2021/02/03(水) 12:00 0 5
2021年のグレードレースは1月に5開催あったが、優勝したのはS級S班の松浦悠士と平原康多、そして地元代表の松本貴治・吉田敏洋であった。レベルの高い争いが繰り広げられている中、今シリーズも平原と松浦が中心となるだろう。
今年に入っての平原はさらにグレードアップしている。やはり、KEIRINグランプリ2020での脇本雄太との連係が良い方向に働いているのだろう。脚に刺激が入っただけでなく、精神面でも何かを掴んだ様子だ。我々凡人には知り得ない、“アスリートの世界”の繊細な感覚なのだろう。平原の求道者のようなあり方はまさに「競輪界のイチロー」。今年はタイトルを量産しそうだ。関東の1班の自力選手は長島大介だけであり、2班の真杉匠、佐々木悠葵が勝ち上がってくれば二次予選、準決で連係する。目標がいてヘタに気を遣うより、今の脚があれば、自分でやったほうが堅いと言える。
松浦は豊橋記念を急遽追加斡旋で走り、今回は中2日。本来なら過酷な日程に音を上げるところだが、本人はこのローテンションを苦にしていない。むしろ、練習より練習になると喜んでいるぐらいだ。豊橋記念の決勝は吉田敏洋に屈したが、準優勝と立派だった。彼には、中4日で投手が投げるメジャーリーグ方式が合っているのかもしれない。
地元・香川雄介の馬になる大切な役目もあるが、今シリーズの話題は町田太我との連係だ。練習でも町田の面倒を見ており、この日を楽しみにしていた。香川も地元戦は絶対的な自信を持っており、松浦の2着が本人の正直な気持ちであろう。
もう一人のS級S班は守澤太志。佐藤慎太郎と違い、後輩に対して何にも言わないタイプ。番組にも文句を言ったのを聞いた事がなく、与えられた番組と展開の中で頑張る選手だ。基本は大宮FIで優勝した高橋晋也との連係になる。高橋はナショナルチームを卒業して競輪1本になった。走りも競技系でなかったが、これは良いことだと思う。
南関は根田空史と松谷秀幸のタッグだ。根田は優しい性格で位置取りをやらない先行選手だが、その分長い距離を踏める。松谷は自力と人の後ろが半々になっている。
中部はメンバーが手薄だが、近畿は東口善朋が存在感を高めている。ヨコが甘くてタテに踏むのが早く、そこが欠点だったが是正(ぜせい)されてきた。近畿でのマーク屋としての序列も上がっている。
中国勢は、もちろん松浦と町田が中心となるが、岩津裕介の存在も大きい。作戦参謀としての風格がある。
四国勢は太田竜馬がミニスランプ状態だが、いつ爆発してもおかしくない。地元の1班は池田憲昭が欠場となり、香川雄介が一人で責任を追う形になった。一次予選は町田、原誠宏の番組になる確率が高く、そこで原は地元の意地を見せたい。
九州は北津留翼が孤軍奮闘のレース。松山記念はわずらいマーカー(大塚健一郎や加倉正義)がいて、持ち味を発揮出来なかったが、今回は普段通り好きに走れそうだ。