アプリ限定 2024/11/17(日) 18:00 0 6
小倉GI「競輪祭」を経て、グランプリ出場選手9名が確定する。開幕が迫る中、タイトル争いの行方や賞金ランキングの順位変動などを占うファンも多く、今年最後のGIを前に盛り上がりも高まる一方だ。ここまでnetkeirin編集部は「選考基準」や「一次予選のポイント考察」など、さまざまな記事で競輪祭を特集してきたが、開幕直前に今一度、「賞金」にまつわるエトセトラを紹介したい。(構成:netkeirin編集部)
まず、四日市記念終了時点(10日終了時点)のランキングトップ9を確認する。
順位 | 選手名 | 獲得賞金額 |
---|---|---|
1 | 古性優作 | 241,384,596円★ |
2 | 平原康多 | 127,011,000円★ |
3 | 郡司浩平 | 113,642,448円★ |
4 | 北井佑季 | 107,444,000円★ |
5 | 清水裕友 | 98,287,696円 |
6 | 眞杉匠 | 98,282,674円 |
7 | 新山響平 | 87,354,274円 |
8 | 脇本雄太 | 85,097,948円 |
9 | 岩本俊介 | 76,839,274円 |
競輪祭直前の大きな動きとしては四日市記念を優勝した新山響平が脇本雄太を抜き7位に浮上した点が大きなポイントだろうか。
競輪祭は『優勝賞金4700万円、準優勝賞金2372万、3着賞金1550万円』となっている。GIタイトル獲得によってグランプリ出場が確定している上位4選手以外の5位〜9位選手の獲得賞金を比較すると9828万円(5位・清水裕友)〜7683万円(9位・岩本俊介)で約2145万円の差となっている。
この差額は準優勝賞金よりも低いため、「決勝に進出できるかできないか」、あるいは「決勝で確定板に載れるかどうか」で、まだまだトップ9にも順位変動がありそうな状況だ。なお、決勝まですべて1着を獲得して勝ち上がった場合は準決勝終了時点で「301万円」の賞金を積むことができる。シリーズ中に賞金ランキングの詳細を追いかける方は僅差の戦いになった場合にぜひ参考にして欲しい。
10月中旬、共同通信社杯競輪終了後の賞金ランキングに過去3年分のデータ(※)に基づく「ボーダーライン考察記事」を公開した。その記事では大まかに9,000万円〜9,500万円を予測として出していた。(※…過去3年分の上位選手の共信杯〜競輪祭の賞金上昇値に賞金設定のアップ幅を加味した独自データ)
今回はこの『9,000万円』という金額を参考ラインとして仮引きし、この競輪祭で“優勝しなくとも”その金額に到達可能な選手を下記表で紹介する。
選手名 | 獲得賞金額 | 9000万円まで残り |
---|---|---|
新山響平 | 8735万円 | 265万円 |
脇本雄太 | 8509万円 | 491万円 |
岩本俊介 | 7683万円 | 1317万円 |
深谷知広 | 7181万円 | 1819万円 |
吉田拓矢 | 6893万円 | 2107万円 |
窓場千加頼 | 6871万円 | 2129万円 |
佐藤慎太郎 | 6505万円 | 2495万円 |
現在の「トップ8以外の選手が優勝する場合」と「トップ8以内の選手が優勝する場合」でボーダーラインとなる9位選手の賞金額は大きく異なる可能性が高い(そこまで変わらない場合もある)。そのため、仮とはいえ9000万円にラインを引くのは無意味かもしれないが、賞金でのボーダーライン争いに有力な選手を絞り込んだうえ、その選手たちの位置関係を知る上で見てもらいたい情報である。
ただし、ご覧のとおり、7位の新山響平に関してはボーダーライン直下10位の深谷知広と1554万円の差がある状況であり、言わずもがな優勝候補の一角を担うS級S班である。決して0ではないにせよ、ほぼ安全圏に身を置いていると考えるのが自然だろう。また現在のところボーダーラインに位置している9位岩本俊介だが、昨年の競輪祭ファイナリストの深谷知広、21年覇者の吉田拓矢が直下におり、“余裕の圏内”ではない。岩本ファンのみなさんは予選から心臓バクバクで声援を送ることだろう。
競輪祭を前にボーダーライン付近に位置する選手たちの賞金状況をおさらいしたが、本題はここから。今年の後半戦、上位選手たちの賞金積み増し率が非常にバラついていることがデータで出ている。
各選手の出走本数もレースグレードも違うため「獲得賞金=選手の調子」と考えるわけにも行かないが、共同通信社競輪終了後〜四日市記念の期間においての獲得賞金ベスト10を紹介する。もちろん寛仁親王牌で活躍した選手が中心にはなるが、間違いなく言えることは“勢い”のある選手たちばかりだということ。こういった選手が流れのままに競輪祭を制するイメージも浮かぶのではないだろうか?
順位 | 選手名 | 期間中獲得賞金 | 主な戦績 |
---|---|---|---|
1 | 古性優作 | 4604万円 | 寛仁親王牌優勝 京王閣記念決勝3着 |
2 | 小原太樹 | 2564万円 | 岐阜記念決勝5着 寛仁親王牌決勝2着 |
3 | 新山響平 | 1949万円 | 青森記念決勝4着 寛仁親王牌決勝8着 京王閣記念決勝2着 四日市記念優勝 |
4 | 河端朋之 | 1838万円 | 寛仁親王牌決勝3着 |
5 | 松浦悠士 | 1738万円 | 岐阜記念優勝 熊本記念決勝2着 |
6 | 深谷知広 | 1738万円 | 岐阜記念決勝2着 熊本記念優勝 |
7 | 佐々木悠葵 | 1339万円 | 寛仁親王牌決勝4着 |
8 | 渡部幸訓 | 1271万円 | 弥彦FI完全優勝 寛仁親王牌決勝6着 武雄FI決勝2着 |
9 | 寺崎浩平 | 1199万円 | 福井FI決勝2着 寛仁親王牌決勝9着 四日市記念決勝2着 |
10 | 犬伏湧也 | 1127万円 | 小松島FI優勝 京王閣記念優勝 |
前年グランプリを制した松浦悠士は寛仁親王牌で決勝こそ逃したが、2つの記念開催で優勝、準優勝という結果を残している。怪我による低調も復調傾向にあり、タイトルを獲ってのグランプリ出場を期待するファンは多いだろう。またこれに類する成績を残している深谷知広もこのまま終わるとは思えず、昨年ファイナリストの実力をいかんなく発揮してくるに違いない。昨年のグランプリ優勝、準優勝の両選手がこのまま易々とS班の座を明け渡すとも思えない。
そしてS班だけではない。昨年の競輪祭では5走して4度確定板をとらえているのが渡部幸訓。オールスターでも寛仁親王牌でも決勝に勝ち上がっており、目が離せない存在だ。昨年の競輪祭は他地区の3番手として準決勝を走ることになり、展開は厳しいものだった。今年は好調の流れそのままに突き抜ける可能性もある。
そのほか、京王閣記念決勝の直線で凄まじい豪脚を披露し優勝した犬伏湧也、寛仁親王牌で決勝進出し、直近の四日市記念でも(劣勢の中で)好走を見せた寺崎浩平、寛仁親王牌決勝4着の佐々木悠葵といった若手自力型選手が「ニュースター誕生」と各社の見出しを躍らせる光景も想像に易い。
さらに寛仁親王牌準Vで、22年競輪祭で決勝3着となっている小原太樹にも注目が集まることだろう。いよいよのタイトル獲得、グランプリに殴り込みということもあるだろう。
そして何といってもオールスター競輪、寛仁親王牌とGI連続優勝中で後半戦の存在感たるや群を抜いているのが「ダブルグランドスラム」を見据える古性優作。紛れもなく優勝候補の筆頭格であり、まだまだ賞金を伸ばしていく雰囲気に満ちている。
いよいよ大決戦の火ぶたが切って落とされる。ここまでのGI戦線で凌ぎを削り合った猛者たちに最終結論が下され、2024年のグランプリ出場者は競輪祭でスパッと決まる。来期、S級S班として赤パンを履く9名やいかに!
※netkeirinでは競輪祭一次予選のポイント速報をリアルタイムに更新します※