レース前、番手の丸山直樹との2車単オッズは1.5倍とダントツの一番人気。支持に推されたとおり力強い、というか力でねじ伏せる勢いたっぷりの一撃で前団を飲み込み快勝した。

「前が駆けていたし、まくりで行こうと。奈良できついあの位置から？ 行けましたね(笑)。四宮(哲郎)さんとからまった感じがあったけど乗り越えられました」と人気に応え、胸を張った。

　本来はこのクラスを走っている選手ではない。今期、A級なのは失格の影響で「(前々期は)失格に加えて最後の方で落車もして、点数がガクッと落ちたんです」とスランプや脚の都合によるものではなく、明らかな事情があった。

　S級で勝ち負けを演じるだけの脚力を備えているのはこのレースでも実証済みで、まくりの上がりタイムは9秒3。来期の格付けはS級1班と、このままS級を走っても何ら遜色は無い。

「今は来期を意識して、とくに着にこだわっています。S級になればもっとヨコの動きが厳しくなるから」と残りの1か月半はテーマを掲げ、強い意識を掲げて一戦ずつ入魂だ。(netkeirin特派員)