2024/12/25(水) 20:15 0 3
KEIRINグランプリシリーズが28日、静岡競輪場で開幕する。今回はシリーズ初日に行われる「ヤンググランプリ2024」について、ケイリン女子部・二宮歩美部長の展望をお届けする。
競輪界最高峰のレース『KEIRINグランプリ』の時期がやって参りました! 今年は私も少しずつ年の瀬を感じていこうと、まずは有馬記念から見始めましたが、スローペースから最後はレガレイラとシャフリヤールの激しい追い比べでゴールでは横並び一戦で写真判定にまで! 結果は64年振りに“3歳牝馬の有馬記念制覇”となり、その後、行われたボートグランプリでは7度目のグランプリファイナルで毒島誠選手が悲願の逃げ切り優勝! 個人的には茅原悠紀選手と関浩哉選手の長きに渡る3着攻防戦が本当に熱くて最後まで目が離せませんでした!
ちょうど私は年内最後の前橋ミッドナイト開催期間中だったので、ホテルからテレビ観戦になりましたが現地の歓声や熱量がメディア越しからも伝わってきて、本場の臨場感を味わいたくなりました。そんな熱い思いが込み上げてきたところで迎えるKEIRINグランプリ2024in静岡の現場には私も潜入取材で前検日と初日にお邪魔することに。
グランプリシリーズは何度も現地に仕事や観戦をしに行ったことはありますが、何気に取材に行くのは初めてで、今までのGIの現場とはまた違った緊張感や空気があるのか? その辺りも今から楽しみにしているところです。さて今回は取材スケジュール的に初日に開催されるヤンググランプリを中心に展望をお送りしていきます。
デビュー3期以内のトップ9人の中からNo.1を決める若手の登竜門として知られています。今年はなんと9名全員が121期の同期対決! それなら「卒業記念レースやルーキーシリーズと一緒やん!」と思うところもありますが、太田海也選手と中野慎詞選手の2人はその中でも早期卒業生で実際にはデビューしてから全員同期でのレースを走ったことってないんですよね。
ましてや2人はナショナルチームに所属し、今年はパリ五輪にも出場していたので、なかなか開催で会う機会は今までほとんどなかったみたいです。現状、それぞれ同期同士でどこまで成長したのか? どれくらい力の差があるのか? 絶対的人気に押される2年連続ヤンググランプリ出場の2人相手にライバルたちの策はあるのか? 風穴を開けられる選手が他にいるのか? その辺りに焦点が集まりそうですね。
車番こそ出揃いましたが、並びが出るのは前検日なので、そこまでは具体的な予想展開が立てられませんが、色々と情報収集をした中で1番モチベーション高く、ナショナルチーム相手に地域でラインを組んで抵抗してきそうなのは後藤大輝選手かな? と読んでいたり。「ナショナルチーム2人が抜けているからヤンググランプリは面白くないとは思われたくない。お客様に太田選手や中野選手を“倒せそうなイメージ”を持って貰いたい。」とコメントしていたのが印象的でした。
今年はオールスターで古性選手にフォームを褒めて貰ったことをきっかけに寛仁親王牌前には出稽古に行き、大阪勢や寺崎選手、菊池選手と練習をする機会も出来て、非常に近況充実していてモチベーションも上がっていそう。そうなるとまずは妥当ナショナルチームを掲げ、同じ九州勢で東矢選手と並ぶかな? と。
もちろん前を回るのは先行でラインに貢献するレーススタイルを崩さない後藤選手が前。車番的に後ろ攻めからになりそうだが、ヤンググランプリだと誰もが優勝を狙いたいからこそ、なかなか早めの先行体制には入りにいきたくないのを逆手にとり、動いていき、単騎の山口選手や中部勢も味方に出来れば少しは抵抗していけるかと。
車番は中野選手が1番車で北勢の前受けからもありそうですが、結局は400バンクで直線もそこそこあり、温存しながら太田選手と両者、意識しながら仕掛け出すと思うので、早めからならナショナルチームを一度後方に置けるチャンスも出てきそう。
最後はもちろん、ナショナルチームの力勝負にはなりそうですけど、意外と2人の組み合わせだけでなく、地域で並んだ場合はどちらかナショナルチームが脚を削られてそれぞれの番手にいそうな大川選手か真鍋選手の絡みも面白そう。あるいは意外と横も出来る纐纈選手辺りの中部勢が中団にいて、ナショナルチームに煽りや波を起こせれば、それこそ前の後藤選手ラインや中団から中部勢+ナショナルどちらかの絡みや挟み車券なども狙えそう。
とにかく、今すぐに優勝や結果に結びつくかよりも今、いいコンディションで将来に向けてしっかりと脚を確実につけてきている後藤選手の動きに期待していきたいのとともにM-1で2連覇を達成した令和ロマンにかけて、太田選手の連覇があるのかも注目したい。