2023/12/18(月) 12:00 0 8
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは今年ケガの影響を受けた守澤太志の渾身の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
守澤太志(38歳・秋田=96期)が別府競輪場で開催された「開設73周年記念 オランダ王国友好杯(GIII)」の最終日12R決勝で、存在感を見せつけた。3年守ったS班の地位から来年は陥落。「いや〜、自分にはそんな実力は〜」と返り咲きへの闘志は口にしなかったが、レースでは違った。
自分で動く構成。黙って脚をためての勝負ではなく、すべてをやってのけての優勝だった。
「俺は誰ですか」。ケガの影響があったとはいえ、今年1年間はモリサワらしさが影を潜めていた。時々は、見られた。でもそれではS班の地位は守れな…い。
S班の難しさと向き合った1年だったと思うが、力が落ちているわけではないことを証明した決勝での走りだった。闘争心にあふれていた。
赤板で自分でインを切り、松本秀之介(23歳・熊本=117期)ライン2車を出す。松浦悠士(33歳・広島=98期)と三谷竜生(36歳・奈良=101期)がいる中、寸分の隙も作れない。
残り1周で三谷が来たところ、1角で一発ブロック。松浦ラインが控えているので、最終バックからは強引にまくりに行く。すべての動きが好プレーなのだが、この仕掛けたポイントを最大の好プレーとしよう。待たず、内藤秀久(41歳・神奈川=89期)に任された責任も胸に、戦い意志を示した。
★は4つ。S班返り咲きを決める一撃の時に、ひとつ★を残しておこう。モリサワ、の来年に期待して。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)