2025/04/23(水) 20:30 0 2
「第3回オールガールズクラシック(GI)」が25日、岐阜競輪場で開幕します。今回はケイリン女子部・二宮歩美部長による注目選手紹介&シリーズ展望をお届けします。
ガールズケイリンは2012年に誕生し、今年で13年目を迎えている。現在の女子選手数は200人を超え、賞金も年々上がっていることから、ついに平均年間獲得賞金も1,000万円を突破する見込み。そして今年からいよいよガールズGI(=GGI)も年に4回(4月・オールガールズクラシック/6月・パールカップ/8月・女子オールスター/11月・女子王座戦)になり、年末に開催される最高峰のレース「ガールズグランプリ(=GGP)に出場できる選手7名の枠をかけた熾烈な戦いが幕を開ける。
何が凄いって、いつの間にか私も競輪界での歴が長くなり、ガールズ1期生のデビューした当時を今でも覚えている。一連の流れを見てきた一人になっているということに我ながらびっくり。デビュー当時は33名から始まり、まだまだガールズケイリンを開催するために十分な設備や環境が整っていないところからスタートし、女子選手は月に2開催しかレースを走れず、平均年間獲得賞金も300万円に届かなかった。
今と比べると、いかに初代メンバーや関係者の方々が現在に至るまでに、色々な声や意見に耳を傾け、時に地道な努力や営業活動をして、道なき道を作りあげてきたか。今となっては当たり前にあるもの、存在しているもの…。例えば親とか、食材とか、住居とか、スマホとか言い出したら止まらないくらいあるけれど、それもすべて、本当は当たり前ではなく、先祖の誰かが必ず、命や人生をかけて生き抜いてきたり、食してみたり、作り上げてきたり、発明してきたからこそ私たちは今、非常に豊かで快適で便利な人生を送ることができている。だけど、ついついその先祖への感謝やありがたみを忘れてしまいがち。
それどころか、ついつい文句や不平不満まで口にしていたとしたら、まずは先祖やパイオニアに向けて感謝の気持ちを持ち合わせることが大事だと思う。それとともに“夢は不満足から生まれる”という言葉もあるので、その思いを次世代にまで引き継がせないように自分の代でいかによりよく変えていけるか、環境を整える活力に変えて貰えたら、更に未来も明るくなりそう!
ちょっと熱が入りすぎて話が脱線しちゃいましたが、、、(笑)。
グランプリ出場は1年を通して賞金を積み重ねるしかなく、競輪祭閉幕の11月終わり頃までトップで熾烈な戦いを繰り広げるメンバーは、気が休まる時間がなく、一体いくら積み重ねれば安心できるのかわからない。最後の最後は1円単位までは言い過ぎかもしれませんが、それくらいの差でGGPに出場できるかどうかが決まるという、“神経がピリつく時間”を通年過ごさなければならなかった。
それがGGIが出来たことによって、女子選手の年間でのメニュー組みや気持ちの持っていき方、メンタル面もだいぶ変わってきたみたいだし、トップで賞金争いを繰り広げる選手だけでなく、「GIを一発獲ってしまえば」というチャンスも生まれ、これによって「まずはGIに出場すること」を目標にできる選手などもでてきた。
人って不思議なことに、目標ができると急に生き生きしたり、強くなったり、希望や夢、光が見えてきて楽しく充実してきちゃうんだから面白いし、GIができたことによってガールズケイリンの士気やモチベーションもまた一気に上がったように感じる。
今回のオールガールズクラシックはガールズケイリンにとってのGI幕開け。第1回目の松戸はナショナルチームに所属して出走回数が少ない佐藤水菜選手が早々にGGPの権利を手にし、第2回目は絶対的存在だった児玉碧衣選手が不調に見舞われて不安を感じながらも制したが、両開催ともに奥深いㇶューマンストーリーがあった。第3回目の覇者にはどんなストーリーが誕生するのか、紐解いていきたい。
◆熊谷芽緯選手(岩手・124期)
『もう我慢できない〜、いっちゃえ〜の先行で力をつけてきた期待の新人!』
2024年ガールズケイリン優秀新人賞受賞がまだ記憶に新しい。元々、中学生までソフトボールをやっていたが、高校から自転車競技を始め、中野慎詞選手と同じ名門である筑波総合高校出身だとか!? 去年の女子王座戦で初のGI出場! 3日間バックをとり、大きな舞台で飲み込まれることなくとにかく果敢に攻めていった姿勢には評価できるものがあった。
今年でデビュー丸2年を迎え2度目のGI出場でさらなる爪痕を残しにかかってきそう。先日、行われたガールズフレッシュクイーンではナショナルチームの仲澤春香ら強敵を相手に制しているだけに勢いも十分。
積極先行タイプだけに33バンクだと、「もう我慢できない〜、いっちゃえ〜」で風を切っていくスタイルが熊谷選手っぽくて好きだけれど、今回の岐阜バンクは400mで直線もやや長めの59.3mあるだけに多少の我慢が必要になってきそうではあるが、そこを耐えることが出来るのか!?
◆太田りゆ選手(埼玉・112期)
『ガールズのアイコン的存在!おしゃれ番長が目指す本気のGGP!』
デビュー直前の養成所時代2016年からナショナルチームに合流し、2024年のパリ五輪に出場するまで約8年間も競輪との両立生活を続けていた忍耐力には脱帽! ぶっちゃけ、デビュー当時はそんなに目をひくような選手ではなかった印象だったが、世界に向けて鍛え上げられてきた力が太田選手の底力を目覚めさせたイメージ。
元々、誰もが憧れるハーフのようなビジュアルでメイクもファッションもおしゃれにも関わらず、ちゃらちゃらせず、アスリートらしい競輪に対して真剣に臨む姿勢と眼差しに、ついついこちらがカメラを向けてしまう。ついに競輪1本に軸を置くようになった今年、いかに全力で向き合い、本気でGGPを獲りにいけるか、GGIのレースや賞金ランキングで確かめていきたい。
◆坂口楓華選手(愛知・112期)
『コンプレックスをバネに!ついにGGP常連レベルにまで飛躍!』
小学3年生の時から自転車競技を始め実績もあり、デビュー当時からそこそこ強かったからこそ、色々と心ない声(と同時にもちろんいい声も!)も耳に入ってきていて、傷ついていたことをSNSにアップしていた時期があったことを私の中では印象深く残っている。普通の人なら卑屈になったり、嫌気がさしたりしているところだが、その声までもバネに変えて、「絶対に見返してやる!」って気持ちで普段、競輪に向き合ってきたんだろうなと感じさせ、応援したくなる選手の一人。
いきなりではなく、“確実に、着実に”力をつけてきていたからこそ、大崩れすることもなく安定して今の位置にいる。GGIが設立されてからパーフェクト(オールガールズクラシック3回連続/パールカップ2回連続/女子王座2回連続)の7回出場! GGPにも2021、23、24と出場し、3年連続を目指す地元地区のエース!
他にも45歳で最年長優勝記録を3月豊橋で更新した高橋梨香選手や今年負けなしの21連勝中の梅川風子選手、現在賞金ランキング1位で今年7Vの久米詩選手など、まだまだ紹介したい選手が止まらない! 初日〜最終日まで毎日、現地からレポート記事を掲載するので小出しにしていきますね!
なんと今回、ケイリン女子部が目指していたGGIの【初心者コーナー】を岐阜競輪場で3日間毎日開催! 初のガールズケイリンの競輪ビギナーテストを準備して皆様をお待ちしております。回答数に応じて素敵な賞品をプレゼント! ぜひ、解いてみて、感想もメンバー(西川ゆりの・市口実紗紀・内田チョビ)に伝えて頂けたらと!