2021/02/13(土) 20:15 0 4
追い込み選手の嗅覚というのは鋭く、どこのラインを選べばいいのか、どういった作戦が的確かなど、経験と勘が作用し好判断を生むことが多い。
村上博幸と武藤龍生の2人はまさにそれ。準決10Rの村上博幸は稲毛健太-山田久徳の3番手。外を叩くと思われた稲毛が奇襲のイン突き先行に出ると、番手の山田久徳は「意外だった」と慌てて稲毛を追った。
だが村上は「あの展開はあると思っていたし、冷静に前の2人を追いかけられた。追い込み選手の反射神経ですかね。久徳はまだ自力だから」としれっとしたものだった。
武藤の場合はもっと顕著だった。準決12Rは最終1センターで3名の大量落車が発生。武藤は目の前の和田健太郎も落車をしたが、とっさに避けて内へと入った。その理由がすごい。
「最終ホームで前の踏み合いを見ていて『危ないな』と思っていました。嫌な予感があった瞬間に落車があった。自分は構えていたから避けられましたね」とこちらも、さぞ当たり前と言った感じで振り返った。
いぶし銀プレーヤーたちのこうした隠れたテクニックも、競輪の魅力のひとつだ。