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「漢字の“競輪”が全ての基本」神山雄一郎新所長が語る“指導者としての展望”/日本競輪選手養成所・新所長就任会見

2025/03/04(火) 18:00 0 8

4日、日本競輪選手養成所にて、2025年4月1日付で日本競輪選手養成所(以下、JIK)の所長に就任する神山雄一郎氏及び、同日付でアドバイザーに就任する瀧澤正光氏の就任会見が行われた。

現所長 瀧澤正光氏のコメント

 会見は現所長の瀧澤正光氏のあいさつからスタートし、3月末での退任及び4月からのアドバイザーへの就任の旨を改めて報告された。

「このたび私、瀧澤正光は、2010年より15年間務めさせていただきました日本競輪選手養成所の所長を本年3月に退任する運びとなりました。在任中は、ファン・関係者の皆様、数多くの方々のおかげさまをもちまして、競輪選手を育てていくという大切な仕事に、心血を注いで邁進することができました。今後は養成所のアドバイザーとして後進の育成に携わる縁をいただきました。4月より就任される神山所長がつくりあげていく新しい養成所の力になれるよう、これからも精進してまいります」

瀧澤正光氏

 瀧澤氏は『在任中に最も印象に残っていること』について問われると「自分が関わった候補生がデビュー後に活躍してくれること」と回答。中でも特に印象に残っている生徒については「瀧澤教場(T教場)を作って初めて特別競輪を獲った三谷竜生選手」を挙げ、我が事のように嬉しく感じたと振り返った。

新所長 神山雄一郎氏のコメント

 続いて、2025年4月よりJIKの新所長に就任する神山雄一郎氏のあいさつ。

「4月から新しく日本競輪選手養成所の所長に就任いたします神山雄一郎です。候補生を指導していくにあたり、私が競輪選手の経験しかないことが気がかりで、瀧澤所長に相談したところ、その培った経験に勝るものはないと激励していただき、とても勇気づけられました。今後は瀧澤所長の後を継いで、精一杯頑張っていきたいと思いますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」

神山雄一郎

 冒頭で、自身の引退会見(1月)について触れ「あれだけの紙面をさいていただき、お礼のしようがありません。しっかりと全紙保存しております」とお礼と共に笑いを誘い、会場は和やかなムードに包まれた。

漢字の“競輪”が全ての基本

 『どういった選手を育てていきたいか』という記者からの質問には「漢字の“競輪”が全ての基本だと思っている。漢字の“競輪”で、競輪界を引っ張っていけるような選手を育てていきたい」と回答。具体的には、しっかり車券に貢献することやゴールまで諦めないこと、重要な場面で落車しないことを挙げ、「ファンの方がゴールまで車券をずっと握ってられるような選手を育てていけたら」と今後の養成方針を語った。

「ファンの方がゴールまで車券をずっと握ってられるような選手を育てていけたら」

 指導者としての経験がない神山氏が『新所長になるにあたり準備してきたこと』を問われると「準備は全くしておりません」と意外な回答。「自分の経験をもとに、戦っていこうと思っています。就任後にさまざまな知識を吸収して、今までのキャリアと融合しながら噛み砕いていきたい」と意気込んだ。

「戦う者同士でありながら心で繋がる」

 1月に行われた引退会見で、共闘してきた仲間を想い涙を見せた神山氏。『人間性における指導について』どう思われるかと問われると、「戦う者同士でありながら心のどこかで繋がり続けるという、競輪の奥深い素晴らしさを伝えていきたい」とし、引退会見の涙は、そういった感情が込み上げてきてのものだったことを明かした。

 また、『神山教場(K教場)を作る予定』については未定としながらも、「瀧澤所長からもやった方がいいんじゃないかという話はいただいている。考えています」とK教場誕生の可能性にも言及した。

 選手としての基盤を築いた“伊豆”の地に、指導者として戻ってきた神山氏。長年競輪界を牽引してきたレジェンドが、今後は競輪選手の育成に携わっていく。2025年デビューの127・128期生は最後の瀧澤チルドレンとなり、2026年デビューの129期・130期生は神山チルドレン第1期となる。神山氏の新たな挑戦が始まる。

会見に登場した瀧澤正光氏(左)と神山雄一郎氏(提供:公財JKA)

神山雄一郎氏 プロフィール】
・生年月日  1968年4月7日(56歳)
・デビュー日 1988年5月8日(61期)
・引退日   2024年12月24日
・通算:2931戦909勝
・GI優勝:16回
・GIII優勝:99回
・獲得賞金:29億3830万1609円


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