では幾度となく好連係を決めてきた寺崎浩平とのコンビで初日1着、2日目2着という結果で勝ち上がるも、準決勝で落車事故に巻き込まれ右肩鎖関節脱臼の大怪我を負ってしまった。
そんな中迎えたのは「オールスター競輪(GI)」。前検日のインタビューで「練習できたのは1週間ぐらい。ファン投票1位じゃなければ走っていない」と話したように、明らかに完調とは程遠い状態での出場となる。
勝ち上がり戦ではドリーム、二次予選、準々決勝と1度も掲示板に載ることができないという驚きの結果に。特に準々決勝で取鳥雄吾(1着)の先行の番手を奪取したにもかかわらず、4着に沈む姿は普段の古性では考えられない衝撃的なシーンだった。
ドリームからのスタートという恩恵もあり何とか準決勝へと辿りついたが、ファンの目から見ても状態の悪さは明らか。しかし準決勝では深谷より前のポジションを確保した寺崎が深谷を先捲りで合わせて、古性もそれを追走して見事に近畿勢がワンツーを決めた。輪界屈指のダッシュを誇る寺崎に必死に食らいつくその姿はまさに王者の意地と言えるものだった。
ガタガタの体でも何とか辿り着いた決勝戦。脇本雄太ー寺崎浩平の後ろ3番手というゴールデンシートを回ることになり、普段であれば7ー1(寺﨑ー古性)はもちろん、差し目の1ー7(古性ー寺崎)まで人気になりそうなものだ。しかし、決勝戦前に残した「肩の痛みはずっとあって人形みたいにグラグラしていて力が入らない」という古性のコメントもあってか、7ー4ー1(寺崎ー南ー古性)という古性が4番手の南に差される目が3連単2番人気に推されるという異様なオッズとなった。
そんな不安の中迎えた一戦。赤板1センターで一瞬、太田海也に3番手の位置へ割り込まれそうになるが、外から周りこんでこの位置を取り返す。そして脇本の先行体制のまま最終バックへ突入し、ここで寺崎が番手発進。そこで古性も口が開くことなくピタリと追走し、最後の直線でもそのポジションを守り切って2着でゴールイン。
優勝とはならなかったが、このコンディションで準Vという結果はまさに奇跡。古性が前検日に口にしていた、ファン投票1位としての責務は十分すぎるほどに全うしたと言っていいだろう。S班として、輪界の代表選手としてのプライドだけで6日間戦い抜いた古性に最大級の賛辞を贈りたい。
そして、いよいよ目前に迫ってきたグランプリはこのオールスターの時よりもうんと状態を戻してきた中で迎えられるはず。完全体となったチャンピオンが最高のパフォーマンスで連覇のゴールを駆け抜ける姿が楽しみだ。
古性の強みと言えば、皆さんご存じの通り、すべての能力をバランスよく備えるオールラウンダーっぷりだろう。
その魅力が詰まっているのが3月の「ウィナーズカップ(GII)」決勝。前を託した寺崎浩平が打鐘で新山響平を叩きに行く展開となるが、この仕掛けがなかなか進まず新山と響平が並走する形に。
そのもがき合いは最終バックまで長引き、前の2人が消耗するタイミングを見計らって眞杉匠が単騎捲りを仕掛ける。一人だけ完全に違うスピードだったため、楽々捲り切ってしまうだろうと多くのファンは思っていただろうが、ここで古性が厳しいブロックで眞杉を止める。
長い外並走、そしてこの牽制で脚を使ったことで常識的に考えればどんなに強い選手でも、もう脚は一杯なはず。しかし最後の直線で外からグイっと脚を伸ばし、再度迫ってくる眞杉を振り切ってVゴールを決めてしまった。
こんなレースをされてしまっては別線はどうしようもない。今年のグランプリでも格の違いを見せつけるレースで連覇を果たすシーンに期待したい。
