2024/08/17(土) 19:00 0 10
前を任せた佐々木悠葵のホームまくりに乗ると直線を抜けだし、通算500勝のメモリアルを達成した。「このでっかい舞台で。健康でやれているし、家族や仲間、ラインのおかげです」とデビューから22年目の快挙に破顔一笑だ。「昭和58年4月以降の競走における」通算500勝は7月17日に齋藤登志信が達成して以来、通算59人目(男子選手では55人目)の記録となった。
若いころは「4回転モンスター」の異名を取り、うなる怪力でGI、9Vを手にした競輪界の偉大なるレジェンドだ。ここ数年は大きなヒットこそないが、ここまで一戦一戦を大事に戦い、コツコツと白星を積み重ねてきた。
「ここ何年かはだいたい年間20勝ペースですね。若い頃は年間50勝ぐらいしていたこともあったし、ほぼ連対を外していなかった。あの頃の足はどこ行っちゃったんでしょうか(笑)」と冗談めかしたが、45歳を迎えた今でも自力番組を組まれれば嬉々としてラインの先頭で戦っており、まるで衰え知らずだ。
7月に息子の歩夢(125期)が地元のいわき平で本格デビューを果たしたが、先頭員早期追い抜きで失格し、出だしからつまづいてしまった。「お客さんに迷惑をかけたし、今は復帰を目指して練習していますよ。ただバイク誘導とかはするけど、一緒にモガいたりはしていないんです」と、失敗を糧として更なる成長を願っている。「大舞台を一緒に走りたい? 自分は(S級で)待っているだけなので、落ちないようにするだけですね」と父としてやれることは、いつまでもS級上位に君臨し息子の成長を待つだけだ。
山崎には戦わねばならない大きな動機があり、500勝はまだまだ通過点。父子鷹のここから始まる物語には様々なドラマが詰まっている。(netkeirin特派員)