大崩れが少なく、安定した走りに定評がある板根。確かな追走テクニックに加え、戦況次第では外に車を持ち出す度胸もあり自在選手としてその地位をつくりあげている。だが、前回の川崎では昨年11月から続いていた決勝進出を10場所ぶりに逃してしまった。

「プチスランプ気味。前回は久しぶりに落ち込みました。簡単に言えばスタミナ切れ。連戦だったし練習不足のツケが出たんでしょう。何となく体力も落ちた気がするし」と最近は月3本をこなし、脚の貯金がなくなったか、かみ合わぬ近況を嘆いた。

　それでも川崎の最終日にはまくりを出して1着を取っている。落ち込もうとも、気持ちを引き締め、自力でリズムを好転させるあたりは巧妙だ。この手のレースをしていれば脚もキープできズルズルと落ちていくこともない。

「うまく流れに乗れないときってありますよね。最近じゃアオイ(児玉碧衣)もそうでしょう。私は競輪の流れは悪いけど、プライベートは流れがいいので何とかします。アハハ」

　底抜けの明るさと確かな技術と脚力で戦局をたくましく乗り切って行く。(netkeirin特派員)