初日特選を豪快捲りで制して準決勝6Rに臨んだ中村一将。山崎航との2分戦で前受けから突っ張ってペースを落とすと、山崎後位の室井竜二が切り替えて内から中村後位へ追い上げた。大雨が降る中、室井が番手を奪ったかに見えた最終HS手前で、室井と中村後位の後藤彰仁がもつれて共に落車。悠々とペースで駆けた中村が押し切って連勝で決勝進出を決めた。

「2分戦やしね。何も考えてなかったですよ。雨？ みんな嫌だろうから。調子良さそう？ そう見えるだけですね」

　記者陣からの質問にも飄々と答えて控え室へ姿を消した。来期はS級復帰が決まっている47歳は、これで降級後の9節で8度目の決勝進出。今年4度目のVへ王手をかけた。決勝メンバーが決定すると「いつも通りに自力で頑張るだけ」と静かに語った。衰えを感じさせない若々しい走りで決勝戦も23歳の塩崎隼秀と35歳の勝部貴博に経験値の違いを見せつける。(netkeirin特派員)