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【地区別賞金状況】猛威を振るう近畿勢、“打倒近畿”の筆頭となる地区は?/ウィナーズカップ直前企画

アプリ限定 2025/03/17(月) 18:00 0 10

2月に行われた今年最初のGI・全日本選抜では近畿勢がなんと6名も決勝に進出する事態となり、優勝も近畿の脇本雄太が手にした。どんな強い選手でも一人では簡単に勝てない競技である競輪において、地区の平均的なレベルというのは非常に大きなファクターだろう。今回はKEIRIN.jpで発表されている上位50名の獲得賞金を地区別に集計し、各地区の賞金状況から勢力図を考察する。(※賞金は3月10日時点)

KEIRINグランプリ2024を制した古性優作(1番車)と3着の脇本雄太(9番車)(撮影:北山宏一)

近畿勢が猛威を振るった24年

 まずは2024年の賞金ランキング上位50名の獲得賞金額を地区別に集計してみると、下記のような結果になった。

地区賞金額割合
北日本3億5784万3722円10.08%
関東6億4228万9196円18.09%
南関東6億9527万8970円19.58%
中部1億1874万6674円3.34%
近畿8億9114万7418円25.09%
中国3億5337万9418円9.95%
四国1億2866万8370円3.62%
九州3億6411万7770円10.25%

 グランプリチャンピオンの古性優作、競輪祭優勝の脇本雄太を筆頭に、近畿地区の獲得賞金が全体の約4分の1を占めるという圧倒的な結果だ。

 そして次点は郡司浩平岩本俊介北井佑季とグランプリ出場者を3名輩出した南関東。さらに僅差で平原康多眞杉匠擁する関東が続いた。

各地区の勢力図、今後の注目選手は?

 さて、ここからは今年の勢力図をグラフで見てみよう。昨年からどのような変化が起こっているのだろうか。続いて、昨年との比較を地区別に取り上げていく。

1位 近畿 1億5348万2774円 26.58%(昨年25.09%)

 今年も先頭を走るのは近畿勢だ。全日本選抜では6名が決勝進出し、脇本雄太寺崎浩平がワンツーを決めて2位に4000万以上差をつけ独走態勢に入りつつある。その強力福井コンビに加えて絶対王者・古性優作窓場千加頼などの強力選手が揃う層の厚さで他を圧倒。今年も競輪界は近畿を中心に回る。

近畿の中心選手、脇本雄太(写真左)と古性優作(撮影:北山宏一)

2位 南関東 1億772万3370円 18.65%(昨年19.58%)

 南関東は今年も打倒近畿の筆頭になりそうだ。全日本選抜こそ振るわなかったものの、GIII開催は10開催中5回優勝と良いスタートダッシュを切れていると言えるだろう。郡司浩平岩本俊介のS班コンビを中心に、深谷知広松井宏佑の躍進がカギとなりそうだ。

南関東の中心選手、郡司浩平岩本俊介(撮影:北山宏一)

3位 関東 7982万848円 13.82%(昨年18.09%)

 関東は少し心配な結果。全体3位とはいえ、割合で見ると昨年から5%近く数字を落としている。そしてウィナーズカップも平原が負傷欠場、森田優弥吉田拓矢らの有力選手が選考漏れと暗雲漂う。ただ悪いニュースばかりではなく、佐々木悠葵大宮記念優勝や全日本選抜で眞杉、吉田拓矢の2人が優出など明るい兆しもある。坂井洋小林泰正あたりもそろそろ上位戦線に加わっていきたいところだ。

関東の中心選手、平原康多(写真左)と眞杉匠(撮影:北山宏一)

4位 九州 6499万9100円 11.25%(10.25%)

 全日本選抜は19人出場と2番目に多い出場者を輩出した九州勢だが、数字の伸びはいまひとつ。原因としては“絶対的選手の不在”という部分が大きいだろう。昨年の稼ぎ頭である伊藤颯馬は全体の賞金ランキングでは30位、グランプリ出場も19年の中川誠一郎が最後だ。世界選手権で金メダルを獲した山崎賢人をはじめ、伊藤颯馬嘉永泰斗など高いポテンシャルを秘める選手は多いが、そのポテンシャルを活かしてトップクラスの結果を残せる選手がどれだけ出てくるかが勢力拡大への大きなポイントになってくるだろう。

九州の中心選手、山崎賢人(写真左)、伊藤颯馬(写真中央)、嘉永泰斗(撮影:北山宏一)

5位 北日本 6036万1800円 10.45%(昨年10.08%)

 北日本は昨年から割合が微増。しかし佐藤慎太郎が骨盤骨折で離脱し、新山響平は年明けから2連続でGIII優出を逃しやや不調気味、今年の稼ぎ頭である菅田壱道玉野記念で落車など北日本にとって痛い出来事が続くが、中野慎詞小原佑太の若手ナショナルコンビがどこまでカバーできるかに注目だ。

北日本の中心選手、佐藤慎太郎(写真左)と新山響平(撮影:北山宏一)

6位 中国 4145万3000円 7.18%(昨年9.95%)

 中国勢は昨年から2%以上ダウンとなっているが、1月はあっせんが止まっていた松浦悠士、肺血栓の影響を受け欠場が続いた清水裕友と核である2人が抜けても2%ダウンというのはむしろそこまで悪い数字ではないと考えていいだろう。飛び抜けて稼いでいる選手はいないが、河端朋之取鳥雄吾柏野智典などといったメンバーが地道にコツコツ稼いだおかげで大幅ダウンを回避。松浦、清水の2人が万全の状態に戻ればグンと数字を伸ばす可能性は大いにある。

中国の中心選手、松浦悠士清水裕友(撮影:北山宏一)

7位 中部 4118万2274円 7.13%(昨年3.34%)

 中部は昨年から約4%アップと一見良い数字に見えるが、内訳を見ると浅井康太山口拳矢の2人で6割以上占めており、さらにその2人に続くのもベテランの皿屋豊笠松信幸と高齢化が気がかり。今後この数字を維持できるかは昨年ヤンググランプリ優勝の纐纈洸翔藤井侑吾村田祐樹などといった若手の活躍に懸かっている。

中部の中心選手、浅井康太(写真左)と山口拳矢(撮影:北山宏一)

8位 四国 2849万5400円 4.93%(3.62%)

 去年から微増しているが割合としては最下位となった四国勢。現状上位戦線で戦える自力選手が犬伏湧也松本貴治の2名のみと選手層の薄さが課題となっている。佐々木豪小川真太郎、そしてウィナーズカップで初日特選に抜擢された石原颯などの活躍で犬伏、松本をサポートしたいところだ。

四国の中心選手、犬伏湧也(写真左)と松本貴治(撮影:北山宏一)

ウィナーズカップで勢力を伸ばす地区は!?

 上記ではここまでの地区別の勢力について取り上げてきたが、まだ2月、現在成績が振るわない地区もここからの巻き返しは十分可能である。最後に17日より開催されるウィナーズカップの各地区の出場者数、そして各地区の出場選手の中で今年賞金上位の選手をピックアップする。

地区出場選手代表選手(賞金順位)
北日本20菅田壱道(16位)
関東21佐々木悠葵(18位)
南関東12深谷知広(2位)
中部8浅井康太(8位)
近畿13脇本雄太(1位)
中国8河端朋之(26位)
四国10犬伏湧也(9位)
九州16山田英明(10位)

 出場数が最も多いのは関東勢。意外にも賞金TOP2の近畿、南関東はそこまで多くない結果に。強力選手揃う近畿、南関東に他地区は数で対抗できるのか、勝ち上がりから注目したい。

 優勝賞金は2700万円と高額なウィナーズカップ、ここで各地区の勢力図が変わる可能性は大いにある。地区のプライドを背負う選手たちの熱い戦いは見逃せない。


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